数学C 複素数平面
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
z=3+4i のとき、次の値を求めよ。
(1) z
(2) z+z と zz
(3) ∣z∣
答え
(1) 3−4i
(2) z+z=6、 zz=25
(3) ∣z∣=5
解説
(1) 共役複素数は虚部の符号を変えたものなので
(2) 和は虚部が打ち消し合って
積は和と差の積の形なので
(3) 定義どおり計算して
(2) と (3) を見比べると zz=25=∣z∣2 になっています。zz=∣z∣2 はこの章で最もよく使う関係式なので、必ず身につけましょう。
次の複素数を極形式で表せ。ただし偏角 θ は 0≤θ<2π とする。
(1) 1+i
(2) −3+i
答え
(1) 2(cos4π+isin4π)
(2) 2(cos65π+isin65π)
解説
極形式は「絶対値 r を求める → cosθ と sinθ の両方が合う偏角 θ を探す」の2段階です。
(1) 絶対値は
cosθ=21、sinθ=21 より θ=4π。よって
(2) 絶対値は
cosθ=−23、sinθ=21 より、第2象限の角で θ=65π。よって
偏角は点がどの象限にあるかを図で確認してから決めると、符号ミスを防げます。
z1=2(cos3π+isin3π)、z2=3(cos6π+isin6π) のとき、z1z2 と z2z1 を a+bi の形で求めよ。
答え
z1z2=6i、 z2z1=33+i
解説
積は「絶対値は積、偏角は和」です。
cos2π=0、sin2π=1 なので
商は「絶対値は商、偏角は差」です。
cos6π=23、sin6π=21 を代入して
展開して掛けるより、極形式のまま偏角を足し引きする方が圧倒的に速く正確です。
次の値を求めよ。
(1) (cos12π+isin12π)6
(2) (cos6π+isin6π)−3
答え
(1) i
(2) −i
解説
どちらもド・モアブルの定理 (cosθ+isinθ)n=cosnθ+isinnθ を使います。
(1) 偏角を 6 倍して
(2) ド・モアブルの定理は負の整数でも成り立つので、偏角を −3 倍して
cos(−2π)=0、sin(−2π)=−1 なので、答えは −i です。
指数が負のときは「逆数をとってから正の指数で計算する」と考えてもかまいませんが、偏角に指数をそのまま掛けてよいと知っていれば一発です。
2点 A(1+2i)、B(4−2i) について、次を求めよ。
(1) 距離 AB
(2) 線分 AB の中点を表す複素数
答え
(1) AB=5
(2) 25
解説
α=1+2i、β=4−2i とします。
(1) 距離は差の絶対値です。
(2) 中点は 1:1 の内分点なので
虚部が打ち消し合って実数になりました。これは中点が実軸上にあるということです。答えが実数や純虚数になったときは「実軸上・虚軸上の点だ」と図形的に確認する習慣をつけましょう。
次の値を求めよ。
(1) (1+3i)6
(2) (1−i)10
答え
(1) 64
(2) −32i
解説
高次の累乗は、極形式に直してド・モアブルの定理を使うのが定石です。
(1) ∣1+3i∣=1+3=2、cosθ=21、sinθ=23 より偏角は 3π なので
ド・モアブルの定理より
(2) ∣1−i∣=2、偏角は −4π なので
−25π=−2π−2π なので cos(−25π)=0、sin(−25π)=−1。よって
検算として、(1−i)2=1−2i+i2=−2i から (1−i)10=(−2i)5=−32i5=−32i と求めることもできます。2通りで一致すれば安心です。
方程式 z3=8i を解け。
答え
z=3+i, −3+i, −2i
解説
両辺を極形式で表して、絶対値と偏角を比較します。まず右辺は
z=r(cosθ+isinθ)(r>0、0≤θ<2π)とおくと、ド・モアブルの定理より
絶対値を比較して r3=8、r>0 だから r=2。
偏角を比較して 3θ=2π+2kπ(k は整数)、すなわち
0≤θ<2π の範囲では k=0, 1, 2 で θ=6π, 65π, 23π。それぞれ代入すると
偏角の比較で +2kπ を忘れると解が1つしか出ません。n 乗の方程式の解は n 個(半径 2 の円周上の正三角形の頂点)あるはずだ、と個数で検算しましょう。
等式 ∣z−1∣=2∣z+2∣ を満たす点 z 全体は、どのような図形を描くか。
答え
点 −3 を中心とする半径 2 の円
解説
両辺とも 0 以上なので2乗して、∣w∣2=ww を使います。
左辺を展開すると
右辺を展開すると
すべて右辺に移項して整理すると
両辺を 3 で割って
左辺を (z+3)(z+3)=zz+3z+3z+9 と見比べると
すなわち ∣z+3∣2=4 なので
よって、点 −3 を中心とする半径 2 の円を描きます。
このように「2定点からの距離の比が一定(1 以外)の点の軌跡」は円になります(アポロニウスの円)。検算には、実軸上の z=−1 と z=−5 を元の式に代入して成り立つことを確かめるとよいでしょう。
