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数学I 集合と命題

答えと解説

答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。

1基本

全体集合を U={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10}U = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10\} とし、A={1,2,3,6}A = \{1, 2, 3, 6\}B={2,4,6,8}B = \{2, 4, 6, 8\} とする。次の集合を求めよ。
(1) ABA \cap B
(2) ABA \cup B
(3) A\overline{A}

答え

(1) {2,6}\{2, 6\}
(2) {1,2,3,4,6,8}\{1, 2, 3, 4, 6, 8\}
(3) {4,5,7,8,9,10}\{4, 5, 7, 8, 9, 10\}

解説

定義どおり、要素を1つずつ確認します。

(1) ABA \cap BAABB の両方に属する要素の集合です。AA の要素 1,2,3,61, 2, 3, 6 のうち BB にも属するのは 2266 なので

AB={2,6}A \cap B = \{2, 6\}

(2) ABA \cup B は少なくとも一方に属する要素の集合です。AA の要素 1,2,3,61, 2, 3, 6BB の要素 2,4,6,82, 4, 6, 8 を合わせて、重複を除いて小さい順に並べると

AB={1,2,3,4,6,8}A \cup B = \{1, 2, 3, 4, 6, 8\}

(3) A\overline{A}UU の要素のうち AA に属さないものの集合です。UU の要素 11 から 1010 のうち 1,2,3,61, 2, 3, 6 を除いて

A={4,5,7,8,9,10}\overline{A} = \{4, 5, 7, 8, 9, 10\}

和集合では 2266 のような共通の要素を二重に書かないこと、補集合では必ず全体集合 UU を基準にすることに注意しましょう。

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2基本

1212 の正の約数全体の集合を AA とし、2x<3-2 \le x < 3 を満たす整数 xx 全体の集合を BB とする。
(1) AA の要素を書き並べて表せ。
(2) BB の要素を書き並べて表せ。
(3) 5A5 \in A{1,2,3}A\{1, 2, 3\} \subset A はそれぞれ正しいか。

答え

(1) A={1,2,3,4,6,12}A = \{1, 2, 3, 4, 6, 12\}
(2) B={2,1,0,1,2}B = \{-2, -1, 0, 1, 2\}
(3) 5A5 \in A は正しくない(5A5 \notin A)。{1,2,3}A\{1, 2, 3\} \subset A は正しい。

解説

(1) 1212 を割り切る正の整数を小さい順に探します。12=1×12=2×6=3×412 = 1 \times 12 = 2 \times 6 = 3 \times 4 なので

A={1,2,3,4,6,12}A = \{1, 2, 3, 4, 6, 12\}

ペアで探す(11121222663344)と数え落としを防げます。

(2) 2x<3-2 \le x < 3 を満たす整数を書き並べます。2-2 は等号があるので含み、33 は等号がないので含みません。

B={2,1,0,1,2}B = \{-2, -1, 0, 1, 2\}

(3) 551212 を割り切らないので(12÷512 \div 5 は整数にならない)、55AA の要素ではありません。よって 5A5 \in A は正しくなく、5A5 \notin A です。

{1,2,3}\{1, 2, 3\} の要素 112233 はすべて AA の要素なので、{1,2,3}A\{1, 2, 3\} \subset A は正しいです。

\in は「要素と集合」の関係、\subset は「集合と集合」の関係を表す記号です。使い分けをここで確実にしておきましょう。また、(2) のように不等号の等号の有無(端の値を含むか)は最頻出の注意点です。

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3基本

xx は実数とする。次の命題の真偽を調べよ。偽の場合は反例を1つ挙げよ。
(1) x=3x2=9x = 3 \Longrightarrow x^2 = 9
(2) x2=9x=3x^2 = 9 \Longrightarrow x = 3

答え

(1) 真
(2) 偽(反例: x=3x = -3)

解説

命題 pqp \Longrightarrow q が真であることを示すには「pp を満たすすべてのものが qq を満たす」ことを、偽であることを示すには反例を1つ挙げます。

(1) x=3x = 3 のとき

x2=32=9x^2 = 3^2 = 9

なので、仮定を満たす xx(この場合 x=3x = 3 のみ)は必ず結論を満たします。よって真です。

(2) x2=9x^2 = 9 を解くと、x=3x = 3 または x=3x = -3 です。

x=3x = -3 は仮定 x2=9x^2 = 9 を満たしますが((3)2=9(-3)^2 = 9)、結論 x=3x = 3 を満たしません。よって x=3x = -3 が反例となり、この命題は偽です。

