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数学II3

図形と方程式

点と直線、円の方程式、軌跡と領域を座標平面で扱います。

点と座標・直線の方程式

この章では、図形を座標平面の上にのせて、方程式や不等式という「計算の言葉」で扱います。図形の問題が計算問題に変わるので、補助線のひらめきに頼らず、手順どおりに解けるようになるのが大きな魅力です。まずは基本となる、2点間の距離と、線分を分ける点の座標から始めましょう。

2点間の距離・内分点・外分点

2点 A(x1, y1)\mathrm{A}(x_1,\ y_1)B(x2, y2)\mathrm{B}(x_2,\ y_2) について

距離: AB=(x2x1)2+(y2y1)2\mathrm{AB} = \sqrt{(x_2-x_1)^2 + (y_2-y_1)^2}

線分 AB\mathrm{AB}m:nm:n に内分する点: (nx1+mx2m+n, ny1+my2m+n)\left(\dfrac{nx_1+mx_2}{m+n},\ \dfrac{ny_1+my_2}{m+n}\right)

線分 AB\mathrm{AB}m:nm:n に外分する点: (nx1+mx2mn, ny1+my2mn)\left(\dfrac{-nx_1+mx_2}{m-n},\ \dfrac{-ny_1+my_2}{m-n}\right)

中点は 1:11:1 の内分点で (x1+x22, y1+y22)\left(\dfrac{x_1+x_2}{2},\ \dfrac{y_1+y_2}{2}\right)

距離の公式は三平方の定理そのものです。外分点の公式は、内分点の公式で nnn-n に置き換えた形になっている、と覚えると忘れにくくなります。

例題 1(内分点)

2点 A(1, 2)\mathrm{A}(1,\ 2)B(4, 4)\mathrm{B}(4,\ -4) について、線分 AB\mathrm{AB}2:12:1 に内分する点 P\mathrm{P} の座標を求めよ。

解き方

内分点の公式に m=2m=2n=1n=1 を当てはめます。

P(11+242+1, 12+2(4)2+1)=(93, 63)=(3, 2)\mathrm{P}\left(\frac{1 \cdot 1 + 2 \cdot 4}{2+1},\ \frac{1 \cdot 2 + 2 \cdot (-4)}{2+1}\right) = \left(\frac{9}{3},\ \frac{-6}{3}\right) = (3,\ -2)

m:nm:nmm は「B\mathrm{B} 側の座標に掛かる」ことに注意しましょう。P\mathrm{P} は比が大きい分だけ B\mathrm{B} 寄りになる、と図をイメージすると確認できます。

直線の方程式

(x1, y1)(x_1,\ y_1) を通り、傾き mm の直線: yy1=m(xx1)y - y_1 = m(x - x_1)

2点 (x1, y1)(x_1,\ y_1)(x2, y2)(x_2,\ y_2) を通る直線(x1x2x_1 \ne x_2): yy1=y2y1x2x1(xx1)y - y_1 = \dfrac{y_2-y_1}{x_2-x_1}(x - x_1)

どんな直線も ax+by+c=0ax + by + c = 0(一般形)で表せます。yy 軸に平行な直線 x=kx = k も含められるのが一般形の強みです。

2直線の平行・垂直

2直線 y=m1x+n1y = m_1 x + n_1y=m2x+n2y = m_2 x + n_2 について

平行     m1=m2\iff m_1 = m_2

垂直     m1m2=1\iff m_1 m_2 = -1

垂直条件は「傾きの積が 1-1」。たとえば傾き 22 の直線と垂直な直線の傾きは 12-\dfrac{1}{2} です。

点と直線の距離

(x1, y1)(x_1,\ y_1) と直線 ax+by+c=0ax + by + c = 0 の距離 dd

d=ax1+by1+ca2+b2d = \frac{|ax_1 + by_1 + c|}{\sqrt{a^2+b^2}}

この公式を使うときは、直線を必ず ax+by+c=0ax+by+c=0 の形(一般形)に直してから代入します。

例題 2(点と直線の距離)

(2, 1)(2,\ 1) と直線 y=2x+3y = 2x + 3 の距離を求めよ。

解き方

まず直線を一般形に直します。

2xy+3=02x - y + 3 = 0

点と直線の距離の公式に a=2a=2b=1b=-1c=3c=3(x1, y1)=(2, 1)(x_1,\ y_1)=(2,\ 1) を代入して

d=221+322+(1)2=65=65=655d = \frac{|2 \cdot 2 - 1 + 3|}{\sqrt{2^2+(-1)^2}} = \frac{|6|}{\sqrt{5}} = \frac{6}{\sqrt{5}} = \frac{6\sqrt{5}}{5}

