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数学II6

微分と積分

微分係数と導関数、接線、関数の増減と極値、定積分と面積を学びます。

微分係数と導関数

関数 y=f(x)y = f(x) で、xxaa から bb まで変化するときの変化の割合

f(b)f(a)ba\frac{f(b)-f(a)}{b-a}

を平均変化率といいます。これはグラフ上の2点を結ぶ直線の傾きです。ここで bbaa に限りなく近づけると、2点を結ぶ直線は点 (a,f(a))(a, f(a)) での接線に近づいていきます。この「限りなく近づける」操作が極限で、bab \to a のときの平均変化率の極限値を、x=ax = a における微分係数といいます。

微分係数の定義

関数 f(x)f(x)x=ax = a における微分係数 f(a)f'(a)

f(a)=limh0f(a+h)f(a)hf'(a) = \lim_{h \to 0} \frac{f(a+h) - f(a)}{h}

f(a)f'(a) は、曲線 y=f(x)y = f(x) 上の点 (a,f(a))(a, f(a)) における接線の傾きを表します。

aa をいろいろな値に動かすと、微分係数 f(a)f'(a)aa の関数とみなせます。これを導関数といい、f(x)f'(x) と書きます。導関数を求めることを「微分する」といいます。定義から計算すると、たとえば f(x)=x2f(x) = x^2 なら

f(x)=limh0(x+h)2x2h=limh02xh+h2h=limh0(2x+h)=2xf'(x) = \lim_{h \to 0} \frac{(x+h)^2 - x^2}{h} = \lim_{h \to 0} \frac{2xh + h^2}{h} = \lim_{h \to 0} (2x + h) = 2x

となります。同じように計算すると、次の基本公式が得られます。

導関数の公式

nn が正の整数、cc が定数のとき

(xn)=nxn1(x^n)' = nx^{n-1}(c)=0(c)' = 0

また、kk を定数として

{kf(x)}=kf(x)\{kf(x)\}' = kf'(x){f(x)±g(x)}=f(x)±g(x)\{f(x) \pm g(x)\}' = f'(x) \pm g'(x)

つまり、各項を別々に微分してよいということです。

例題 1

関数 f(x)=x33x2+2xf(x) = x^3 - 3x^2 + 2x を微分せよ。また、微分係数 f(2)f'(2) を求めよ。

解き方

各項を公式 (xn)=nxn1(x^n)' = nx^{n-1} で微分します。

f(x)=3x232x+2=3x26x+2f'(x) = 3x^2 - 3 \cdot 2x + 2 = 3x^2 - 6x + 2

f(2)f'(2)f(x)f'(x)x=2x = 2 を代入して

f(2)=3462+2=1212+2=2f'(2) = 3 \cdot 4 - 6 \cdot 2 + 2 = 12 - 12 + 2 = 2

これは、曲線 y=f(x)y = f(x)x=2x = 2 の点における接線の傾きが 22 であることを意味します。

接線の方程式と関数の増減・極値

微分係数 f(a)f'(a) が接線の傾きを表すことを使うと、接線の方程式が書けます。「傾き mm で点 (a,b)(a, b) を通る直線は y=m(xa)+by = m(x-a) + b」という直線の式に当てはめるだけです。

接線の方程式

曲線 y=f(x)y = f(x) 上の点 (a,f(a))(a, f(a)) における接線の方程式は

y=f(a)(xa)+f(a)y = f'(a)(x - a) + f(a)

例題 2(接線)

曲線 y=x23xy = x^2 - 3x 上の x=2x = 2 の点における接線の方程式を求めよ。

解き方

f(x)=x23xf(x) = x^2 - 3x とおくと、接点の yy 座標は f(2)=46=2f(2) = 4 - 6 = -2

f(x)=2x3f'(x) = 2x - 3 なので、接線の傾きは f(2)=43=1f'(2) = 4 - 3 = 1

よって接線は、傾き 11 で点 (2,2)(2, -2) を通る直線だから

y=1(x2)+(2)=x4y = 1 \cdot (x - 2) + (-2) = x - 4

次に、導関数の符号とグラフの形の関係を見ます。接線の傾き f(x)f'(x) が正の区間ではグラフは右上がり、負の区間では右下がりです。つまり、f(x)f'(x) の符号を調べれば、グラフの増減がわかります。

増減と極値

ある区間でつねに f(x)>0f'(x) > 0 ならば、f(x)f(x) はその区間で増加する。
ある区間でつねに f(x)<0f'(x) < 0 ならば、f(x)f(x) はその区間で減少する。

f(x)f'(x) の符号が x=ax = a の前後で正から負に変わるとき、f(a)f(a) を極大値、
負から正に変わるとき、f(a)f(a) を極小値といいます。