「2乗の式から元の値に戻すときは符号が2通り」——これが反例探しでまず疑うべきポイントです。反例は「仮定を満たすのに結論を満たさない」ものであることを必ず確認しましょう。

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4基本

xx は実数とする。次の空らんに「十分条件であるが必要条件ではない」「必要条件であるが十分条件ではない」「必要十分条件である」「必要条件でも十分条件でもない」のうち適切なものを入れよ。
(1) x=3x = 3x2=9x^2 = 9 であるための( )。
(2) x>0x > 0x>1x > 1 であるための( )。

答え

(1) 十分条件であるが必要条件ではない
(2) 必要条件であるが十分条件ではない

解説

必要・十分の判定は、必ず両方向の矢印の真偽を調べます。pqp \Longrightarrow q が真のとき、ppqq であるための十分条件、qqpp であるための必要条件です。

(1) pp: x=3x = 3qq: x2=9x^2 = 9 とします。

pqp \Longrightarrow q は真(32=93^2 = 9)。

qpq \Longrightarrow p は偽(反例: x=3x = -3)。

行き(pqp \Longrightarrow q)だけが真なので、x=3x = 3 は十分条件であるが必要条件ではありません。

(2) pp: x>0x > 0qq: x>1x > 1 とします。

pqp \Longrightarrow q は偽(反例: x=12x = \dfrac{1}{2}x>0x > 0 を満たすが x>1x > 1 を満たさない)。

qpq \Longrightarrow p は真(x>1x > 1 ならば当然 x>0x > 0)。

戻り(qpq \Longrightarrow p)だけが真なので、x>0x > 0 は必要条件であるが十分条件ではありません。

集合で確認すると、(2) は {xx>1}{xx>0}\{x \mid x > 1\} \subset \{x \mid x > 0\} で、範囲の広い方 x>0x > 0 が必要条件です。「広い方が必要条件」と覚えておくと検算になります。

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5基本

xx は実数とする。命題「x=1x2=1x = 1 \Longrightarrow x^2 = 1」の逆・裏・対偶をそれぞれ述べ、その真偽を調べよ。

答え

逆: x2=1x=1x^2 = 1 \Longrightarrow x = 1 … 偽(反例: x=1x = -1)
裏: x1x21x \ne 1 \Longrightarrow x^2 \ne 1 … 偽(反例: x=1x = -1)
対偶: x21x1x^2 \ne 1 \Longrightarrow x \ne 1 … 真

解説

もとの命題を pqp \Longrightarrow q(pp: x=1x = 1qq: x2=1x^2 = 1)とすると、逆は qpq \Longrightarrow p、裏は pq\overline{p} \Longrightarrow \overline{q}、対偶は qp\overline{q} \Longrightarrow \overline{p} です。

【逆】 x2=1x=1x^2 = 1 \Longrightarrow x = 1

x2=1x^2 = 1 の解は x=1x = 1x=1x = -1 です。x=1x = -1 は仮定を満たすのに結論 x=1x = 1 を満たさないので、偽です。

【裏】 x1x21x \ne 1 \Longrightarrow x^2 \ne 1

x=1x = -1x1x \ne 1 を満たしますが、x2=(1)2=1x^2 = (-1)^2 = 1 なので x21x^2 \ne 1 を満たしません。よって偽です。

【対偶】 x21x1x^2 \ne 1 \Longrightarrow x \ne 1

もとの命題「x=1x2=1x = 1 \Longrightarrow x^2 = 1」は真(12=11^2 = 1)であり、対偶の真偽はもとの命題と一致するので、対偶も真です。直接確かめるなら、「もし x=1x = 1 なら x2=1x^2 = 1 になってしまい仮定に反するので x1x \ne 1」と考えられます。

「逆と裏は互いに対偶の関係にある」ことも覚えておきましょう。実際、上の逆と裏はどちらも偽で真偽が一致しています。もとの命題が真でも逆・裏が真とは限らない、が最大の注意点です。

