数学I 集合と命題
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
全体集合を U={1,2,3,4,5,6,7,8,9,10} とし、A={1,2,3,6}、B={2,4,6,8} とする。次の集合を求めよ。
(1) A∩B
(2) A∪B
(3) A
答え
(1) {2,6}
(2) {1,2,3,4,6,8}
(3) {4,5,7,8,9,10}
解説
定義どおり、要素を1つずつ確認します。
(1) A∩B は A と B の両方に属する要素の集合です。A の要素 1,2,3,6 のうち B にも属するのは 2 と 6 なので
(2) A∪B は少なくとも一方に属する要素の集合です。A の要素 1,2,3,6 と B の要素 2,4,6,8 を合わせて、重複を除いて小さい順に並べると
(3) A は U の要素のうち A に属さないものの集合です。U の要素 1 から 10 のうち 1,2,3,6 を除いて
和集合では 2 や 6 のような共通の要素を二重に書かないこと、補集合では必ず全体集合 U を基準にすることに注意しましょう。
12 の正の約数全体の集合を A とし、−2≤x<3 を満たす整数 x 全体の集合を B とする。
(1) A の要素を書き並べて表せ。
(2) B の要素を書き並べて表せ。
(3) 5∈A、{1,2,3}⊂A はそれぞれ正しいか。
答え
(1) A={1,2,3,4,6,12}
(2) B={−2,−1,0,1,2}
(3) 5∈A は正しくない(5∈/A)。{1,2,3}⊂A は正しい。
解説
(1) 12 を割り切る正の整数を小さい順に探します。12=1×12=2×6=3×4 なので
ペアで探す(1 と 12、2 と 6、3 と 4)と数え落としを防げます。
(2) −2≤x<3 を満たす整数を書き並べます。−2 は等号があるので含み、3 は等号がないので含みません。
(3) 5 は 12 を割り切らないので(12÷5 は整数にならない)、5 は A の要素ではありません。よって 5∈A は正しくなく、5∈/A です。
{1,2,3} の要素 1、2、3 はすべて A の要素なので、{1,2,3}⊂A は正しいです。
∈ は「要素と集合」の関係、⊂ は「集合と集合」の関係を表す記号です。使い分けをここで確実にしておきましょう。また、(2) のように不等号の等号の有無(端の値を含むか)は最頻出の注意点です。
x は実数とする。次の命題の真偽を調べよ。偽の場合は反例を1つ挙げよ。
(1) x=3⟹x2=9
(2) x2=9⟹x=3
答え
(1) 真
(2) 偽(反例: x=−3)
解説
命題 p⟹q が真であることを示すには「p を満たすすべてのものが q を満たす」ことを、偽であることを示すには反例を1つ挙げます。
(1) x=3 のとき
なので、仮定を満たす x(この場合 x=3 のみ)は必ず結論を満たします。よって真です。
(2) x2=9 を解くと、x=3 または x=−3 です。
x=−3 は仮定 x2=9 を満たしますが((−3)2=9)、結論 x=3 を満たしません。よって x=−3 が反例となり、この命題は偽です。
「2乗の式から元の値に戻すときは符号が2通り」——これが反例探しでまず疑うべきポイントです。反例は「仮定を満たすのに結論を満たさない」ものであることを必ず確認しましょう。
x は実数とする。次の空らんに「十分条件であるが必要条件ではない」「必要条件であるが十分条件ではない」「必要十分条件である」「必要条件でも十分条件でもない」のうち適切なものを入れよ。
(1) x=3 は x2=9 であるための( )。
(2) x>0 は x>1 であるための( )。
答え
(1) 十分条件であるが必要条件ではない
(2) 必要条件であるが十分条件ではない
解説
必要・十分の判定は、必ず両方向の矢印の真偽を調べます。p⟹q が真のとき、p は q であるための十分条件、q は p であるための必要条件です。
(1) p: x=3、q: x2=9 とします。
p⟹q は真(32=9)。
q⟹p は偽(反例: x=−3)。
行き(p⟹q)だけが真なので、x=3 は十分条件であるが必要条件ではありません。
(2) p: x>0、q: x>1 とします。
p⟹q は偽(反例: x=21 は x>0 を満たすが x>1 を満たさない)。
q⟹p は真(x>1 ならば当然 x>0)。
戻り(q⟹p)だけが真なので、x>0 は必要条件であるが十分条件ではありません。
集合で確認すると、(2) は {x∣x>1}⊂{x∣x>0} で、範囲の広い方 x>0 が必要条件です。「広い方が必要条件」と覚えておくと検算になります。
