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中1数学5

平面図形

直線と角、図形の移動、作図、円とおうぎ形を学びます。

直線と角

図形の勉強を始める前に、まず「ことば」と「記号」をそろえましょう。2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} を通ってまっすぐ限りなくのびた線を直線 AB\mathrm{AB} といいます。直線のうち、A\mathrm{A} から B\mathrm{B} までの部分を線分 AB\mathrm{AB}A\mathrm{A} を端として B\mathrm{B} の方向に限りなくのびた部分を半直線 AB\mathrm{AB} といいます。「どこまでのびているか」で呼び方が変わることに注意しましょう。

角は、1つの点から出る2つの半直線がつくる図形です。点 B\mathrm{B} から出る半直線 BA\mathrm{BA}BC\mathrm{BC} がつくる角を ABC\angle \mathrm{ABC} と表します。真ん中の文字が角の頂点を表すという約束です。また、三角形 ABC\mathrm{ABC}ABC\triangle \mathrm{ABC} と表します。

垂直と平行の記号

2直線 \ellmm が交わってできる角が直角のとき、\ellmm は垂直であるといい、m\ell \perp m と書きます。このとき一方を他方の垂線といいます。

2直線 \ellmm が交わらないとき、\ellmm は平行であるといい、m\ell \parallel m と書きます。

「距離」ということばにも、はっきりした意味があります。2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} の間の距離とは、線分 AB\mathrm{AB} の長さのことです。点 P\mathrm{P} と直線 \ell の距離とは、P\mathrm{P} から \ell にひいた垂線と \ell との交点を H\mathrm{H} とするときの、線分 PH\mathrm{PH} の長さのことです。垂線を使うのは、P\mathrm{P} から \ell 上の点までひいた線分の中で、垂線がいちばん短いからです。

また、平行な2直線 \ellmm では、\ell 上のどの点から mm にひいた垂線の長さも一定です。この一定の長さを、平行な2直線 \ellmm の距離といいます。

例題 1(距離の意味)

P\mathrm{P} から直線 \ell に垂線をひき、\ell との交点を H\mathrm{H} とします。\ell 上に H\mathrm{H} と異なる点 Q\mathrm{Q} をとるとき、PH\mathrm{PH}PQ\mathrm{PQ} の長さの大小を答えなさい。

解き方

PH<PQ\mathrm{PH} < \mathrm{PQ} です。

P\mathrm{P} から直線 \ell 上の点にひいた線分のうち、垂線 PH\mathrm{PH} がもっとも短くなります。だからこそ、この PH\mathrm{PH} の長さを「点 P\mathrm{P} と直線 \ell の距離」と決めているのです。斜めにひいた線分は、必ず垂線より長くなります。

図形の移動

図形を、形も大きさも変えずに位置だけを変えることを移動といいます。中学1年では、平行移動・回転移動・対称移動の3つの移動を学びます。移動する前の点と、移動した後の点を、対応する点といいます。3つの移動は「対応する点どうしにどんな関係があるか」で見分けるのがコツです。

3つの移動

平行移動 … 図形を一定の方向に一定の長さだけずらす移動。対応する点を結ぶ線分は、すべて平行で長さが等しい。

回転移動 … 図形を1つの点(回転の中心)を中心として一定の角度だけ回す移動。対応する点は回転の中心から等しい距離にあり、対応する点と回転の中心を結んでできる角はすべて等しい。特に 180180^\circ の回転移動を点対称移動という。

対称移動 … 図形を1つの直線(対称の軸)を折り目として折り返す移動。対称の軸は、対応する点を結ぶ線分の垂直二等分線になる。

例題 2(対称移動と対称の軸)

線分 AB\mathrm{AB} を、直線 \ell を対称の軸として対称移動した線分を AB\mathrm{A'B'} とします。直線 \ell と線分 AA\mathrm{AA'} の間には、どんな関係がありますか。

解き方

直線 \ell は、線分 AA\mathrm{AA'} の垂直二等分線になっています。

対称移動は \ell を折り目として折り返す移動なので、折り返したとき点 A\mathrm{A} は点 A\mathrm{A'} にぴったり重なります。重なるためには、AA\mathrm{AA'}\ell と垂直に交わり(AA\mathrm{AA'} \perp \ell)、さらに交点で AA\mathrm{AA'} が2等分されていなければなりません。つまり「\ellAA\mathrm{AA'} の垂直二等分線」です。この性質は、次の節で学ぶ作図でも大活躍します。

移動を組み合わせることもできます。たとえば、平行移動してから対称移動する、対称移動を2回続けて行う、などです。実は、2本の平行な直線について対称移動を2回続けると平行移動と同じ結果に、交わる2直線について対称移動を2回続けると回転移動と同じ結果になります。模様やタイルのしきつめは、こうした移動のくり返しでできています。

基本の作図とその利用

作図とは、定規とコンパスだけを使って図をかくことです。定規は直線をひく道具としてだけ使い、長さを測ることには使いません。コンパスは円をかく道具ですが、「等しい長さを写し取る」道具でもあります。作図の根拠はいつも「コンパスでかいた円の半径はどこでも等しい」という事実です。

垂直二等分線とその性質

線分 AB\mathrm{AB} の中点を通り、AB\mathrm{AB} に垂直な直線を、線分 AB\mathrm{AB} の垂直二等分線といいます。

作図の手順
1. 点 A\mathrm{A} を中心として、線分 AB\mathrm{AB} の半分より大きい半径の円をかく
2. 点 B\mathrm{B} を中心として、同じ半径の円をかく
3. 2つの円の交点を P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} として、直線 PQ\mathrm{PQ} をひく