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6標準

実数全体を全体集合とし、A={x1x3}A = \{x \mid -1 \le x \le 3\}B={x2<x5}B = \{x \mid 2 < x \le 5\} とする。次の集合を求めよ。
(1) ABA \cap B
(2) ABA \cup B
(3) A\overline{A}

答え

(1) {x2<x3}\{x \mid 2 < x \le 3\}
(2) {x1x5}\{x \mid -1 \le x \le 5\}
(3) x<1x < -1 または x>3x > 3 の範囲(実数)全体の集合

解説

数直線をかいて、AA の範囲(1-1 以上 33 以下)と BB の範囲(22 より大きく 55 以下)を上下に並べて図示するのが定石です。端の値を含むかどうか(等号の有無)を白丸・黒丸で区別してかきましょう。

(1) 共通部分は両方の範囲が重なる部分です。重なりは 22 から 33 までで、x=2x = 2BB に含まれない(2<x2 < x で等号なし)ため除き、x=3x = 3 は両方に含まれるので含めます。

AB={x2<x3}A \cap B = \{x \mid 2 < x \le 3\}

(2) 和集合は少なくとも一方に含まれる部分です。AA1-1 から 33 まで、BB22 の直後から 55 までをカバーし、22 から 33 の部分で重なってつながっているので、全体として

AB={x1x5}A \cup B = \{x \mid -1 \le x \le 5\}

(3) A\overline{A} は実数全体から AA を除いた部分、つまり 1x3-1 \le x \le 3 の否定です。「以上・以下」の否定では等号が消えることに注意して、A\overline{A} は「x<1x < -1 または x>3x > 3」を満たす実数全体の集合となります。

補集合をとると等号の有無が反転する(\le の否定は >>)こと、共通部分・和集合の端点の扱いが、この型の問題のつまずきポイントです。数直線の図を省略しないことが正確さへの近道です。

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7標準

全体集合を U={1,2,3,4,5,6,7,8,9}U = \{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9\} とし、A={1,3,5,7,9}A = \{1, 3, 5, 7, 9\}B={3,6,9}B = \{3, 6, 9\} とする。AB\overline{A \cup B}AB\overline{A} \cap \overline{B} をそれぞれ求め、両者が一致することを確かめよ。

答え

AB={2,4,8}\overline{A \cup B} = \{2, 4, 8\}AB={2,4,8}\overline{A} \cap \overline{B} = \{2, 4, 8\} で一致する(ド・モルガンの法則)。

解説

ド・モルガンの法則 AB=AB\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B} を、要素の計算で確かめる問題です。

【左辺の計算】 まず和集合を求めます。

AB={1,3,5,6,7,9}A \cup B = \{1, 3, 5, 6, 7, 9\}

UU からこれらを除いて

AB={2,4,8}\overline{A \cup B} = \{2, 4, 8\}

【右辺の計算】 それぞれの補集合を求めます。

A={2,4,6,8}\overline{A} = \{2, 4, 6, 8\}
B={1,2,4,5,7,8}\overline{B} = \{1, 2, 4, 5, 7, 8\}

両方に属する要素を拾うと

AB={2,4,8}\overline{A} \cap \overline{B} = \{2, 4, 8\}

確かに AB=AB={2,4,8}\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B} = \{2, 4, 8\} で一致しました。

意味を考えると、「AA にも BB にも入っていない」(左辺)ことと「AA の外にあり、かつ BB の外にある」(右辺)ことは同じ、というのがド・モルガンの法則です。テストでは法則を丸暗記するだけでなく、このように具体例で検算できると強いです。

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8標準

xxyymmnn は実数とする。次の(1)〜(4)について、ppqq であるための「十分条件であるが必要条件ではない」「必要条件であるが十分条件ではない」「必要十分条件である」「必要条件でも十分条件でもない」のいずれかを答えよ。
(1) pp: x=0x = 0qq: x2=xx^2 = x
(2) pp: x+y>0x + y > 0 かつ xy>0xy > 0qq: x>0x > 0 かつ y>0y > 0
(3) pp: x2|x| \le 2qq: 1x2-1 \le x \le 2
(4) pp: x>0x > 0qq: x2>1x^2 > 1

