3次式の展開・因数分解と二項定理
数学Iでは2次式の展開・因数分解を学びました。数学IIでは、まず3次式に世界を広げます。3乗の公式は微分・積分や高次方程式でも繰り返し使うので、確実に身につけましょう。
では 、、… と累乗の指数が大きくなったらどうなるでしょうか。展開したときの係数を並べると、次のような三角形(パスカルの三角形)が現れます。
両端は で、内側の数は左上と右上の数の和になっています。この係数は組合せの記号を使うと すなわち で表せて、次の二項定理が成り立ちます。
整式の除法と分数式
整数の割り算「 あまり 」は と書けました。整式でも同じことができます。整式 を整式 で割ったときの商を 、余りを とすると
が成り立ちます(ただし の次数は の次数より低い)。余り の次数が割る式 の次数より低くなるまで割り進めるのがルールです。計算は、降べきの順に整理して筆算で行います。抜けている次数の項は係数 として場所を空けておくとミスが減ります。
次に分数式です。 のように、分母に文字を含む式を分数式といいます。分数式の計算ルールは、数の分数とまったく同じです。
恒等式
は、 にどんな値を代入しても成り立ちます。このように、含まれる文字にどんな値を代入しても成り立つ等式を恒等式といいます。一方、 のように特定の値()のときだけ成り立つ等式は方程式です。「すべての で成り立つ」のか「ある で成り立つ」のか、この違いをはっきり意識しましょう。
恒等式の係数を決定する方法は2つあります。
1. 係数比較法: 両辺を展開・整理して、各次数の係数を比較する
2. 数値代入法: 都合のよい値( など)をいくつか代入して連立方程式を作る
数値代入法を使ったときは注意が1つ。代入した値で成り立つことしか確認していないので、厳密には「求めた値のとき、確かに恒等式になる」ことを確かめる(または、 次式なら異なる 個の値で成り立てば恒等式である、という事実を使う)必要があります。
等式・不等式の証明
等式 を証明するには、次のいずれかの方針をとります。
1. 一方の辺()を変形して、他方()を導く
2. 両辺をそれぞれ変形して、同じ式になることを示す
3. を計算して になることを示す
「 のとき」のような条件付きの等式では、条件を使って文字を消去する(たとえば を代入する)のが基本です。比例式 が条件のときは、 とおいて 、 と表すのが定石です。
不等式 の証明は、 を示すのが基本方針です。そのとき最大の武器になるのが、「どんな実数 でも 」という性質です。 を平方完成などで「2乗の和」の形に変形できれば、 以上であることが示せます。等号がいつ成り立つか(等号成立条件)まで述べるのを忘れないようにしましょう。また、両辺が 以上のときは、 を示して を結論する「2乗の比較」も有効です。