増減の様子は増減表にまとめて調べるのが基本です。

例題 3(増減表と極値)

関数 y=x33xy = x^3 - 3x の増減を調べ、極値を求めよ。

解き方

y=3x23=3(x+1)(x1)y' = 3x^2 - 3 = 3(x+1)(x-1)

y=0y' = 0 となるのは x=1, 1x = -1, \ 1yy' の符号を調べて増減表を作ります。

x11y+00+y22\begin{array}{c|ccccc} x & \cdots & -1 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline y' & + & 0 & - & 0 & + \\ \hline y & \nearrow & 2 & \searrow & -2 & \nearrow \end{array}

よって、x=1x = -1 で極大値 (1)33(1)=2(-1)^3 - 3 \cdot (-1) = 2x=1x = 1 で極小値 13=21 - 3 = -2 をとります。

増減表では「yy' の符号」を先に埋め、それに合わせて yy の矢印を書くのがコツです。3次関数のグラフはこの増減表からすぐに描けます。

最大・最小と方程式・不等式への応用

区間が制限された関数の最大値・最小値を求めるときは、増減表を作り、極値と区間の端の値をすべて比べます。極大値が最大値になるとは限らず、端の値の方が大きいこともあるので、必ず全部の候補を書き出して比較しましょう。

例題 4(最大・最小)

関数 f(x)=x33x2+2f(x) = x^3 - 3x^2 + 2(0x30 \le x \le 3)の最大値と最小値を求めよ。

解き方

f(x)=3x26x=3x(x2)f'(x) = 3x^2 - 6x = 3x(x-2)

f(x)=0f'(x) = 0 となるのは x=0, 2x = 0, \ 2。区間 0x30 \le x \le 3 で増減を調べると、0<x<20 < x < 2f(x)<0f'(x) < 0(減少)、2<x<32 < x < 3f(x)>0f'(x) > 0(増加)です。

候補となる値をすべて計算します。

f(0)=2,f(2)=812+2=2,f(3)=2727+2=2f(0) = 2, \quad f(2) = 8 - 12 + 2 = -2, \quad f(3) = 27 - 27 + 2 = 2

よって、最大値は 22(x=0, 3x = 0, \ 3 のとき)、最小値は 2-2(x=2x = 2 のとき)です。

端点 x=3x = 3 でも最大値をとることを見落とさないように、端の値は必ず計算しましょう。

方程式への応用

方程式 f(x)=af(x) = a の異なる実数解の個数は、曲線 y=f(x)y = f(x) と直線 y=ay = a の共有点の個数と一致します。

3次方程式なら、y=f(x)y = f(x) のグラフを増減表から描き、水平な直線 y=ay = a を上下に動かしながら共有点の個数を数えます。極大値・極小値と aa の大小関係で場合分けするのがポイントです。

不等式の証明にも微分が使えます。たとえば「x0x \ge 0 のとき f(x)0f(x) \ge 0」を示すには、区間 x0x \ge 0 での f(x)f(x) の最小値を求めて、それが 00 以上であることを示せば十分です。「(左辺)−(右辺)を1つの関数とみなして最小値を調べる」のが定石です。

不定積分と定積分

微分すると f(x)f(x) になる関数、つまり F(x)=f(x)F'(x) = f(x) を満たす F(x)F(x) を、f(x)f(x) の不定積分(原始関数)といい、f(x)dx\displaystyle\int f(x)\,dx と書きます。定数を微分すると 00 になるので、不定積分には積分定数 CC がつきます。積分は微分の逆の操作です。

不定積分の公式

nn00 以上の整数のとき(CC は積分定数)

xndx=1n+1xn+1+C\int x^n\,dx = \frac{1}{n+1}x^{n+1} + C

また、kk を定数として

kf(x)dx=kf(x)dx\displaystyle\int kf(x)\,dx = k\int f(x)\,dx{f(x)±g(x)}dx=f(x)dx±g(x)dx\displaystyle\int \{f(x) \pm g(x)\}\,dx = \int f(x)\,dx \pm \int g(x)\,dx

「次数を1つ上げて、新しい次数で割る」と覚えましょう。微分して元に戻るか検算できます。

例題 5(不定積分)

不定積分 (6x22x+3)dx\displaystyle\int (6x^2 - 2x + 3)\,dx を求めよ。

解き方

各項ごとに公式を使います。

(6x22x+3)dx=6x332x22+3x+C=2x3x2+3x+C\int (6x^2 - 2x + 3)\,dx = 6 \cdot \frac{x^3}{3} - 2 \cdot \frac{x^2}{2} + 3x + C = 2x^3 - x^2 + 3x + C

答えを微分すると 6x22x+36x^2 - 2x + 3 に戻るので正しいことが確認できます。積分定数 CC を忘れないように!

