数学II 式と証明
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
次の計算をせよ。
(1) (x+2)3 を展開せよ。
(2) x3−27 を因数分解せよ。
答え
(1) x3+6x2+12x+8
(2) (x−3)(x2+3x+9)
解説
(1) (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3 の公式で、a=x、b=2 とします。
(2) 27=33 なので、a3−b3=(a−b)(a2+ab+b2) の公式で、a=x、b=3 とします。
3乗の公式では「3a2b の 3 を忘れる」「a2+ab+b2 の真ん中の符号を間違える」の2つがミスの定番です。a3−b3 のときは後ろの2次式の真ん中が +ab になります。展開して元に戻るか検算しましょう。
(x+3)5 の展開式における x2 の係数を求めよ。
答え
270
解説
二項定理を使います。(x+3)5 の展開式の一般項は
x2 の項になるのは 5−r=2、すなわち r=3 のときです。よって x2 の係数は
一般項を書いたら、「x の指数 = 求めたい次数」という方程式から r を決める、という手順を毎回同じように踏めば確実です。5C3=5C2=2⋅15⋅4=10 です。
整式 x3+2x2−4x+5 を x2+x−1 で割ったときの商と余りを求めよ。
答え
商 x+1、余り −4x+6
解説
筆算で割り進めます。
まず、最高次どうしの割り算 x3÷x2=x より、商の最初の項は x。
次に x2÷x2=1 より、商の次の項は 1。
余り −4x+6 は1次で、割る式(2次)より次数が低いので、ここで割り算は終了です。
商 x+1、余り −4x+6
検算は A=BQ+R で行います。
元の式に一致するので正しいと確認できます。
等式 x2+3x+4=a(x−1)2+b(x−1)+c が x についての恒等式となるように、定数 a、b、c の値を定めよ。
答え
a=1、b=5、c=8
解説
係数比較法で解きます。右辺を展開して整理すると
これが x2+3x+4 と恒等的に等しいので、各次数の係数を比較して
第1式から a=1。これを第2式に代入して −2+b=3 より b=5。第3式に代入して 1−5+c=4 より c=8。
【数値代入法での別解】x=1 を代入すると、右辺は c だけが残り、1+3+4=c より c=8 が一発で出ます。さらに x=0、x=2 を代入して連立してもかまいません。
「カッコの中を 0 にする値を代入する」と計算が速くなります。求めた値を右辺に戻して展開し、左辺に一致することを確かめれば完璧です。
a+b=1 のとき、等式 a2+b2=1−2ab が成り立つことを証明せよ。
答え
(証明)条件 a+b=1 から (a+b)2=1 を用いて示す(解説参照)。
解説
条件付き等式の証明です。条件 a+b=1 を使って左辺から右辺を導きます。
a2+b2=(a+b)2−2ab という恒等式(対称式の変形)を使うと
よって等式は証明されました。
【別解:文字消去】条件から b=1−a として左辺・右辺に代入します。
左辺:
$a2+(1−a)2=a2+1−2a+a2=2a2−2a+1$
右辺:
$1−2a(1−a)=1−2a+2a2=2a2−2a+1$
両辺が同じ式になるので、等式が成り立ちます。
条件付き等式では「条件を使って文字を1つ消す」か「条件の式がそのまま使える形に変形する」のどちらかです。この問題では (a+b)2=a2+2ab+b2 の関係に気づくと計算が最短になります。
x2−1x2−x−6×x2−4x+3x2+3x+2 を計算せよ。
答え
(x−1)2(x+2)2
解説
分母・分子をすべて因数分解してから約分します。
よって
x−3 と x+1 が約分できて
分数式の乗法は「展開してから」ではなく「因数分解してから」が鉄則です。展開してしまうと約分できる共通因数が見えなくなります。
x(x+1)1+(x+1)(x+2)1 を計算せよ。
答え
x(x+2)2
解説
分母の最小公倍数 x(x+1)(x+2) で通分します。
分子をまとめて
x+1 が約分できて
【別解:部分分数分解】x(x+1)1=x1−x+11、(x+1)(x+2)1=x+11−x+21 と分解すると、x+11 が打ち消し合って
通分した後、分子を因数分解して約分できないか必ず確認しましょう。約分し忘れは減点対象です。
等式 (x−1)(x+2)x+5=x−1a+x+2b が x についての恒等式となるように、定数 a、b の値を定めよ。
答え
a=2、b=−1
解説
両辺に (x−1)(x+2) を掛けて分母をはらうと
これが x についての恒等式になればよいので、数値代入法を使います。
x=1 を代入すると(b の項が消える)
よって a=2。
x=−2 を代入すると(a の項が消える)
よって b=−1。