x は実数とする。命題「x=1⟹x2=1」の逆・裏・対偶をそれぞれ述べ、その真偽を調べよ。
答え
逆: x2=1⟹x=1 … 偽(反例: x=−1)
裏: x=1⟹x2=1 … 偽(反例: x=−1)
対偶: x2=1⟹x=1 … 真
解説
もとの命題を p⟹q(p: x=1、q: x2=1)とすると、逆は q⟹p、裏は p⟹q、対偶は q⟹p です。
【逆】 x2=1⟹x=1
x2=1 の解は x=1 と x=−1 です。x=−1 は仮定を満たすのに結論 x=1 を満たさないので、偽です。
【裏】 x=1⟹x2=1
x=−1 は x=1 を満たしますが、x2=(−1)2=1 なので x2=1 を満たしません。よって偽です。
【対偶】 x2=1⟹x=1
もとの命題「x=1⟹x2=1」は真(12=1)であり、対偶の真偽はもとの命題と一致するので、対偶も真です。直接確かめるなら、「もし x=1 なら x2=1 になってしまい仮定に反するので x=1」と考えられます。
「逆と裏は互いに対偶の関係にある」ことも覚えておきましょう。実際、上の逆と裏はどちらも偽で真偽が一致しています。もとの命題が真でも逆・裏が真とは限らない、が最大の注意点です。
実数全体を全体集合とし、A={x∣−1≤x≤3}、B={x∣2<x≤5} とする。次の集合を求めよ。
(1) A∩B
(2) A∪B
(3) A
答え
(1) {x∣2<x≤3}
(2) {x∣−1≤x≤5}
(3) x<−1 または x>3 の範囲(実数)全体の集合
解説
数直線をかいて、A の範囲(−1 以上 3 以下)と B の範囲(2 より大きく 5 以下)を上下に並べて図示するのが定石です。端の値を含むかどうか(等号の有無)を白丸・黒丸で区別してかきましょう。
(1) 共通部分は両方の範囲が重なる部分です。重なりは 2 から 3 までで、x=2 は B に含まれない(2<x で等号なし)ため除き、x=3 は両方に含まれるので含めます。
(2) 和集合は少なくとも一方に含まれる部分です。A が −1 から 3 まで、B が 2 の直後から 5 までをカバーし、2 から 3 の部分で重なってつながっているので、全体として
(3) A は実数全体から A を除いた部分、つまり −1≤x≤3 の否定です。「以上・以下」の否定では等号が消えることに注意して、A は「x<−1 または x>3」を満たす実数全体の集合となります。
補集合をとると等号の有無が反転する(≤ の否定は >)こと、共通部分・和集合の端点の扱いが、この型の問題のつまずきポイントです。数直線の図を省略しないことが正確さへの近道です。
全体集合を U={1,2,3,4,5,6,7,8,9} とし、A={1,3,5,7,9}、B={3,6,9} とする。A∪B と A∩B をそれぞれ求め、両者が一致することを確かめよ。
答え
A∪B={2,4,8}、A∩B={2,4,8} で一致する(ド・モルガンの法則)。
解説
ド・モルガンの法則 A∪B=A∩B を、要素の計算で確かめる問題です。
【左辺の計算】 まず和集合を求めます。
U からこれらを除いて
【右辺の計算】 それぞれの補集合を求めます。
両方に属する要素を拾うと
確かに A∪B=A∩B={2,4,8} で一致しました。
意味を考えると、「A にも B にも入っていない」(左辺)ことと「A の外にあり、かつ B の外にある」(右辺)ことは同じ、というのがド・モルガンの法則です。テストでは法則を丸暗記するだけでなく、このように具体例で検算できると強いです。
x、y、m、n は実数とする。次の(1)〜(4)について、p は q であるための「十分条件であるが必要条件ではない」「必要条件であるが十分条件ではない」「必要十分条件である」「必要条件でも十分条件でもない」のいずれかを答えよ。
(1) p: x=0、 q: x2=x
(2) p: x+y>0 かつ xy>0、 q: x>0 かつ y>0
(3) p: ∣x∣≤2、 q: −1≤x≤2
(4) p: x>0、 q: x2>1
答え
(1) 十分条件であるが必要条件ではない
(2) 必要十分条件である
(3) 必要条件であるが十分条件ではない
(4) 必要条件でも十分条件でもない
解説
各問とも p⟹q と q⟹p の両方向を調べます。
(1) p⟹q: x=0 のとき x2=0=x なので真。
q⟹p: x2=x すなわち x2−x=0 より x(x−1)=0、つまり x=0 または x=1。反例 x=1 があるので偽。
よって十分条件であるが必要条件ではありません。
(2) q⟹p: x>0 かつ y>0 ならば、和も積も正なので真。