定積分

F(x)=f(x)F'(x) = f(x) のとき

abf(x)dx=[F(x)]ab=F(b)F(a)\int_a^b f(x)\,dx = \Bigl[F(x)\Bigr]_a^b = F(b) - F(a)

定積分の性質:

abf(x)dx=baf(x)dx\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx = -\int_b^a f(x)\,dxaaf(x)dx=0\displaystyle\int_a^a f(x)\,dx = 0

abf(x)dx=acf(x)dx+cbf(x)dx\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx = \int_a^c f(x)\,dx + \int_c^b f(x)\,dx

定積分は F(b)F(a)F(b) - F(a) という「値」なので、積分定数 CC は不要です(CC は引き算で消えます)。

例題 6(定積分)

定積分 12(3x22x)dx\displaystyle\int_{-1}^{2} (3x^2 - 2x)\,dx を求めよ。

解き方

まず不定積分(の1つ)を求めて、上端・下端の値を代入します。

12(3x22x)dx=[x3x2]12\int_{-1}^{2} (3x^2 - 2x)\,dx = \Bigl[x^3 - x^2\Bigr]_{-1}^{2}
=(2322){(1)3(1)2}=(84)(11)=4+2=6= (2^3 - 2^2) - \{(-1)^3 - (-1)^2\} = (8 - 4) - (-1 - 1) = 4 + 2 = 6

下端の値を引くときは、符号ミスを防ぐために必ずかっこをつけて計算しましょう。

定積分と面積

定積分の最大の応用が面積の計算です。区間 axba \le x \le bf(x)0f(x) \ge 0 のとき、曲線 y=f(x)y = f(x)xx 軸、直線 x=ax = ax=bx = b で囲まれた部分の面積 SS

S=abf(x)dxS = \int_a^b f(x)\,dx

です。f(x)0f(x) \le 0 の区間では、定積分の値が負になるので、マイナスをつけて S=abf(x)dxS = -\displaystyle\int_a^b f(x)\,dx とします。

2つのグラフの間の面積

区間 axba \le x \le b でつねに f(x)g(x)f(x) \ge g(x) のとき、2つの曲線 y=f(x)y = f(x)y=g(x)y = g(x) の間の部分の面積 SS

S=ab{f(x)g(x)}dxS = \int_a^b \{f(x) - g(x)\}\,dx

「(上のグラフ)−(下のグラフ)」を積分する、と覚えます。どちらが上かはグラフの概形か、交点の間の適当な xx の値を代入して確認します。

例題 7(放物線と直線で囲まれた面積)

放物線 y=x2y = x^2 と直線 y=x+2y = x + 2 で囲まれた部分の面積 SS を求めよ。

解き方

まず交点の xx 座標を求めます。x2=x+2x^2 = x + 2 より

x2x2=0(x+1)(x2)=0x=1, 2x^2 - x - 2 = 0 \qquad (x+1)(x-2) = 0 \qquad x = -1, \ 2

1x2-1 \le x \le 2 では直線 y=x+2y = x+2 が放物線より上にあるので(x=0x = 0 を代入すると直線は 22、放物線は 00)

S=12{(x+2)x2}dx=[x22+2xx33]12S = \int_{-1}^{2} \{(x+2) - x^2\}\,dx = \Bigl[\frac{x^2}{2} + 2x - \frac{x^3}{3}\Bigr]_{-1}^{2}
=(2+483)(122+13)=103(76)=206+76=276=92= \Bigl(2 + 4 - \frac{8}{3}\Bigr) - \Bigl(\frac{1}{2} - 2 + \frac{1}{3}\Bigr) = \frac{10}{3} - \Bigl(-\frac{7}{6}\Bigr) = \frac{20}{6} + \frac{7}{6} = \frac{27}{6} = \frac{9}{2}

6分の1公式

α<β\alpha < \beta のとき

αβ(xα)(xβ)dx=(βα)36\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta)\,dx = -\frac{(\beta - \alpha)^3}{6}

これを使うと、放物線 y=ax2+bx+cy = ax^2 + bx + c と直線が x=α, βx = \alpha, \ \beta で交わるとき、囲まれた部分の面積は

S=a(βα)36S = \frac{|a|(\beta - \alpha)^3}{6}

と一瞬で計算できます。例題 7 なら a=1a = 1βα=2(1)=3\beta - \alpha = 2 - (-1) = 3 なので S=1336=276=92S = \dfrac{1 \cdot 3^3}{6} = \dfrac{27}{6} = \dfrac{9}{2} と、同じ答えがすぐ出ます。検算にも便利なので必ず使えるようにしましょう。

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