逆にこのとき、右辺は 2(x+2)−(x−1)=2x+4−x+1=x+5 となり、確かに左辺と一致するので恒等式です。
【係数比較法での確認】右辺 =(a+b)x+(2a−b) なので、a+b=1、2a−b=5。2式を足すと 3a=6 で a=2、b=−1。同じ答えになります。
この「部分分数分解」は数学IIIの積分や数列の和でも使う重要技法です。分母の因数が 0 になる値を代入すると、文字が1つずつ消えて速く解けます。
(x2−x2)6 の展開式における x3 の係数を求めよ。
答え
−160
解説
二項定理の一般項を書きます。
x3 の項になるのは 12−3r=3、すなわち r=3 のときです。よって係数は
分母に x がある式では、指数法則 x1=x−1 を使って指数を1つの式にまとめるのがポイントです。また (−2)r の符号を含めて計算すること。マイナスを忘れるミスが非常に多い問題です。
ba=dc のとき、等式 b+da+c=ba が成り立つことを証明せよ。ただし b+d=0 とする。
答え
(証明)ba=dc=k とおいて示す(解説参照)。
解説
比例式の証明は「=k とおく」のが定石です。
とおくと
と表せます。これを左辺に代入すると
(b+d=0 なので約分できます。)
一方、右辺は ba=k。
よって左辺 = 右辺となり、等式は証明されました。
比例式が条件に出てきたら、反射的に「=k とおいて、分子を a=bk の形で表す」と覚えておきましょう。分数のまま変形しようとするより、圧倒的に見通しがよくなります。
不等式 x2+y2≥2(x+y−1) を証明せよ。また、等号が成り立つのはどんなときか。
答え
(証明)左辺 − 右辺 =(x−1)2+(y−1)2≥0 による(解説参照)。等号成立は x=y=1 のとき。
解説
不等式の証明の基本方針「左辺 − 右辺 ≥0 を示す」に従います。
x の部分と y の部分をそれぞれ平方完成します。
実数の2乗は 0 以上なので
よって x2+y2≥2(x+y−1) が成り立ちます。
等号が成り立つのは (x−1)2=0 かつ (y−1)2=0、すなわち x=1 かつ y=1 のときです。
「2乗の和」の形に持ち込めれば勝ち、というのが不等式証明の第一の型です。等号成立条件は「すべての2乗が同時に 0」であることに注意しましょう(どれか1つだけでは等号になりません)。
x>0 のとき、x+x+29 の最小値を求めよ。
答え
最小値 4(x=1 のとき)
解説
相加平均・相乗平均の関係を使いますが、そのまま x と x+29 に適用しても、積 x+29x が定数にならず失敗します。掛けたときに文字が消えるよう、式の形を整えるのがポイントです。
と変形します(+2 した分を −2 で調整)。x>0 より x+2>0、また x+29>0 なので、相加平均・相乗平均の関係が使えて
よって
等号が成り立つのは x+2=x+29、すなわち (x+2)2=9 のとき。x+2>0 より x+2=3、つまり x=1 のときです。これは x>0 を満たします。
したがって、最小値は 4(x=1 のとき)。
相加・相乗平均で最小値を求めるときは、(1) 積が定数になるように式を整える、(2) 等号が実際に成立する x が存在することを確認する、の2点が必須です。等号が成立しないのに「最小値」と答えるのは典型的な誤りです。
a>0、b>0 のとき、不等式 a+b>a+b を証明せよ。
答え
(証明)両辺とも正なので、2乗の差 (a+b)2−(a+b)2=2ab>0 を示せばよい(解説参照)。
解説
根号を含む不等式は、そのままでは比較しにくいので「2乗の比較」を使います。
A>0、B>0 のとき、A2>B2⟺A>B が成り立ちます。a>0、b>0 より、a+b>0 かつ a+b>0 なので、両辺の2乗の差を調べれば十分です。
a>0、b>0 より ab>0 なので
よって
両辺とも正なので
が成り立ちます。
この証明で最も大事なのは「両辺が正であることを先に確認する」ことです。2乗して大小を比べてよいのは両辺が 0 以上のときだけ(−3<2 だが (−3)2>22)。答案では必ずこの一言を書きましょう。
二項定理を用いて、101100−1 が 10000 で割り切れることを証明せよ。
答え
(証明)101100=(1+100)100 を二項定理で展開すると、101100−1 の各項がすべて 10000 の倍数になる(解説参照)。
解説
101=1+100 と見て、二項定理で展開します。
各項を確認します。
よって
ここで、r≥2 の項に含まれる 100r は
と書けるので、すべて 10000 の倍数です。したがって
カッコの中は整数なので、101100−1 は 10000 で割り切れます。
「大きな数の累乗の余り・割り切れる問題」は、(1+◯)n の形を作って二項定理で展開するのが定石です。◯ の2乗以上の項は割る数の倍数としてまとめて処理できるので、実質的に最初の2〜3項だけを調べればよいことになります。