数学II 複素数と方程式
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
次の計算をせよ。
(1) (3+2i)+(1−4i)
(2) (2+i)(3−2i)
答え
(1) 4−2i
(2) 8−i
解説
(1) 実部どうし、虚部どうしをまとめます。
(2) 分配法則で展開し、i2=−1 に置き換えます。
i を文字と同じように展開して、最後に i2=−1 の処理を忘れないこと。−2i2=+2 の符号ミスが最も多いポイントです。
1−i1+3i を a+bi の形にせよ。
答え
−1+2i
解説
分母 1−i の共役複素数 1+i を分母分子に掛けて、分母を実数化します。
分子を展開すると
分母は (1−i)(1+i)=1−i2=1+1=2。よって
検算として、(1−i)(−1+2i)=−1+2i+i−2i2=1+3i となり、元の分子に戻ることが確認できます。
次の計算をせよ。
(1) −8×−2
(2) 3−12
答え
(1) −4
(2) 2i
解説
根号の中が負のときは、必ず先に −a=ai(a>0)の形に直してから計算します。
(1)
(2)
(1)で (−8)×(−2)=16=4 とするのは誤りです。ab=ab の公式は a、b がともに正のときにしか使えません。「マイナスの根号を見たら、まず i を外に出す」を徹底しましょう。
(1) 2次方程式 x2+2x+5=0 を解け。
(2) 2次方程式 3x2+4x−2=0 と 2x2−3x+2=0 の解の種類(異なる2つの実数解・重解・異なる2つの虚数解)をそれぞれ判別せよ。
答え
(1) x=−1±2i
(2) 3x2+4x−2=0 は異なる2つの実数解、2x2−3x+2=0 は異なる2つの虚数解
解説
(1) 解の公式を使います。
(2) 判別式 D=b2−4ac の符号を調べます。
3x2+4x−2=0 について
よって異なる2つの実数解をもちます。
2x2−3x+2=0 について
よって異なる2つの虚数解をもちます。
(1)の検算は、x=−1+2i を代入して (−1+2i)2+2(−1+2i)+5=(1−4i−4)+(−2+4i)+5=0 と確認できます。
2次方程式 x2−4x+2=0 の2つの解を α、β とするとき、次の値を求めよ。
(1) α+β と αβ
(2) α2+β2
(3) α1+β1
答え
(1) α+β=4、αβ=2
(2) 12
(3) 2
解説
(1) 解と係数の関係より
(2) 対称式の変形 α2+β2=(α+β)2−2αβ を使って
(3) 通分してから、和と積で表します。
解と係数の関係の問題では、方程式を実際に解く必要はありません。「和と積さえ分かれば対称式はすべて計算できる」という発想が身についているかがカギです。
整式 P(x)=x3−2x2+3x−1 を x−2 で割った余りと、x+1 で割った余りを求めよ。
答え
x−2 で割った余りは 5、x+1 で割った余りは −7
解説
剰余の定理「P(x) を x−k で割った余りは P(k)」を使います。実際に筆算する必要はありません。
x−2 で割った余りは
x+1 で割った余りは、x+1=x−(−1) なので k=−1 を代入して
x+1 で割るときに P(1) を計算してしまうのがよくあるミスです。「割る式 =0 とおいたときの x の値を代入する」と覚えておけば間違えません。
2次方程式 x2−3x+1=0 の2つの解を α、β とするとき、次の値を求めよ。
(1) α2+β2
(2) α3+β3
(3) αβ+βα
答え
(1) 7
(2) 18
(3) 7
解説
解と係数の関係より α+β=3、αβ=1 です。すべての対称式をこの2つで表します。
(1)
(2) 3乗の対称式の公式 α3+β3=(α+β)3−3αβ(α+β) を使って
(3) 通分すると分子に α2+β2 が現れます。
(2)は α3+β3=(α+β)(α2−αβ+β2)=3×(7−1)=18 と計算しても同じ結果になり、検算に使えます。
整式 P(x)=x3+ax+2 が x−1 で割り切れるとき、定数 a の値を求めよ。また、そのときの P(x) を因数分解せよ。
答え
a=−3、 P(x)=(x−1)2(x+2)
解説
因数定理より、P(x) が x−1 で割り切れる条件は P(1)=0 です。
よって a=−3 で、P(x)=x3−3x+2 となります。
x−1 で割り切れることが分かっているので、実際に割り算すると商は x2+x−2 です。
さらに x2+x−2=(x−1)(x+2) と因数分解できるので
検算として展開すると、(x2−2x+1)(x+2)=x3+2x2−2x2−4x+x+2=x3−3x+2 で一致します。2次式の因数分解まで進めて「これ以上分解できない形」まで仕上げるのを忘れないようにしましょう。