p⟹q: xy>0 より x と y は同符号(ともに正か、ともに負)。もしともに負なら x+y<0 となり x+y>0 に反するので、ともに正しかありえません。よって真。
両方向が真なので必要十分条件です。
(3) q⟹p: −1≤x≤2 ならば ∣x∣≤2 は成り立つので真(−1≤x≤2 の範囲は −2≤x≤2 にすっぽり含まれる)。
p⟹q: 反例 x=−2。∣−2∣=2≤2 を満たすが、−1≤x を満たさないので偽。
よって必要条件であるが十分条件ではありません。
(4) p⟹q: 反例 x=21。x>0 だが x2=41≤1 なので偽。
q⟹p: x2>1 の解は x>1 または x<−1。反例 x=−2 は x2=4>1 だが x>0 でないので偽。
両方向とも偽なので、必要条件でも十分条件でもありません。
この4問で4種類の答えがすべて登場しました。「両方向を調べて、真になった矢印の根元が十分条件」——この手順を機械的に実行すれば迷いません。反例には 0、1、負の数、分数を優先的に試すのがコツです。
次の条件の否定を述べよ。ただし x、y は実数、n は整数とする。
(1) x>2
(2) x≥0 かつ y≥0
(3) n は偶数である、または n は 3 の倍数である
答え
(1) x≤2
(2) x<0 または y<0
(3) n は奇数であり、かつ n は 3 の倍数でない
解説
条件の否定は、「かつ」と「または」を入れかえ、それぞれの条件を否定する、というド・モルガンの法則に従って作ります。
(1) x>2 の否定は「x>2 でない」、つまり
否定すると等号の有無が入れかわる(> の否定は ≤)ことに注意します。「x<2」としてしまうと x=2 の場合が抜け落ちる、最頻出のミスです。
(2) 「p かつ q」の否定は「p または q」なので、「x<0 または y<0」となります。
x≥0 の否定が x<0(等号が消える)である点も (1) と同様です。
(3) 「p または q」の否定は「p かつ q」です。「偶数である」の否定は「奇数である」、「3 の倍数である」の否定は「3 の倍数でない」なので、
「n は奇数であり、かつ n は 3 の倍数でない」
となります。
検算のコツは具体例です。たとえば (3) で n=5 は「偶数でも 3 の倍数でもない」ので、もとの条件を満たさず、否定の条件(奇数かつ 3 の倍数でない)を満たします。もとの条件と否定は、どんな値に対してもちょうど一方だけが成り立つはずです。
整数 m、n について、次の命題を対偶を利用して証明せよ。
「mn が奇数ならば、m と n はともに奇数である」
答え
対偶「m または n が偶数ならば、mn は偶数である」を証明することで示される(解説参照)。
解説
結論「m と n はともに奇数」の否定は、ド・モルガンの法則により「m または n が偶数(少なくとも一方が偶数)」です。仮定「mn が奇数」の否定は「mn が偶数」です。よって対偶は
「m と n の少なくとも一方が偶数ならば、mn は偶数である」
となります。これを証明します。
【証明】 m と n の少なくとも一方が偶数であるとする。
m が偶数のとき、整数 k を用いて m=2k と表せるので
kn は整数なので mn は偶数である。
n が偶数のときも同様に、n=2k(k は整数)と表せて
となり、mn は偶数である。
いずれの場合も mn は偶数なので、対偶は真である。したがって、もとの命題も真である。(証明終)
この問題の最大のポイントは、「ともに奇数」の否定を「ともに偶数」と間違えないことです。「かつ」の否定は「または」——つまり「少なくとも一方が偶数」です。対偶を作る段階での否定のミスは証明全体を崩すので、否定を作ったら具体例で確認する習慣をつけましょう。
a は実数の定数とする。x に関する条件「x>a」が、条件「2<x<5」であるための必要条件となるような a の値の範囲を求めよ。
答え
a≤2
解説
「x>a」が「2<x<5」であるための必要条件であるとは、命題
が真であることです。集合の言葉に直すと、P={x∣2<x<5}、Q={x∣x>a} として
が成り立つことです。つまり、区間 2<x<5 全体が、範囲 x>a にすっぽり含まれればよいのです。
数直線で考えます。Q は a より右側全体なので、P⊂Q となるためには、a が区間 P の左端 2 以下にあればよく、条件は
【境界 a=2 の確認】 a=2 のとき Q={x∣x>2} です。P のどの要素 x も 2<x を満たすので P⊂Q が成り立ちます。よって a=2 は含まれます。
