数学III 微分法
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
次の関数を微分せよ。
(1) y=(x2+1)(2x−3)
(2) y=x2+1x
答え
(1) y′=6x2−6x+2
(2) y′=(x2+1)21−x2
解説
(1) 積の微分法 {fg}′=f′g+fg′ を使います。f=x2+1、g=2x−3 とすると f′=2x、g′=2 なので
検算として先に展開すると y=2x3−3x2+2x−3 で、微分すれば y′=6x2−6x+2 となり一致します。
(2) 商の微分法 {gf}′=g2f′g−fg′ を使います。f=x、g=x2+1 とすると f′=1、g′=2x なので
商の微分は分子の引き算の順序(分子の微分が先)を間違えやすいので、公式を声に出しながら書くのがおすすめです。
次の関数を微分せよ。
(1) y=(2x+1)5
(2) y=x2+3
答え
(1) y′=10(2x+1)4
(2) y′=x2+3x
解説
どちらも合成関数の微分法「外側を微分 × 中身の微分」を使います。
(1) 外側は「5乗」、中身は 2x+1 です。
(2) まず指数の形に直します。y=(x2+3)21 なので
「中身の微分を掛ける」のを忘れるのが最も多いミスです。合成関数を見たら、中身が何かをまず確認する習慣をつけましょう。
次の関数を微分せよ。
(1) y=sin3x
(2) y=e2x
(3) y=log(x2+1)
答え
(1) y′=3cos3x
(2) y′=2e2x
(3) y′=x2+12x
解説
いずれも基本公式と合成関数の微分法の組合せです。
(1) (sinu)′=cosu⋅u′ で、中身は u=3x なので
(2) (eu)′=eu⋅u′ で、中身は u=2x なので
(3) (logu)′=uu′ で、中身は u=x2+1 なので
log の微分は「中身の微分を分子に、中身を分母に」とセットで覚えると速く正確に計算できます。
曲線 y=logx 上の点 (1, 0) における接線の方程式を求めよ。
答え
y=x−1
解説
接線の公式 y=f′(a)(x−a)+f(a) を使います。
f(x)=logx の導関数は
接点の x 座標は a=1 なので、接線の傾きは
接点 (1, 0) を通り傾き 1 の直線だから
検算として、x=1 を代入すると y=0 で確かに接点を通ります。接線の問題は「傾き f′(a)」と「接点の座標」の2つがそろえば必ず書けます。
関数 y=xex の極値を求めよ。
答え
x=−1 で極小値 −e1(極大値はない)
解説
積の微分法で導関数を求めます。
ex>0 が常に成り立つので、y′ の符号は x+1 の符号と一致します。
x<−1 のとき y′<0(減少)、x>−1 のとき y′>0(増加)。
増減表より、x=−1 で減少から増加に切り替わるので極小で、極小値は
極大値はありません。「ex>0 だから符号は多項式部分だけで決まる」という見方は、指数関数を含む増減の問題全般で使える時短テクニックです。
対数微分法を用いて、関数 y=xx(x>0)を微分せよ。
答え
y′=xx(logx+1)
解説
底にも指数にも x がある関数なので、(xn)′ の公式も (ax)′ の公式もそのままでは使えません。対数微分法を使います。
x>0 より y=xx>0 なので、両辺の自然対数をとると
両辺を x で微分します。左辺は合成関数の微分法で yy′、右辺は積の微分法で
両辺に y を掛けて、y=xx を戻すと
「(xx)′=x⋅xx−1」とするのは典型的な誤りです。指数に変数がある関数を見たら対数微分法、と反射的に判断できるようにしましょう。
曲線 y=x 上の点 (4, 2) における接線と法線の方程式を求めよ。
答え
接線: y=41x+1、 法線: y=−4x+18
解説
y=x21 と直して微分すると
x=4 での接線の傾きは
接線は点 (4, 2) を通り傾き 41 なので
法線の傾きは、接線と垂直だから傾きの積が −1 となる値、すなわち −4 です。よって
検算: 接線・法線とも x=4 で y=2 となり、確かに接点を通ります。41×(−4)=−1 で垂直条件も満たしています。
原点から曲線 y=ex に引いた接線の方程式を求めよ。
答え
y=ex
解説
原点は曲線上の点ではないので、接点の x 座標を t とおくのが定石です。
接点は (t, et)、y′=ex より接線の傾きは et なので、接線の方程式は
この接線が原点 (0, 0) を通るから、代入して
et>0 なので 1−t=0、すなわち t=1。
接点は (1, e)、傾きは e だから、接線の方程式は
「曲線外の点から引く接線」では、与えられた点の座標を接線の式の x、y に代入するのであって、接点の座標に使ってはいけません。ここを混同するミスが非常に多いので注意しましょう。
f(x)=logx、区間 [1, e] について、平均値の定理を満たす c の値を求めよ。
答え
c=e−1
解説
f(x)=logx は x>0 で連続かつ微分可能なので、閉区間 [1, e] で平均値の定理が使えます。定理の式は
左辺を計算すると、f(e)=loge=1、f(1)=log1=0 より
f′(x)=x1 なので、f′(c)=c1 とおいて
最後に c が区間の内部にあるか確認します。2<e<3 より 1<e−1<2<e なので、確かに 1<c<e を満たします。平均値の定理の問題では、この「範囲の確認」まで書いて初めて完答です。
