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数学B1

数列

等差・等比数列、Σ記号、漸化式、数学的帰納法を学びます。

等差数列

1,3,5,7,1, 3, 5, 7, \dots のように、数を一列に並べたものを数列といい、並んでいる1つ1つの数を項といいます。最初の項を初項、nn 番目の項を第 nn 項と呼び、ana_n と書きます。ana_nnn の式で表したものが一般項です。

隣り合う項の差がつねに一定である数列を等差数列といい、その一定の差 dd を公差といいます。初項 aa に公差 dd を1回ずつ足していくと、第 nn 項までに dd(n1)(n-1) 回足すことになります。

等差数列の一般項

初項 aa、公差 dd の等差数列の一般項は

an=a+(n1)da_n = a + (n-1)d

dd を足す回数は項の番号より1つ少ない」と覚えましょう。また、a,b,ca, b, c がこの順で等差数列をなすとき 2b=a+c2b = a + c が成り立ちます(bb を等差中項といいます)。

例題 1(一般項)

等差数列 5,8,11,14,5, 8, 11, 14, \dots の一般項を求めよ。また、5050 は第何項か。

解き方

初項 a=5a = 5、公差 d=85=3d = 8 - 5 = 3 だから

an=5+(n1)3=3n+2a_n = 5 + (n-1) \cdot 3 = 3n + 2

an=50a_n = 50 とおくと 3n+2=503n + 2 = 50 より 3n=483n = 48、すなわち n=16n = 16

よって 5050 は第 1616 項です。nn が自然数になったので、確かにこの数列に 5050 が現れることも確認できました。

等差数列の和の公式

初項 aa、公差 dd、末項 ll の等差数列の初項から第 nn 項までの和 SnS_n

Sn=n(a+l)2=n{2a+(n1)d}2S_n = \frac{n(a + l)}{2} = \frac{n\,\lbrace 2a + (n-1)d \rbrace}{2}

「(項数)×(初項と末項の平均)」という意味です。和を逆順に書いて足し合わせると、a+la+lnn 個できることから導けます。

例題 2(和の公式)

11 から 100100 までの自然数の和を求めよ。

解き方

1,2,3,,1001, 2, 3, \dots, 100 は初項 11、末項 100100、項数 100100 の等差数列です。和の公式で

S=100(1+100)2=100×1012=5050S = \frac{100(1 + 100)}{2} = \frac{100 \times 101}{2} = 5050

数学者ガウスが少年時代に一瞬で解いたと伝えられる有名な計算です。「両端から順にペアを作ると、和が 101101 のペアが 5050 組できる」という発想が公式の正体です。

等比数列

2,6,18,54,2, 6, 18, 54, \dots のように、隣り合う項の比がつねに一定である数列を等比数列といい、その一定の比 rr を公比といいます。初項 aa に公比 rr を掛け続けると、第 nn 項までに rr(n1)(n-1) 回掛けることになります。

等比数列の一般項

初項 aa、公比 rr の等比数列の一般項は

an=arn1a_n = a r^{n-1}

また、00 でない a,b,ca, b, c がこの順で等比数列をなすとき b2=acb^2 = ac が成り立ちます(bb を等比中項といいます)。

等比数列の和の公式

初項 aa、公比 rr の等比数列の初項から第 nn 項までの和 SnS_n

r1r \ne 1 のとき

Sn=a(rn1)r1=a(1rn)1rS_n = \frac{a(r^n - 1)}{r - 1} = \frac{a(1 - r^n)}{1 - r}

r=1r = 1 のとき Sn=naS_n = na

SnS_nrSnrS_n を並べて引き算すると、途中の項が消えてこの公式が導けます。この「SrSS - rS を作る」という考え方は、あとで(等差)×(等比)の和でも使う重要な手法です。

例題 3

初項 22、公比 33 の等比数列の一般項と、初項から第 nn 項までの和 SnS_n を求めよ。

解き方

一般項は公式にそのまま当てはめて

an=23n1a_n = 2 \cdot 3^{n-1}

和は r=31r = 3 \ne 1 なので

Sn=2(3n1)31=3n1S_n = \frac{2(3^n - 1)}{3 - 1} = 3^n - 1

検算として n=2n = 2 を入れると、a1+a2=2+6=8a_1 + a_2 = 2 + 6 = 8、公式でも 321=83^2 - 1 = 8 で一致します。公式を使ったら小さい nn で確かめる習慣をつけましょう。

