数学III 極限
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
極限 limn→∞n2+2n3n2+1 を求めよ。
答え
3
解説
∞∞ の不定形なので、分母の最高次の項 n2 で分母・分子を割ります。
n→∞ のとき n21→0、n2→0 なので
答えは「最高次の係数の比」になります。分子・分母の次数が同じときはいつもこの形になるので、検算に使えます。
極限 limn→∞(n2+n−n) を求めよ。
答え
21
解説
∞−∞ の不定形なので、n2+n+n を分母・分子に掛けて有理化します。
分母・分子を n で割ります。n>0 なので n2+n を n で割ると 1+n1 になり
n→∞ のとき n1→0 なので
根号を含む ∞−∞ 型は「有理化してから最高次で割る」の2段構えが定石です。
無限等比級数 n=1∑∞(32)n の和を求めよ。
答え
2
解説
まず初項と公比を確認します。この級数は
なので、初項 a=32、公比 r=32 です。∣r∣=32<1 なので収束し、和の公式 S=1−ra より
∑n=1∞rn は初項が r1(r0=1 ではない)ことに注意しましょう。初項の取り違えが最も多いミスです。
極限 limx→2x−2x2−4 を求めよ。
答え
4
解説
x=2 を代入すると分母・分子とも 0 になる 00 の不定形です。分子を因数分解します。
x→2 のとき x=2、すなわち x−2=0 なので約分できて
00 型では「分母を 0 にする値が分子の因数にもなっている」はずなので、まず因数分解を試すのが定石です。
極限 limx→0xsin3x を求めよ。
答え
3
解説
公式 limx→0xsinx=1 を使うため、3xsin3x の形を作ります。分母・分子に 3 を掛けて
x→0 のとき 3x→0 なので、3xsin3x→1。よって
◯sin◯ の「中身をそろえる」操作がこの型の基本です。limx→0xsinax=a とまとめて覚えておくと検算が速くなります。
極限 limn→∞3n+2n3n+1−2n を求めよ。
答え
3
解説
指数の底のうち最も大きい 3n で分母・分子を割るのが定石です。3n+1=3⋅3n に注意して
32<1 なので、n→∞ のとき (32)n→0。よって
「最大の底の n 乗で割ると、残りはすべて ∣r∣<1 の等比数列になって 0 に飛ぶ」という仕組みです。3n+1 を 3n で割ると 3 が残ることを見落とさないようにしましょう。
はさみうちの原理を用いて、極限 limn→∞n+12n−sinn を求めよ。
答え
2
解説
sinn は振動して収束しませんが、−1≤sinn≤1 なので、これを利用してはさみます。
−1≤sinn≤1 より −1≤−sinn≤1 だから
各辺を n+1>0 で割って
両端の極限を、分母・分子を n で割って求めます。
両端がともに 2 に収束するので、はさみうちの原理により
答案では「両端の極限が一致すること」を示してから「はさみうちの原理により」と明記しましょう。ここを省くと減点されます。
無限級数 n=1∑∞(x−1)n が収束するような実数 x の値の範囲を求め、そのときの和を求めよ。
答え
0<x<2 で収束し、和は 2−xx−1
解説
この級数は初項 a=x−1、公比 r=x−1 の無限等比級数です。
無限等比級数の収束条件は「a=0 または ∣r∣<1」です。
【場合1】 a=0、すなわち x=1 のとき
すべての項が 0 なので収束し、和は 0 です。
【場合2】 ∣r∣<1、すなわち ∣x−1∣<1 のとき
$−1<x−1<1$
$0<x<2$
x=1 はこの範囲に含まれるので、まとめると収束条件は
このとき、和の公式 S=1−ra より
x=1 のとき、この式は 10=0 となり【場合1】の結果とも一致します。初項と公比が同じ文字式のときは、「初項 =0」の場合が公比の条件に吸収されるかどうかを確認するのがポイントです。
関数 f(x)=∣x−1∣x2−1 について、右側極限 limx→1+0f(x) と左側極限 limx→1−0f(x) を求め、limx→1f(x) が存在するかどうか調べよ。
答え
limx→1+0f(x)=2、 limx→1−0f(x)=−2、 limx→1f(x) は存在しない
解説
絶対値を含むので、x−1 の符号で場合分けして絶対値を外します。分子は x2−1=(x−1)(x+1) と因数分解できます。
【右側極限】 x→1+0 のとき
x>1 なので x−1>0、よって ∣x−1∣=x−1。
【左側極限】 x→1−0 のとき
x<1 なので x−1<0、よって ∣x−1∣=−(x−1)。
右側極限は 2、左側極限は −2 で一致しないので、limx→1f(x) は存在しません。