関数 y=x4−4x3 の極値と変曲点を求めよ。
答え
x=3 で極小値 −27(極大値はない)。変曲点は (0, 0) と (2, −16)
解説
まず第1次導関数で増減を調べます。
y′=0 となるのは x=0, 3 です。符号を調べると、4x2≥0 なので y′ の符号は x−3 で決まり
x<0 で y′<0、 0<x<3 で y′<0、 x>3 で y′>0
x=0 の前後で符号が変わらない(減少のまま)ので、x=0 は極値ではありません。x=3 で減少から増加に変わるので極小で、極小値は
次に第2次導関数で凹凸を調べます。
y′′=0 となるのは x=0, 2 で、x<0 で y′′>0(下に凸)、0<x<2 で y′′<0(上に凸)、x>2 で y′′>0(下に凸)。どちらの点でも符号が変わるので、変曲点は
「y′=0 でも極値とは限らない」ことを実感できる典型問題です。x=0 は極値ではなく変曲点になっています。
関数 y=x+2cosx(0≤x≤π)の最大値と最小値を求めよ。
答え
最大値 6π+3(x=6π のとき)、最小値 65π−3(x=65π のとき)
解説
微分して増減を調べます。
y′=0 とすると sinx=21。0≤x≤π の範囲では
符号を調べると、0≤x<6π で sinx<21 だから y′>0(増加)、6π<x<65π で y′<0(減少)、65π<x≤π で y′>0(増加)です。
極値と端点の値をすべて計算します。
およその値は順に 2、2.26、0.89、1.14 なので、最大値は 6π+3、最小値は 65π−3 です。
閉区間の最大・最小では、極値だけでなく必ず端点の値も候補に入れて比較することを忘れないでください。
(1) 関数 f(x)=xlogx(x>0)の最大値を求めよ。
(2) (1) を利用して、eπ と πe の大小を比較せよ。
答え
(1) x=e のとき最大値 e1
(2) eπ>πe
解説
(1) 商の微分法で
x2>0 なので、f′(x) の符号は 1−logx の符号と一致します。logx<1 すなわち 0<x<e で f′(x)>0(増加)、x>e で f′(x)<0(減少)。
よって x=e で最大となり、最大値は
(2) e<π で、(1) より f(x) は x>e で単調に減少するから
両辺に eπ (>0) を掛けて
π=πloge と書き直すと πloge>elogπ、すなわち
logx は単調増加なので
「累乗の大小比較は対数をとって xlogx 型の関数に持ち込む」のは入試で頻出の発想です。(1) が (2) の誘導になっている構造を見抜けるようにしましょう。
a を実数の定数とするとき、方程式 xe−x=a の異なる実数解の個数を調べよ。ただし x→∞limxe−x=0 を用いてよい。
答え
a>e1 のとき 0 個、a=e1 または a≤0 のとき 1 個、0<a<e1 のとき 2 個
解説
定数 a が分離されているので、曲線 y=f(x)=xe−x と直線 y=a の共有点の個数を数えます。
まず増減を調べます。積の微分法で
e−x>0 なので、x<1 で f′(x)>0(増加)、x>1 で f′(x)<0(減少)。よって x=1 で極大かつ最大となり、最大値は
次にグラフの端の様子を調べます。x→∞ のとき、与えられた極限より f(x)→0 で、x>0 では常に f(x)>0 です。x→−∞ のとき、x→−∞、e−x→∞ なので f(x)→−∞。また f(0)=0 です。
したがってグラフは、左下の −∞ から増加して原点を通り、(1, 1/e) で頂点に達したあと、x 軸に近づきながら(y>0 を保って)減少していきます。
直線 y=a を上下に動かして共有点を数えると
【場合1】 a>e1 のとき: 最大値より上なので共有点なし。0 個。
【場合2】 a=e1 のとき: 頂点でのみ接する。1 個。
【場合3】 0<a<e1 のとき: 増加部分(0<x<1)と減少部分(x>1)で1回ずつ交わる。2 個。
【場合4】 a=0 のとき: x>0 では f(x)>0 なので交点は原点のみ。1 個。
【場合5】 a<0 のとき: f(x)<0 となるのは x<0 の増加部分だけなので、そこで1回だけ交わる。1 個。
まとめると、a>e1 で 0 個、a=e1 または a≤0 で 1 個、0<a<e1 で 2 個です。
定数分離の問題では、極値だけでなく「x→±∞ での極限」と「グラフが軸に触れるかどうか」まで調べないと、境目(a=0 のような値)で個数を数え間違えます。
x>0 のとき、不等式 ex>1+x+2x2 が成り立つことを証明せよ。
答え
(証明問題。解説は下記参照)
解説
差をとって関数を作り、増減を調べる方針です。
とおき、x>0 で f(x)>0 を示します。微分すると
f′(x) の符号がすぐには分からないので、もう一度微分します。
x>0 のとき ex>e0=1 なので f′′(x)>0。よって f′(x) は x≥0 で単調に増加します。さらに
だから、x>0 のとき
したがって f(x) も x≥0 で単調に増加します。さらに
だから、x>0 のとき
すなわち ex>1+x+2x2 が成り立ちます。(証明終)
1回の微分で符号が判定できないときは、「もう一度微分して f′′ から f′ の増減を調べ、f′(0)=0 とつないで符号を確定させる」のが定石です。f(0)=0、f′(0)=0 という出発点の確認を省略すると証明として不完全になるので、必ず明記しましょう。