【a>2 がだめなことの確認】 たとえば a=2.1 とすると、x=2.05 は 2<x<5 を満たしますが x>2.1 を満たしません。つまり P⊂Q が崩れます。
「必要条件 ⟺ 含む側(広い方)」という対応を集合の包含関係に翻訳し、数直線で端点を丁寧に検討する——この流れが定石です。境界の値(ここでは a=2)を含むかどうかは、必ず個別に確認しましょう。
整数 n について、次の命題を対偶を利用して証明せよ。
「n2 が 3 の倍数ならば、n は 3 の倍数である」
答え
対偶「n が 3 の倍数でないならば、n2 は 3 の倍数でない」を、n=3k+1、n=3k+2 の場合分けで証明する(解説参照)。
解説
対偶は
「n が 3 の倍数でないならば、n2 は 3 の倍数でない」
です。3 の倍数でない整数は、整数 k を用いて n=3k+1 または n=3k+2 と表せます(3で割った余りが 1 か 2)。この2つの場合に分けて証明します。
【場合1】 n=3k+1 のとき
3k2+2k は整数なので、n2 は 3 で割ると 1 余る数であり、3 の倍数ではない。
【場合2】 n=3k+2 のとき
3k2+4k+1 は整数なので、n2 は 3 で割ると 1 余る数であり、3 の倍数ではない。
いずれの場合も n2 は 3 の倍数でないので、対偶は真である。したがって、もとの命題も真である。(証明終)
場合2で 4=3+1 と分けて「3×m+1(m は整数)」の形に整理するのがポイントです。展開の検算として、たとえば n=5=3×1+2 で n2=25=3×8+1 となり、確かに余り 1 です。この命題は次の問題(√3 の無理数性の証明)で使う重要な補題です。
3 が無理数であることを証明せよ。ただし、整数 n について「n2 が 3 の倍数ならば n は 3 の倍数である」ことは使ってよい。
答え
3 を互いに素な正の整数の比 qp と仮定すると、p も q も 3 の倍数となって矛盾するので、3 は無理数である(解説参照)。
解説
背理法で証明します。「無理数である」の否定「有理数である」を仮定して矛盾を導きます。
【証明】 3 が有理数であると仮定する。このとき、互いに素な正の整数 p、q を用いて
と表せる。両辺に q を掛けて
両辺を2乗すると
左辺は 3 の倍数なので、p2 は 3 の倍数である。すると、与えられた事実により p は 3 の倍数である。そこで p=3k(k は正の整数)とおくと
両辺を 3 で割って
よって q2 は 3 の倍数であり、再び与えられた事実により q も 3 の倍数である。
すると p と q はともに 3 の倍数となり、公約数 3 をもつ。これは p と q が互いに素であることに矛盾する。
したがって、3 は有理数ではなく、無理数である。(証明終)
2 の場合(教科書本文の例題)とまったく同じ骨組みで、「偶数」の役割を「3 の倍数」が担っています。「互いに素とおく → 2乗して整数の式にする → 両方が同じ数の倍数になって矛盾」という流れを、型として使えるようにしておきましょう。前問の補題(n2 が 3 の倍数なら n も 3 の倍数)を使う箇所を証明中に明記することも、答案では重要です。
a、b は有理数とする。a+b2=0 ならば a=b=0 であることを証明せよ。ただし、2 が無理数であることは使ってよい。
答え
b=0 と仮定すると 2=−ba が有理数となり矛盾。よって b=0 であり、このとき a=0 も従う(解説参照)。
解説
「b=0」の部分を背理法で示し、その後 a=0 を導く、という2段構えの証明です。
【証明】 a+b2=0 とする。
まず、b=0 と仮定する。このとき a+b2=0 を 2 について解くことができて
b=0 なので両辺を b で割ると
a、b は有理数なので、右辺 −ba は有理数である(有理数どうしの割り算は、割る数が 0 でなければ有理数)。すると 2 が有理数となり、2 が無理数であることに矛盾する。
よって、仮定 b=0 は誤りであり、b=0 である。
このとき、もとの式 a+b2=0 に b=0 を代入すると
したがって、a=b=0 である。(証明終)
ポイントは2つあります。第一に、背理法の仮定を「b=0」に置くことです。b で割るという操作は b=0 のときしかできないので、まず b の方を片づけます(「a=0 または b=0」を仮定するより、この方が見通しがよい)。第二に、「有理数 ÷ 有理数(≠0)は有理数」という事実を明記することです。この結果は「a+b2=c+d2 ならば a=c かつ b=d(係数比較)」の根拠となる重要な定理で、数学IIの複素数の相等ともよく似た構造をしています。