微分法の基本(積・商・合成関数の微分)
数学IIでは ( は自然数)の微分を学びましたが、数学IIIでは扱える関数の範囲が一気に広がります。その土台となるのが、積・商・合成関数の微分法です。関数 の導関数は、定義式
で与えられるのでした。この定義から、次の重要な公式が導かれます。
積の微分は「前を微分 × 後ろそのまま + 前そのまま × 後ろを微分」、商の微分は「分子は(分子の微分 × 分母 − 分子 × 分母の微分)、分母は2乗」と口に出して覚えましょう。商の公式は分子の引き算の順序を逆にするミスが非常に多いので注意が必要です。
合成関数の微分法を使うと、指数が有理数(さらに実数)の場合にも の微分公式を拡張できます。
( は実数)たとえば なら となります。根号を含む関数は、まず指数の形に直してから微分するのが定石です。
いろいろな関数の導関数
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を学びます。これらは極限の公式 や から導かれます。なお、数学IIIでは底を書かない は自然対数(底が の対数)を表します。
両辺の対数をとってから微分する方法を対数微分法といいます。積・商・累乗が入り組んだ関数や、 のように「底にも指数にも変数がある」関数に有効です。たとえば は次のように導けます。()の両辺の自然対数をとると
両辺を で微分します。左辺は合成関数の微分法で となるので
接線と法線、平均値の定理
微分係数 は、曲線 上の点 における接線の傾きを表すのでした。接点を通り、接線と垂直に交わる直線を法線といいます。垂直な2直線の傾きの積は なので、法線の傾きは です。
曲線の外の点から引いた接線を求めるときは、接点の 座標を とおいて接線の方程式を立て、それが与えられた点を通る条件から を決めます。「接線の問題は接点をおく」が鉄則です。
関数の増減・極値、グラフの凹凸と変曲点
導関数の符号を調べると、関数の増減がわかります。ある区間で常に ならその区間で は増加、常に なら減少します。増加から減少に切り替わる点の値が極大値、減少から増加に切り替わる点の値が極小値です。
さらに第2次導関数 を調べると、グラフの曲がり方(凹凸)がわかります。
数学IIIのグラフの問題では、増減・凹凸に加えて、 での極限(漸近線)や定義域の端での様子も調べて、グラフの全体像をつかむことが大切です。
最大・最小、方程式・不等式への応用
閉区間における連続関数の最大値・最小値は、区間内の極値と区間の端の値をすべて求めて比較すれば見つかります。「最大・最小の候補は、極値と端点」と覚えましょう。
文字定数 を含む方程式では、 を分離して「定数 = だけの式」の形に直してからグラフを利用する方法(定数分離)が強力です。グラフの増減だけでなく、 での極限まで調べて、グラフの端がどこへ向かうかを確認するのがポイントです。