分母は最後に有理化しておきましょう。y=2x+3y = 2x+3 のまま公式に入れるのが最も多いミスです。

円の方程式

円は「定点(中心)からの距離が一定(半径)の点の集まり」です。中心 (a, b)(a,\ b)、半径 rr の円の上の点 (x, y)(x,\ y) は、距離の公式から (xa)2+(yb)2=r\sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2} = r を満たします。両辺を2乗すると円の方程式が得られます。

円の方程式

中心 (a, b)(a,\ b)、半径 rr の円: (xa)2+(yb)2=r2(x-a)^2 + (y-b)^2 = r^2(基本形)

展開して整理すると x2+y2+lx+my+n=0x^2 + y^2 + lx + my + n = 0(一般形)の形になります。逆に一般形は、xxyy それぞれについて平方完成すれば基本形に直せます。

例題 3(一般形から中心と半径)

方程式 x2+y2+6x4y+4=0x^2 + y^2 + 6x - 4y + 4 = 0 はどんな図形を表すか。

解き方

xx について、yy についてそれぞれ平方完成します。

(x2+6x)+(y24y)+4=0(x^2 + 6x) + (y^2 - 4y) + 4 = 0
(x+3)29+(y2)24+4=0(x+3)^2 - 9 + (y-2)^2 - 4 + 4 = 0
(x+3)2+(y2)2=9(x+3)^2 + (y-2)^2 = 9

よって、中心 (3, 2)(-3,\ 2)、半径 33 の円を表します。

平方完成で引いた 9944 を右辺に移すときの符号ミスに注意。最後に右辺が正になることも確認しましょう(右辺が 00 以下なら円を表しません)。

次に、円と直線がどう交わるかを調べます。方法は2つあります。1つは、直線の式を円の式に代入してできる2次方程式の判別式 DD を調べる方法。もう1つは、円の中心と直線の距離 dd を半径 rr と比べる方法です。計算が楽なことが多いのは距離を使う方法です。

円と直線の位置関係

円の中心と直線の距離を dd、円の半径を rr とすると

d<r    d < r \iff 異なる2点で交わる(D>0D > 0)

d=r    d = r \iff 接する(D=0D = 0)

d>r    d > r \iff 共有点をもたない(D<0D < 0)

円の接線の公式

x2+y2=r2x^2 + y^2 = r^2 上の点 (x1, y1)(x_1,\ y_1) における接線は

x1x+y1y=r2x_1 x + y_1 y = r^2

円の式の x2x^2x1xx_1 x に、y2y^2y1yy_1 y に置き換えた形です。この公式は接点が円上にあるときだけ使えます。円の外部の点から引く接線は、接点をおいてこの公式を使うか、「中心と接線の距離 == 半径」で求めます。

例題 4(接線)

x2+y2=10x^2 + y^2 = 10 上の点 (1, 3)(1,\ 3) における接線の方程式を求めよ。

解き方

(1, 3)(1,\ 3)12+32=101^2 + 3^2 = 10 を満たすので、確かに円上の点です。接線の公式 x1x+y1y=r2x_1 x + y_1 y = r^2(x1, y1)=(1, 3)(x_1,\ y_1) = (1,\ 3) を代入して

x+3y=10x + 3y = 10

検算として、中心 (0, 0)(0,\ 0) とこの直線の距離を求めると 1012+32=1010=10\dfrac{|-10|}{\sqrt{1^2+3^2}} = \dfrac{10}{\sqrt{10}} = \sqrt{10} で、確かに半径と一致します。

軌跡と方程式

「与えられた条件を満たす点の集まり」がつくる図形を、その条件を満たす点の軌跡といいます。たとえば「2点から等距離にある点の軌跡」は垂直二等分線、「1点から一定距離にある点の軌跡」は円です。座標を使うと、軌跡は次の手順で機械的に求められます。

軌跡の求め方

1. 条件を満たす点を P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とおく
2. 与えられた条件を xxyy の式で表す
3. 式を整理して、どんな図形かを読み取る
4. 逆に、その図形上のすべての点が条件を満たすか確認する(除外すべき点がないか調べる)

距離の条件は、2乗した形(PA2=PB2\mathrm{PA}^2 = \mathrm{PB}^2 など)で扱うと根号が消えて計算が楽になります。

例題 5(垂直二等分線)

2点 A(1, 0)\mathrm{A}(1,\ 0)B(5, 4)\mathrm{B}(5,\ 4) から等距離にある点 P\mathrm{P} の軌跡を求めよ。

解き方

P(x, y)\mathrm{P}(x,\ y) とおくと、条件は PA=PB\mathrm{PA} = \mathrm{PB}、すなわち PA2=PB2\mathrm{PA}^2 = \mathrm{PB}^2 です。

