約数と倍数
2つの整数 、 について、 となる整数 が存在するとき、 は の約数、 は の倍数であるといいます。たとえば なので、 は の約数、 は の倍数です。
ある数が何の倍数かは、実際に割らなくても各位の数字から判定できます。テストでも頻出なので、次の判定法は確実に覚えましょう。
3の倍数の判定法が成り立つ理由を、3桁の数で確かめてみましょう。百の位が 、十の位が 、一の位が の数は と表せます。これを
と変形すると、 は必ず3の倍数なので、全体が3の倍数になるかどうかは (各位の数字の和)だけで決まることが分かります。
以上の自然数のうち、 とその数自身以外に約数を持たない数を素数といいます()。自然数を素数だけの積の形に表すことを素因数分解といい、その表し方は積の順序を除いてただ1通りです。素因数分解は、この章のすべての話題の土台になります。
最大公約数・最小公倍数とユークリッドの互除法
2つの整数に共通な約数を公約数、共通な倍数を公倍数といい、公約数のうち最大のものを最大公約数、正の公倍数のうち最小のものを最小公倍数といいます。最大公約数が である2つの整数は互いに素であるといいます。
素因数分解ができれば、最大公約数は「共通する素因数を、小さい方の指数だけ集めた積」、最小公倍数は「現れる素因数を、大きい方の指数だけ集めた積」として求められます。
数が大きくなると素因数分解は大変です。そこで活躍するのがユークリッドの互除法です。これは次の原理にもとづきます。
を で割った商を 、余りを とする()と、 と の最大公約数は、 と の最大公約数に等しい。
つまり「大きい2数の最大公約数」を「より小さい2数の最大公約数」の問題にどんどんおき換えられるのです。余りが になったとき、そのときの割る数が最大公約数です。
1次不定方程式
、、 を整数の定数とするとき、 を満たす整数 、 の組をすべて求める問題を1次不定方程式といいます。解は1組ではなく、無数にあるのが特徴です。
と が互いに素のとき、 は必ず整数解を持ちます。逆に、 と の最大公約数が の約数でないときは、整数解は存在しません(左辺が必ず最大公約数の倍数になるからです)。
右辺が でない の場合も、まず の解を1組見つけて両辺を 倍すれば、 の解が1組得られます。また、係数が大きくて解が見つけにくいときは、ユークリッドの互除法の計算を逆にたどると必ず1組の解を作れます(発展問題で扱います)。
n進法
私たちが普段使う10進法は、 から の10種類の数字を使い、10集まるごとに位が1つ上がる記数法です。同じように、 種類の数字を使い、 集まるごとに位が上がる表し方を 進法といい、 進法で表された数を のように書きます。コンピュータの内部では、 と だけを使う2進法が使われています。
たとえば2進法の は、右から順に の位、 の位、 の位、 の位を表すので
となります。
小数も同じ考え方で表せます。2進法の小数第1位は の位、小数第2位は の位、… を表します。たとえば
逆に、10進法の小数を2進法に直すには、小数部分に を掛けて整数部分を取り出す操作を、小数部分が になるまで繰り返します。取り出した整数部分を上から順に並べたものが2進小数です。