「極限が存在する ⟺ 左右の片側極限が一致する」が判定基準です。絶対値を見たら、まず符号の変わり目で場合分けする習慣をつけましょう。
等式 limx→1x−1x2+ax+b=3 が成り立つように、定数 a、b の値を定めよ。
答え
a=1、 b=−2
解説
x→1 のとき分母 x−1→0 です。もし分子が 0 以外の値に近づくなら、全体は発散してしまい、極限値 3 をもつことに矛盾します。したがって、極限値が存在するためには分子も 0 に近づくことが必要です。
よって b=−a−1 …(1)
これを分子に代入すると
したがって
これが 3 に等しいので
(1)に代入して b=−1−1=−2。
検算: a=1、b=−2 のとき x−1x2+x−2=x−1(x−1)(x+2)=x+2→3 ✓
「分母 →0 で極限値が存在するなら分子 →0(必要条件)」から始めるのがこの型の定石です。最後に必ず、求めた値で本当に極限が 3 になるか確かめましょう。
極限 limx→0x21−cosx を求めよ。
答え
21
解説
公式 limx→0xsinx=1 が使える形に変形します。分母・分子に 1+cosx を掛けるのがポイントです。
ここで sin2x=(sinx)2 なので
x→0 のとき、xsinx→1、cosx→1 なので
「1−cosx を見たら 1+cosx を掛けて sin2x を作る」は三角関数の極限の頻出テクニックです。結果の limx→0x21−cosx=21 自体も公式として覚えておきましょう。
r=−1 とする。極限 limn→∞1+rnrn を、r の値によって場合分けして求めよ。
答え
∣r∣<1 のとき 0、 r=1 のとき 21、 ∣r∣>1 のとき 1
解説
{rn} の極限が r の値で変わるので、場合分けします。基準は「∣r∣<1 なら rn→0、r=1 なら rn→1、∣r∣>1 なら ∣rn∣→∞」です。
【場合1】 ∣r∣<1 のとき
rn→0 なので、そのまま代入できて
【場合2】 r=1 のとき
rn=1(すべての n で一定)なので
【場合3】 ∣r∣>1 のとき
∣rn∣→∞ となり不定形になるので、分母・分子を rn で割ります。
∣r∣>1 より r1<1 なので rn1=(r1)n→0。よって
以上より、∣r∣<1 のとき 0、r=1 のとき 21、∣r∣>1 のとき 1 です。
なお r=−1 が除かれているのは、n が奇数のとき分母 1+rn=0 となって式が定義できないからです。rn を含む極限では「∣r∣<1 / r=1 / ∣r∣>1」の3つの場合分けを機械的に書き出すのが定石で、∣r∣>1 のときは「rn で割って rn1→0 に持ち込む」と覚えましょう。
無限級数 n=1∑∞n(n+2)1 の和を求めよ。
答え
43
解説
等比級数ではないので、部分和 SN を求めてから N→∞ とします。まず部分分数分解をします。
(検算: 右辺 =21⋅n(n+2)(n+2)−n=21⋅n(n+2)2=n(n+2)1 ✓)
部分和 SN を書き出すと
31,41,…,N1 の項は、2つ先の括弧の正の項と打ち消し合って消えます。残るのは、先頭側の 11 と 21、末尾側の −N+11 と −N+21 です。
N→∞ のとき N+11→0、N+21→0 なので
n1−n+21 のように差が「2つ飛び」のときは、先頭の2項と末尾の2項が残ることに注意しましょう。N=3,4 くらいまで実際に書き出して、どの項が消えるか目で確認するのが安全です。
方程式 x3−3x+1=0 は 0<x<1 の範囲に実数解をもつことを示せ。
答え
f(x)=x3−3x+1 が [0, 1] で連続、f(0)=1>0、f(1)=−1<0 で異符号だから、中間値の定理により実数解が存在する(証明)
解説
解の存在証明なので、中間値の定理を使います。使うための条件は「閉区間で連続」と「両端の値が異符号」の2つです。
f(x)=x3−3x+1 とおきます。f(x) は多項式(整式)で表される関数なので、すべての実数で連続であり、特に閉区間 [0, 1] で連続です。
区間の両端での値を計算します。
f(0)>0、f(1)<0 で符号が異なるので、中間値の定理により
を満たす実数 c が少なくとも1つ存在します。この c は方程式 x3−3x+1=0 の解なので、方程式は 0<x<1 の範囲に実数解をもちます。(証明終)
答案では、(1) f(x) とおく、(2) 連続であることを述べる、(3) 両端の値を計算して異符号を確認する、(4) 「中間値の定理により」と明記して結論する、の4ステップを必ず書きましょう。連続性への言及を忘れると論理に穴が空きます(連続でない関数では定理が使えません)。