(x1)2+y2=(x5)2+(y4)2(x-1)^2 + y^2 = (x-5)^2 + (y-4)^2

両辺を展開して

x22x+1+y2=x210x+25+y28y+16x^2 - 2x + 1 + y^2 = x^2 - 10x + 25 + y^2 - 8y + 16

x2x^2y2y^2 が消えて

2x+1=10x8y+41-2x + 1 = -10x - 8y + 41
8x+8y40=08x + 8y - 40 = 0

よって、求める軌跡は直線 x+y=5x + y = 5 です。これは線分 AB\mathrm{AB} の垂直二等分線になっています。実際、AB\mathrm{AB} の中点 (3, 2)(3,\ 2) はこの直線上にあり、AB\mathrm{AB} の傾き 11 とこの直線の傾き 1-1 の積は 1-1 で垂直です。

手順4の「逆の確認」は答案では一言添える程度でかまいませんが、動く点の位置によっては図形の一部が軌跡に含まれないことがあります。たとえば、三角形ができるという条件つきの軌跡では、3点が一直線に並ぶ位置を除外する必要があります。「求めた図形のうち、条件に合わない点はないか?」と最後に一度立ち止まる習慣をつけましょう。

動く点に連動して別の点が動くタイプの軌跡(連動型)では、動く点を (s, t)(s,\ t)、求める点を (x, y)(x,\ y) とおき、ssttxxyy で表してから、(s, t)(s,\ t) が満たす式に代入するのが定石です。このタイプは練習問題13で扱います。

不等式の表す領域

方程式 y=x+1y = x + 1 が直線という「線」を表すのに対し、不等式 y>x+1y > x + 1 は直線より上側という「面の広がり(領域)」を表します。境界線を含むかどうか(>>\ge か)にいつも注意しましょう。

不等式の表す領域

y>mx+ny > mx + n … 直線 y=mx+ny = mx+n の上側

y<mx+ny < mx + n … 直線 y=mx+ny = mx+n の下側

(xa)2+(yb)2<r2(x-a)^2 + (y-b)^2 < r^2 … 円の内部

(xa)2+(yb)2>r2(x-a)^2 + (y-b)^2 > r^2 … 円の外部

\ge\le のときは境界線を含みます。どちら側か迷ったら、領域内にありそうな点(原点など)を代入して成り立つかどうかで判定できます。

例題 6(領域の図示)

連立不等式 x+y4x + y \le 4yxy \ge x の表す領域を図示せよ。

解き方

連立不等式の表す領域は、それぞれの不等式の表す領域の共通部分です。

x+y4x + y \le 4yx+4y \le -x + 4 と変形できるので、直線 y=x+4y = -x+4 とその下側。

yxy \ge x は、直線 y=xy = x とその上側。

2直線の交点は x=x+4x = -x + 4 より (2, 2)(2,\ 2) です。求める領域は、交点 (2, 2)(2,\ 2) から左上へ広がる、2直線に挟まれた部分(境界線を含む)になります。

原点 (0, 0)(0,\ 0) を代入すると 040 \le 4000 \ge 0 でどちらも成り立つので、原点を含む側で正しいことが確認できます。

領域の応用として最重要なのが「領域における最大・最小」です。領域 DD 内の点 (x, y)(x,\ y) に対して x+2yx + 2y のような式の最大値・最小値を求めるとき、x+2y=kx + 2y = k とおくと、これは傾き 12-\dfrac{1}{2}yy 切片 k2\dfrac{k}{2} の直線を表します。この直線が領域 DD と共有点をもつ範囲で kk を動かし、yy 切片が最大・最小になる瞬間を図から読み取ります。

領域における最大・最小(直線の平行移動)

1. 求めたい式を =k= k とおいて、直線とみなす
2. 領域を図示し、直線を平行移動させる
3. 直線が領域と共有点をもちながら kk が最大・最小になる位置(多くは領域の頂点を通るとき)を探す

境界が直線だけの領域なら、最大・最小は領域の頂点でおこることがほとんどです。ただし直線の傾きと辺の傾きが等しい場合は辺全体で最大・最小になることもあります。

例題 7(領域における最大・最小)

x0x \ge 0y0y \ge 0x+y4x + y \le 4 のとき、x+2yx + 2y の最大値と最小値を求めよ。

解き方

領域は3点 (0, 0)(0,\ 0)(4, 0)(4,\ 0)(0, 4)(0,\ 4) を頂点とする三角形(境界を含む)です。

x+2y=kx + 2y = k とおくと、y=12x+k2y = -\dfrac{1}{2}x + \dfrac{k}{2} という傾き 12-\dfrac{1}{2} の直線を表し、kk が大きいほど直線は上にあります。

この直線を平行移動させると、kk の値は頂点を通るときに極端になります。各頂点での x+2yx + 2y の値は

(0, 0):0,(4, 0):4,(0, 4):8(0,\ 0): 0, \quad (4,\ 0): 4, \quad (0,\ 4): 8

よって、最大値は (x, y)=(0, 4)(x,\ y) = (0,\ 4) のとき 88、最小値は (x, y)=(0, 0)(x,\ y) = (0,\ 0) のとき 00 です。

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