答え

(1) 十分条件であるが必要条件ではない
(2) 必要十分条件である
(3) 必要条件であるが十分条件ではない
(4) 必要条件でも十分条件でもない

解説

各問とも pqp \Longrightarrow qqpq \Longrightarrow p の両方向を調べます。

(1) pqp \Longrightarrow q: x=0x = 0 のとき x2=0=xx^2 = 0 = x なので真。
qpq \Longrightarrow p: x2=xx^2 = x すなわち x2x=0x^2 - x = 0 より x(x1)=0x(x-1) = 0、つまり x=0x = 0 または x=1x = 1。反例 x=1x = 1 があるので偽。
よって十分条件であるが必要条件ではありません。

(2) qpq \Longrightarrow p: x>0x > 0 かつ y>0y > 0 ならば、和も積も正なので真。
pqp \Longrightarrow q: xy>0xy > 0 より xxyy は同符号(ともに正か、ともに負)。もしともに負なら x+y<0x + y < 0 となり x+y>0x + y > 0 に反するので、ともに正しかありえません。よって真。
両方向が真なので必要十分条件です。

(3) qpq \Longrightarrow p: 1x2-1 \le x \le 2 ならば x2|x| \le 2 は成り立つので真(1x2-1 \le x \le 2 の範囲は 2x2-2 \le x \le 2 にすっぽり含まれる)。
pqp \Longrightarrow q: 反例 x=2x = -22=22|-2| = 2 \le 2 を満たすが、1x-1 \le x を満たさないので偽。
よって必要条件であるが十分条件ではありません。

(4) pqp \Longrightarrow q: 反例 x=12x = \dfrac{1}{2}x>0x > 0 だが x2=141x^2 = \dfrac{1}{4} \le 1 なので偽。
qpq \Longrightarrow p: x2>1x^2 > 1 の解は x>1x > 1 または x<1x < -1。反例 x=2x = -2x2=4>1x^2 = 4 > 1 だが x>0x > 0 でないので偽。
両方向とも偽なので、必要条件でも十分条件でもありません。

この4問で4種類の答えがすべて登場しました。「両方向を調べて、真になった矢印の根元が十分条件」——この手順を機械的に実行すれば迷いません。反例には 0011、負の数、分数を優先的に試すのがコツです。

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9標準

次の条件の否定を述べよ。ただし xxyy は実数、nn は整数とする。
(1) x>2x > 2
(2) x0x \ge 0 かつ y0y \ge 0
(3) nn は偶数である、または nn33 の倍数である

答え

(1) x2x \le 2
(2) x<0x < 0 または y<0y < 0
(3) nn は奇数であり、かつ nn33 の倍数でない

解説

条件の否定は、「かつ」と「または」を入れかえ、それぞれの条件を否定する、というド・モルガンの法則に従って作ります。

(1) x>2x > 2 の否定は「x>2x > 2 でない」、つまり

x2x \le 2

否定すると等号の有無が入れかわる(>> の否定は \le)ことに注意します。「x<2x < 2」としてしまうと x=2x = 2 の場合が抜け落ちる、最頻出のミスです。

(2) 「pp かつ qq」の否定は「p\overline{p} または q\overline{q}」なので、「x<0x < 0 または y<0y < 0」となります。

x0x \ge 0 の否定が x<0x < 0(等号が消える)である点も (1) と同様です。

(3) 「pp または qq」の否定は「p\overline{p} かつ q\overline{q}」です。「偶数である」の否定は「奇数である」、「33 の倍数である」の否定は「33 の倍数でない」なので、

nn は奇数であり、かつ nn33 の倍数でない」

となります。

検算のコツは具体例です。たとえば (3) で n=5n = 5 は「偶数でも 33 の倍数でもない」ので、もとの条件を満たさず、否定の条件(奇数かつ 33 の倍数でない)を満たします。もとの条件と否定は、どんな値に対してもちょうど一方だけが成り立つはずです。

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10標準

整数 mmnn について、次の命題を対偶を利用して証明せよ。
mnmn が奇数ならば、mmnn はともに奇数である」

答え

対偶「mm または nn が偶数ならば、mnmn は偶数である」を証明することで示される(解説参照)。

解説

結論「mmnn はともに奇数」の否定は、ド・モルガンの法則により「mm または nn が偶数(少なくとも一方が偶数)」です。仮定「mnmn が奇数」の否定は「mnmn が偶数」です。よって対偶は

mmnn の少なくとも一方が偶数ならば、mnmn は偶数である」

となります。これを証明します。

【証明】 mmnn の少なくとも一方が偶数であるとする。

mm が偶数のとき、整数 kk を用いて m=2km = 2k と表せるので

mn=2kn=2(kn)mn = 2kn = 2(kn)

knkn は整数なので mnmn は偶数である。

nn が偶数のときも同様に、n=2kn = 2k(kk は整数)と表せて

mn=m2k=2(mk)mn = m \cdot 2k = 2(mk)