Σ記号といろいろな数列の和

和を簡潔に書くための記号が Σ\Sigma(シグマ)です。

k=1nak=a1+a2++an\sum_{k=1}^{n} a_k = a_1 + a_2 + \cdots + a_n

aka_kkk11 から nn まで順に代入して足す」という意味です。kk は和をとるための仮の文字なので、結果は nn の式になります。

Σの基本公式

k=1nc=cn(c は定数)\sum_{k=1}^{n} c = cn \quad (c \text{ は定数})
k=1nk=n(n+1)2\sum_{k=1}^{n} k = \frac{n(n+1)}{2}
k=1nk2=n(n+1)(2n+1)6\sum_{k=1}^{n} k^2 = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6}
k=1nk3={n(n+1)2}2\sum_{k=1}^{n} k^3 = \left\lbrace \frac{n(n+1)}{2} \right\rbrace^2

さらに (ak+bk)=ak+bk\displaystyle\sum (a_k + b_k) = \sum a_k + \sum b_kcak=cak\displaystyle\sum c a_k = c \sum a_k が成り立つので、多項式の和は項ごとに計算できます。

例題 4(Σの計算)

k=1n(k2+3k)\displaystyle\sum_{k=1}^{n} (k^2 + 3k) を計算せよ。

解き方

項ごとに分けて基本公式を使います。

k=1n(k2+3k)=k=1nk2+3k=1nk=n(n+1)(2n+1)6+3n(n+1)2\sum_{k=1}^{n} (k^2 + 3k) = \sum_{k=1}^{n} k^2 + 3\sum_{k=1}^{n} k = \frac{n(n+1)(2n+1)}{6} + 3 \cdot \frac{n(n+1)}{2}

共通因数 n(n+1)6\dfrac{n(n+1)}{6} でくくると

=n(n+1)6{(2n+1)+9}=n(n+1)(2n+10)6=n(n+1)(n+5)3= \frac{n(n+1)}{6}\lbrace (2n+1) + 9 \rbrace = \frac{n(n+1)(2n+10)}{6} = \frac{n(n+1)(n+5)}{3}

n=1n = 1 で検算すると、もとの和は 1+3=41 + 3 = 4、答えの式も 1263=4\dfrac{1 \cdot 2 \cdot 6}{3} = 4 で一致します。Σの計算は「通分してくくる」まで整理して答えましょう。

階差数列

数列 {an}\lbrace a_n \rbrace に対して bn=an+1anb_n = a_{n+1} - a_n で定まる数列 {bn}\lbrace b_n \rbrace を階差数列といいます。n2n \ge 2 のとき

an=a1+k=1n1bka_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k

初項に階差を (n1)(n-1) 個足すと第 nn 項に届く、という式です。この式は n2n \ge 2 でしか使えないので、得られた式が n=1n = 1 でも成り立つかを最後に必ず確認します。

例題 5(部分分数分解)

k=1n1k(k+1)\displaystyle\sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k(k+1)} を計算せよ。

解き方

分数の列の和は、各項を差の形に分解する(部分分数分解)と、隣どうしが打ち消し合って計算できます。

1k(k+1)=1k1k+1\frac{1}{k(k+1)} = \frac{1}{k} - \frac{1}{k+1}

と分解できるので

k=1n1k(k+1)=(1112)+(1213)++(1n1n+1)\sum_{k=1}^{n} \frac{1}{k(k+1)} = \left(\frac{1}{1} - \frac{1}{2}\right) + \left(\frac{1}{2} - \frac{1}{3}\right) + \cdots + \left(\frac{1}{n} - \frac{1}{n+1}\right)

途中の項がすべて消えて、最初と最後だけが残ります。

=11n+1=nn+1= 1 - \frac{1}{n+1} = \frac{n}{n+1}

このように次々と項が消える和を「望遠鏡式の和」と呼ぶこともあります。分解した直後に、通分して元に戻るか確認するとミスを防げます。

各項が(等差数列)×(等比数列)の形の和、たとえば S=130+231+332++n3n1S = 1 \cdot 3^0 + 2 \cdot 3^1 + 3 \cdot 3^2 + \cdots + n \cdot 3^{n-1} は、Σの公式では計算できません。このときは等比数列の和の公式を導いたときと同じように、SS から公比倍した rSrS を引きます。

S3S=(30+31++3n1)n3nS - 3S = (3^0 + 3^1 + \cdots + 3^{n-1}) - n \cdot 3^n

左辺は 2S-2S、右辺のかっこの中は等比数列の和 3n12\dfrac{3^n - 1}{2} なので、整理すると S=(2n1)3n+14S = \dfrac{(2n-1) \cdot 3^n + 1}{4} が得られます。「SrSS - rS をずらして引くと、等差の部分が定数になって等比数列の和が現れる」のがこの手法のポイントです。