点 z=2+i を、原点のまわりに次の角だけ回転した点を表す複素数を求めよ。
(1) 2π
(2) 3π
答え
(1) −1+2i
(2) 22−3+21+23i
解説
原点のまわりの角 θ の回転は、cosθ+isinθ を掛ける操作です。
(1) 2π の回転は i を掛けることなので
(2) cos3π+isin3π=21+23i を掛けます。
i2=−1 に注意して実部と虚部をまとめると
回転しても原点からの距離は変わらないはずです。実際、(1) の答えの絶対値は 1+4=5 で、もとの ∣2+i∣=5 と一致します。この検算はどの回転の問題でも使えます。
3点 A(2+i)、B(4+5i)、C(−3i) について、次の点を表す複素数を求めよ。
(1) 線分 AB を 1:3 に内分する点
(2) 線分 AB を 3:1 に外分する点
(3) 三角形 ABC の重心
答え
(1) 25+2i
(2) 5+7i
(3) 2+i
解説
α=2+i、β=4+5i、γ=−3i とします。
(1) m:n=1:3 の内分点の公式 m+nnα+mβ に代入して
(2) m:n=3:1 の外分点の公式 m−n−nα+mβ に代入して
(3) 重心は3頂点の平均なので
内分と外分で公式の形が似ているので、外分は「n を −n に変えた内分」と覚えると混乱しません。(1) は A 寄りの点になるはず(1:3 なので A に近い)という位置感覚でも確認できます。
3点 A(1+i)、B(2+3i)、C(−1+2i) を頂点とする三角形 ABC はどのような三角形か。
答え
∠A=2π、AB=AC の直角二等辺三角形
解説
頂点 A を基準にして、β−αγ−α を計算します。この複素数の偏角が ∠A、絶対値が辺の比 ABAC を表します。
よって
分母の共役 1−2i を分母分子に掛けて
i=cos2π+isin2π なので、絶対値と偏角を読み取ると
つまり AB=AC かつ ∠A=2π なので、三角形 ABC は ∠A を直角とする直角二等辺三角形です。
「差の商をつくって絶対値と偏角を読む」のが三角形の形状決定の定石です。結果が実数なら3点は一直線上、純虚数なら直角、とすぐ判断できるようにしておきましょう。
点 z が円 ∣z−1∣=1 上を動くとき(z=0)、w=z1 で表される点 w はどのような図形を描くか。
答え
2点 0、1 を結ぶ線分の垂直二等分線(直線 x=21)
解説
変換の問題は「z を w で表して、z の条件式に代入する」のが定石です。
w=z1 かつ z=0 より w=0 で、
これを条件 ∣z−1∣=1 に代入すると
左辺を通分して
絶対値の商の性質 βα=∣β∣∣α∣ より
すなわち
これは「点 1 からの距離と点 0 からの距離が等しい点」の条件なので、w は2点 0、1 を結ぶ線分の垂直二等分線を描きます。w=x+yi とおけば、∣w−1∣=∣w∣ から
となり、直線 x=21 であることも確かめられます。
もとの円 ∣z−1∣=1 は原点を通る円で、除外点 z=0 がちょうど w の分母を 0 にする点です。「原点を通る円は、w=z1 で直線にうつる」という結果は覚えておく価値があります。
2点 A(1+i)、B(3+2i) に対して、三角形 ABC が正三角形になるような点 C(γ) をすべて求めよ。
答え
γ=24−3+23+23i,24+3+23−23i
解説
正三角形になるのは、点 B を点 A のまわりに 3π または −3π だけ回転した点が C になるときです。回転の公式
を使います。まず
【場合1】 θ=3π のとき
よって
【場合2】 θ=−3π のとき
よって
回転で作った点なので AC=AB、なす角 3π が自動的に保証され、正三角形になります。C は直線 AB の両側に1つずつ、計2つあることを忘れないようにしましょう(片方だけ答えるのが典型的なミスです)。
z=cos52π+isin52π とする。
(1) z4+z3+z2+z+1=0 を示せ。
(2) t=z+z1 の値を求め、cos52π の値を求めよ。
答え
(1) 略(解説参照)
(2) t=2−1+5、 cos52π=4−1+5
解説
(1) ド・モアブルの定理より
よって z5−1=0。左辺を因数分解すると
ここで z=cos52π+isin52π=1 なので z−1=0。したがって
(2) (1) の等式の両辺を z2(=0)で割ります。
t=z+z1 とおくと、対称式の関係から
なので、方程式は
すなわち
解の公式より
ここで t の値を図形的に考えます。∣z∣=1 なので z1=z であり
0<52π<2π より cos52π>0、つまり t>0 です。よって
したがって
「z5=1 の解を利用して cos72∘ の値を求める」この流れは、複素数平面の発展問題として入試でも繰り返し出題される名作です。ポイントは、絶対値 1 の複素数では z1=z となり、z+z1 が実数 2cosθ になることです。