となり、mnmn は偶数である。

いずれの場合も mnmn は偶数なので、対偶は真である。したがって、もとの命題も真である。(証明終)

この問題の最大のポイントは、「ともに奇数」の否定を「ともに偶数」と間違えないことです。「かつ」の否定は「または」——つまり「少なくとも一方が偶数」です。対偶を作る段階での否定のミスは証明全体を崩すので、否定を作ったら具体例で確認する習慣をつけましょう。

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11標準

aa は実数の定数とする。xx に関する条件「x>ax > a」が、条件「2<x<52 < x < 5」であるための必要条件となるような aa の値の範囲を求めよ。

答え

a2a \le 2

解説

x>ax > a」が「2<x<52 < x < 5」であるための必要条件であるとは、命題

2<x<5x>a2 < x < 5 \Longrightarrow x > a

が真であることです。集合の言葉に直すと、P={x2<x<5}P = \{x \mid 2 < x < 5\}Q={xx>a}Q = \{x \mid x > a\} として

PQP \subset Q

が成り立つことです。つまり、区間 2<x<52 < x < 5 全体が、範囲 x>ax > a にすっぽり含まれればよいのです。

数直線で考えます。QQaa より右側全体なので、PQP \subset Q となるためには、aa が区間 PP の左端 22 以下にあればよく、条件は

a2a \le 2

【境界 a=2a = 2 の確認】 a=2a = 2 のとき Q={xx>2}Q = \{x \mid x > 2\} です。PP のどの要素 xx2<x2 < x を満たすので PQP \subset Q が成り立ちます。よって a=2a = 2 は含まれます。

a>2a > 2 がだめなことの確認】 たとえば a=2.1a = 2.1 とすると、x=2.05x = 2.052<x<52 < x < 5 を満たしますが x>2.1x > 2.1 を満たしません。つまり PQP \subset Q が崩れます。

「必要条件 ⟺ 含む側(広い方)」という対応を集合の包含関係に翻訳し、数直線で端点を丁寧に検討する——この流れが定石です。境界の値(ここでは a=2a = 2)を含むかどうかは、必ず個別に確認しましょう。

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12発展

整数 nn について、次の命題を対偶を利用して証明せよ。
n2n^233 の倍数ならば、nn33 の倍数である」

答え

対偶「nn33 の倍数でないならば、n2n^233 の倍数でない」を、n=3k+1n = 3k+1n=3k+2n = 3k+2 の場合分けで証明する(解説参照)。

解説

対偶は

nn33 の倍数でないならば、n2n^233 の倍数でない」

です。33 の倍数でない整数は、整数 kk を用いて n=3k+1n = 3k + 1 または n=3k+2n = 3k + 2 と表せます(3で割った余りが 1122)。この2つの場合に分けて証明します。

【場合1】 n=3k+1n = 3k + 1 のとき

n2=(3k+1)2=9k2+6k+1=3(3k2+2k)+1n^2 = (3k+1)^2 = 9k^2 + 6k + 1 = 3(3k^2 + 2k) + 1

3k2+2k3k^2 + 2k は整数なので、n2n^233 で割ると 11 余る数であり、33 の倍数ではない。

【場合2】 n=3k+2n = 3k + 2 のとき

n2=(3k+2)2=9k2+12k+4=3(3k2+4k+1)+1n^2 = (3k+2)^2 = 9k^2 + 12k + 4 = 3(3k^2 + 4k + 1) + 1

3k2+4k+13k^2 + 4k + 1 は整数なので、n2n^233 で割ると 11 余る数であり、33 の倍数ではない。

いずれの場合も n2n^233 の倍数でないので、対偶は真である。したがって、もとの命題も真である。(証明終)