漸化式

初項と「前の項から次の項を作る規則」で数列を定める式を漸化式といいます。たとえば a1=1a_1 = 1an+1=an+3a_{n+1} = a_n + 3 と決めれば、a2=4a_2 = 4a3=7a_3 = 7、… と数列が1つに定まります。漸化式の問題の目標は、この規則から一般項 ana_nnn の式で求めることです。

漸化式の基本3パターン

1. an+1=an+da_{n+1} = a_n + d … 等差数列。 an=a1+(n1)da_n = a_1 + (n-1)d

2. an+1=rana_{n+1} = r a_n … 等比数列。 an=a1rn1a_n = a_1 r^{n-1}

3. an+1=an+f(n)a_{n+1} = a_n + f(n) … 階差数列が f(n)f(n)n2n \ge 2 のとき an=a1+k=1n1f(k)\displaystyle a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} f(k)

まずこの3つのどれかに当てはまらないかを確認するのが漸化式の第一歩です。

型: 特性方程式の利用

p1p \ne 1 のとき、漸化式

an+1=pan+qa_{n+1} = p a_n + q

は、α=pα+q\alpha = p\alpha + q を満たす α\alpha(特性方程式の解 α=q1p\alpha = \dfrac{q}{1-p})を使って

an+1α=p(anα)a_{n+1} - \alpha = p(a_n - \alpha)

と変形できます。すると数列 {anα}\lbrace a_n - \alpha \rbrace は初項 a1αa_1 - \alpha、公比 pp の等比数列になるので、一般項が求められます。

例題 6

a1=3a_1 = 3an+1=2an1a_{n+1} = 2a_n - 1 で定まる数列 {an}\lbrace a_n \rbrace の一般項を求めよ。

解き方

特性方程式 α=2α1\alpha = 2\alpha - 1 を解くと α=1\alpha = 1。そこで漸化式の両辺から 11 を引いて変形します。

an+11=2(an1)a_{n+1} - 1 = 2(a_n - 1)

数列 {an1}\lbrace a_n - 1 \rbrace は初項 a11=2a_1 - 1 = 2、公比 22 の等比数列だから

an1=22n1=2na_n - 1 = 2 \cdot 2^{n-1} = 2^n

よって

an=2n+1a_n = 2^n + 1

検算: a1=21+1=3a_1 = 2^1 + 1 = 3a2=231=5=22+1a_2 = 2 \cdot 3 - 1 = 5 = 2^2 + 1 で一致します。変形した式を展開して元の漸化式に戻ることも確かめると安心です。

数学的帰納法

「すべての自然数 nn について成り立つ」ことを証明したいとき、n=1,2,3,n = 1, 2, 3, \dots と1つずつ確かめるわけにはいきません。そこで使うのが数学的帰納法です。ドミノ倒しをイメージしてください。「最初の1枚が倒れる」ことと「どの1枚が倒れても必ず次の1枚が倒れる」ことの2つを示せば、すべてのドミノが倒れることが保証されます。

数学的帰納法の手順

自然数 nn に関する命題がすべての自然数 nn で成り立つことを示すには、次の2つを証明します。

(I) n=1n = 1 のとき成り立つ。

(II) n=kn = k のとき成り立つと仮定すると、n=k+1n = k+1 のときも成り立つ。

(II) では「n=kn = k での成立(帰納法の仮定)」を必ずどこかで使います。仮定を使わずに示せたなら、そもそも帰納法は不要だったということです。

例題 7

すべての自然数 nn について、次の等式が成り立つことを数学的帰納法で証明せよ。

1+3+5++(2n1)=n21 + 3 + 5 + \cdots + (2n-1) = n^2

解き方

(I) n=1n = 1 のとき
左辺 =1= 1、右辺 =12=1= 1^2 = 1 で成り立ちます。

(II) n=kn = k のとき成り立つ、すなわち

1+3+5++(2k1)=k21 + 3 + 5 + \cdots + (2k-1) = k^2

と仮定します。n=k+1n = k+1 のときの左辺は、この両辺に第 (k+1)(k+1)2(k+1)1=2k+12(k+1) - 1 = 2k+1 を加えて

1+3++(2k1)+(2k+1)=k2+2k+1=(k+1)21 + 3 + \cdots + (2k-1) + (2k+1) = k^2 + 2k + 1 = (k+1)^2

となり、n=k+1n = k+1 のときも成り立ちます。

(I)、(II) より、すべての自然数 nn について等式は成り立ちます。(証明終)

ポイントは、(II) で「左辺に次の1項を足すとどうなるか」を考え、仮定の式を代入するところです。等式だけでなく、不等式や倍数(整数の割り切れ)の証明にも同じ型が使えます。

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