整式 P(x) を x−1 で割ると余りが 3、x−2 で割ると余りが 5 である。P(x) を (x−1)(x−2) で割ったときの余りを求めよ。
答え
2x+1
解説
2次式 (x−1)(x−2) で割った余りは1次以下の式なので、ax+b とおけます。商を Q(x) とすると
剰余の定理より P(1)=3、P(2)=5 です。上の式に x=1、x=2 を代入すると、(x−1)(x−2)Q(x) の部分が 0 になるので
2式を辺々引くと a=2、これを a+b=3 に戻して b=1。よって余りは
「余りを ax+b とおいて、剰余の定理で連立方程式を作る」のがこのタイプの定石です。余りの次数は割る式の次数より必ず低い、という原則から ax+b という形が決まることを理解しておきましょう。
方程式 x3−3x2+x+5=0 を解け。
答え
x=−1, 2±i
解説
因数定理を使います。P(x)=x3−3x2+x+5 とおき、定数項 5 の約数 ±1,±5 を順に代入すると
なので、P(x) は x+1 で割り切れます。割り算すると商は x2−4x+5 なので
x+1=0 から x=−1。x2−4x+5=0 は解の公式で
よって x=−1, 2±i。
3次方程式の解は複素数の範囲でちょうど3個です。実数解1個と共役な虚数解のペア、という組合せはとても典型的な形です。虚数解は x=2+i を2次式に代入して (2+i)2−4(2+i)+5=(3+4i)−(8+4i)+5=0 で検算できます。
方程式 x4−x2−12=0 を解け。
答え
x=±2, ±3i
解説
x2=t とおくと、t の2次方程式になります(複2次式のおき換え)。
掛けて −12、足して −1 になる2数は −4 と 3 なので
よって t=4 または t=−3。t=x2 に戻して、それぞれ解きます。
【場合1】 x2=4 のとき
【場合2】 x2=−3 のとき
以上より x=±2, ±3i。
数学Iまでは x2=−3 の時点で「解なし」でしたが、複素数の範囲では虚数解が得られます。4次方程式なので解が4個そろっていることも確認しましょう。
2次方程式 x2−mx+18=0 の1つの解が他の解の2倍であるとき、定数 m の値と2つの解を求めよ。
答え
m=9 のとき解は x=3, 6、 m=−9 のとき解は x=−3, −6
解説
解の条件が与えられたときは、解を文字でおいて解と係数の関係に持ち込むのが定石です。2つの解を α と 2α とおくと、解と係数の関係より
すなわち
第2式から α2=9、よって
【場合1】 α=3 のとき
m=3×3=9 で、2つの解は 3 と 6。
【場合2】 α=−3 のとき
m=3×(−3)=−9 で、2つの解は −3 と −6。
検算すると、m=9 のとき x2−9x+18=(x−3)(x−6)、m=−9 のとき x2+9x+18=(x+3)(x+6) となり、どちらも条件を満たします。α=±3 の両方を検討し忘れて答えを1組だけにしてしまうのが、この問題の最大の落とし穴です。
方程式 x3+ax2+bx−2=0 が 1+i を解にもつとき、実数の定数 a、b の値と他の解を求めよ。
答え
a=−3、b=4、他の解は x=1−i, 1
解説
係数がすべて実数の方程式が虚数解 1+i をもつので、その共役複素数 1−i も解になります。
1+i と 1−i を解にもつ2次式は、和が 2、積が (1+i)(1−i)=1−i2=2 なので
です。したがって左辺の3次式は x2−2x+2 で割り切れ、残りの因数は1次式なので
とおけます。右辺を展開すると
両辺の係数を比較して
第1式から c=−1。よって
このとき方程式は (x2−2x+2)(x−1)=0 となるので、他の解は x=1−i と x=1 です。
検算として (x2−2x+2)(x−1)=x3−3x2+4x−2 を展開で確認すると、a=−3、b=4 と一致します。1+i を直接代入して実部・虚部を比較する方法でも解けますが、「共役解とセットで2次式を作る」方が計算がずっと軽くなります。
1の3乗根のうち、虚数であるものの1つを ω とする。次の値を求めよ。
(1) ω100+ω50+1
(2) ω1+ω21
答え
(1) 0
(2) −1
解説
ω は x3=1 の虚数解なので、x3−1=(x−1)(x2+x+1)=0 の x2+x+1=0 の方の解です。したがって次の2つの関係式が成り立ちます。
(1) ω3=1 を使って、指数を 3 で割った余りに落とします。100=3×33+1、50=3×16+2 なので
よって
(2) ω3=1 より ω1=ω3ω2=ω2、ω21=ω3ω=ω なので
ここで ω2+ω+1=0 より ω2+ω=−1。よって答えは −1 です。
ω の問題は「ω3=1 で指数を小さくする」「ω2+ω+1=0 で次数を下げる」の2つの操作だけで解けます。ω の具体的な値 2−1±3i を代入して計算するのは遠回りなので避けましょう。