場合2で 4=3+14 = 3 + 1 と分けて「3×m+13 \times m + 1(mm は整数)」の形に整理するのがポイントです。展開の検算として、たとえば n=5=3×1+2n = 5 = 3 \times 1 + 2n2=25=3×8+1n^2 = 25 = 3 \times 8 + 1 となり、確かに余り 11 です。この命題は次の問題(√3 の無理数性の証明)で使う重要な補題です。

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13発展

3\sqrt{3} が無理数であることを証明せよ。ただし、整数 nn について「n2n^233 の倍数ならば nn33 の倍数である」ことは使ってよい。

答え

3\sqrt{3} を互いに素な正の整数の比 pq\dfrac{p}{q} と仮定すると、ppqq33 の倍数となって矛盾するので、3\sqrt{3} は無理数である(解説参照)。

解説

背理法で証明します。「無理数である」の否定「有理数である」を仮定して矛盾を導きます。

【証明】 3\sqrt{3} が有理数であると仮定する。このとき、互いに素な正の整数 ppqq を用いて

3=pq\sqrt{3} = \frac{p}{q}

と表せる。両辺に qq を掛けて

3q=p\sqrt{3}\, q = p

両辺を2乗すると

3q2=p23q^2 = p^2

左辺は 33 の倍数なので、p2p^233 の倍数である。すると、与えられた事実により pp33 の倍数である。そこで p=3kp = 3k(kk は正の整数)とおくと

3q2=(3k)2=9k23q^2 = (3k)^2 = 9k^2

両辺を 33 で割って

q2=3k2q^2 = 3k^2

よって q2q^233 の倍数であり、再び与えられた事実により qq33 の倍数である。

すると ppqq はともに 33 の倍数となり、公約数 33 をもつ。これは ppqq が互いに素であることに矛盾する。

したがって、3\sqrt{3} は有理数ではなく、無理数である。(証明終)

2\sqrt{2} の場合(教科書本文の例題)とまったく同じ骨組みで、「偶数」の役割を「33 の倍数」が担っています。「互いに素とおく → 2乗して整数の式にする → 両方が同じ数の倍数になって矛盾」という流れを、型として使えるようにしておきましょう。前問の補題(n2n^233 の倍数なら nn33 の倍数)を使う箇所を証明中に明記することも、答案では重要です。

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14発展

aabb は有理数とする。a+b2=0a + b\sqrt{2} = 0 ならば a=b=0a = b = 0 であることを証明せよ。ただし、2\sqrt{2} が無理数であることは使ってよい。

答え

b0b \ne 0 と仮定すると 2=ab\sqrt{2} = -\dfrac{a}{b} が有理数となり矛盾。よって b=0b = 0 であり、このとき a=0a = 0 も従う(解説参照)。

解説

b=0b = 0」の部分を背理法で示し、その後 a=0a = 0 を導く、という2段構えの証明です。

【証明】 a+b2=0a + b\sqrt{2} = 0 とする。

まず、b0b \ne 0 と仮定する。このとき a+b2=0a + b\sqrt{2} = 02\sqrt{2} について解くことができて

b2=ab\sqrt{2} = -a

b0b \ne 0 なので両辺を bb で割ると

2=ab\sqrt{2} = -\frac{a}{b}

aabb は有理数なので、右辺 ab-\dfrac{a}{b} は有理数である(有理数どうしの割り算は、割る数が 00 でなければ有理数)。すると 2\sqrt{2} が有理数となり、2\sqrt{2} が無理数であることに矛盾する。

よって、仮定 b0b \ne 0 は誤りであり、b=0b = 0 である。

このとき、もとの式 a+b2=0a + b\sqrt{2} = 0b=0b = 0 を代入すると

a+02=a=0a + 0 \cdot \sqrt{2} = a = 0

したがって、a=b=0a = b = 0 である。(証明終)

ポイントは2つあります。第一に、背理法の仮定を「b0b \ne 0」に置くことです。bb で割るという操作は b0b \ne 0 のときしかできないので、まず bb の方を片づけます(「a0a \ne 0 または b0b \ne 0」を仮定するより、この方が見通しがよい)。第二に、「有理数 ÷ 有理数(≠0)は有理数」という事実を明記することです。この結果は「a+b2=c+d2a + b\sqrt{2} = c + d\sqrt{2} ならば a=ca = c かつ b=db = d(係数比較)」の根拠となる重要な定理で、数学IIの複素数の相等ともよく似た構造をしています。

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