性質: 垂直二等分線上の点は、2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} から等しい距離にある。逆に、A\mathrm{A}B\mathrm{B} から等しい距離にある点は、すべて垂直二等分線上にある。

なぜこの手順で垂直二等分線がかけるのでしょうか。手順の中の点 P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} は、どちらも A\mathrm{A} からと B\mathrm{B} からの距離が等しい点です(PA=PB\mathrm{PA} = \mathrm{PB}QA=QB\mathrm{QA} = \mathrm{QB}、どれも円の半径だから)。「A\mathrm{A}B\mathrm{B} から等しい距離にある点の集まり」がちょうど垂直二等分線なので、そのような2点 P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} を結べば垂直二等分線になるのです。

角の二等分線とその性質

XOY\angle \mathrm{XOY} を2等分する半直線を、XOY\angle \mathrm{XOY} の二等分線といいます。

作図の手順
1. 頂点 O\mathrm{O} を中心とする円をかき、辺 OX\mathrm{OX}OY\mathrm{OY} との交点を A\mathrm{A}B\mathrm{B} とする
2. A\mathrm{A}B\mathrm{B} をそれぞれ中心として、同じ半径の円をかき、その交点を P\mathrm{P} とする
3. 半直線 OP\mathrm{OP} をひく

性質: 角の二等分線上の点は、角の2辺から等しい距離にある。

例題 3(垂線の作図)

直線 \ell と、\ell 上にない点 P\mathrm{P} があります。P\mathrm{P} を通る \ell の垂線を作図する手順を説明しなさい。

解き方

手順は次のとおりです。

1. 点 P\mathrm{P} を中心として、\ell と2点で交わる円をかき、交点を A\mathrm{A}B\mathrm{B} とする
2. A\mathrm{A}B\mathrm{B} をそれぞれ中心として、等しい半径の円をかき、その交点(P\mathrm{P} と異なる側)を Q\mathrm{Q} とする
3. 直線 PQ\mathrm{PQ} をひく

理由も考えてみましょう。手順1から PA=PB\mathrm{PA} = \mathrm{PB}、手順2から QA=QB\mathrm{QA} = \mathrm{QB} です。つまり P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} も、2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} から等しい距離にある点なので、直線 PQ\mathrm{PQ} は線分 AB\mathrm{AB} の垂直二等分線です。したがって PQ\mathrm{PQ} \perp \ell となり、P\mathrm{P} を通る垂線がかけたことになります。垂線の作図は、じつは垂直二等分線の作図の応用なのです。

作図を使うと、いろいろな条件を満たす点を求められます。たとえば「2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} から等しい距離にある点」は垂直二等分線の上に、「角の2辺から等しい距離にある点」は角の二等分線の上にあります。問題文の条件を「垂直二等分線か、角の二等分線か、垂線か」に翻訳するのが、作図の応用問題を解くカギです。また、9090^\circ の角を作図してその二等分線をひけば 4545^\circ、正三角形を作図すれば 6060^\circ がつくれるように、特別な大きさの角も作図できます。

円とおうぎ形

円は、1つの点 O\mathrm{O}(中心)から等しい距離にある点の集まりです。円周上の2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} を両端とする円周の一部分を弧 AB\mathrm{AB} といい、AB\overset{\frown}{\mathrm{AB}} と書きます。また、2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} を結ぶ線分を弦 AB\mathrm{AB} といいます。弦の中でもっとも長いものが直径です。

円の接線

直線が円とただ1点で交わるとき、この直線を円の接線、交わる点を接点といいます。

円の接線は、接点を通る半径に垂直である。

したがって、円 O\mathrm{O} の周上の点 A\mathrm{A} における接線を作図するには、半直線 OA\mathrm{OA} をひき、点 A\mathrm{A} を通る OA\mathrm{OA} の垂線を作図すればよいのです。

円の弧を2つの半径で切り取った形をおうぎ形といい、2つの半径がつくる角を中心角といいます。半径 rr の円の周の長さは 2πr2\pi r、面積は πr2\pi r^2 です(円周率は文字 π\pi で表します)。おうぎ形は円の一部なので、弧の長さも面積も、円全体のうち「中心角が 360360^\circ のうちの何分のいくつか」という割合で求められます。

おうぎ形の弧の長さと面積

半径 rr、中心角 aa^\circ のおうぎ形の弧の長さ \ell と面積 SS

=2πr×a360\ell = 2\pi r \times \frac{a}{360}
S=πr2×a360S = \pi r^2 \times \frac{a}{360}

また、この2つの式から中心角を消去すると、次の便利な関係が得られます。

S=12rS = \frac{1}{2}\ell r

例題 4(弧の長さと面積)

半径 44 cm、中心角 135135^\circ のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。

解き方

中心角の割合は 135360=38\dfrac{135}{360} = \dfrac{3}{8} です。

弧の長さは

=2π×4×135360=8π×38=3π (cm)\ell = 2\pi \times 4 \times \frac{135}{360} = 8\pi \times \frac{3}{8} = 3\pi \ \text{(cm)}

面積は

S=π×42×135360=16π×38=6π (cm2)S = \pi \times 4^2 \times \frac{135}{360} = 16\pi \times \frac{3}{8} = 6\pi \ \text{(cm}^2\text{)}

検算として S=12rS = \dfrac{1}{2}\ell r を使うと、12×3π×4=6π\dfrac{1}{2} \times 3\pi \times 4 = 6\pi となり、面積の答えと一致します。この検算はとても手軽なので、おうぎ形の問題では毎回行う習慣をつけましょう。

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