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中1数学1

正負の数

マイナスの数の意味から、正負の数の四則計算までを学びます。

正負の数と数直線

「気温が 00 ℃より 33 ℃低い」「海面より 200200 m 低い土地」のように、00 より小さい量を表すには、これまでの数だけでは足りません。そこで、00 より小さい数を 3-3(マイナス3)のように「-」の符号をつけて表します。このような数を負の数といい、00 より大きい数を正の数といいます。正の数は +5+5 のように「++」をつけて表すこともあります。

00 は正の数でも負の数でもない、ちょうど境目の数です。また、整数は「負の整数、00、正の整数(自然数)」の3つに分けられます。

正負の数は、数直線の上に表すと様子がよくわかります。数直線では、00(原点)の右側に正の数、左側に負の数が並び、右にある数ほど大きい数です。

たとえば 5-53-3 より左にあるので、5<3-5 < -3 です。「55 のほうが 33 より大きいから 5-5 のほうが大きい」と考えてしまうミスがとても多いので、迷ったら必ず数直線を思いうかべましょう。

絶対値

数直線の上で、ある数と原点(0)との距離を、その数の絶対値といいます。

+4+4 の絶対値は 444-4 の絶対値も 44 です。絶対値は「距離」なので、符号を取りのぞいた数になります。00 の絶対値は 00 です。

正負の数の大小

1. 正の数は 00 より大きく、負の数は 00 より小さい
2. 正の数どうしでは、絶対値が大きいほど大きい
3. 負の数どうしでは、絶対値が大きいほど小さい(100<1-100 < -1)

例題 1(大小関係)

次の3つの数を、小さい順に並べよ。

3,+2,4.5-3, \quad +2, \quad -4.5

解き方

数直線を思いうかべて、左にあるものから並べます。

負の数どうしの 3-34.5-4.5 では、絶対値が大きい 4.5-4.5 のほうが小さい数です。正の数 +2+2 はどの負の数よりも大きいので、小さい順に

4.5<3<+2-4.5 < -3 < +2

「負の数は絶対値が大きいほど小さい」がポイントです。

加法と減法

正負の数のたし算(加法)は、数直線の上の移動で考えるとしくみがわかります。正の数をたすことは右への移動、負の数をたすことは左への移動です。たとえば (2)+(3)(-2) + (-3) は、2-2 から左へ 33 進むので 5-5 になります。この考え方を整理すると、次のルールにまとまります。

加法のルール

【同符号の2数の和】 絶対値の和に、共通の符号をつける

(2)+(3)=(2+3)=5(-2) + (-3) = -(2 + 3) = -5

【異符号の2数の和】 絶対値の差に、絶対値の大きいほうの符号をつける

(+3)+(7)=(73)=4(+3) + (-7) = -(7 - 3) = -4

ひき算(減法)は、新しく計算方法を覚える必要はありません。ひく数の符号を変えて、加法に直せばよいのです。

(+5)(3)=(+5)+(+3)=+8(+5) - (-3) = (+5) + (+3) = +8

なぜこうしてよいのでしょうか。「3-3 をひく」とは「33 少ない状態との差を求める」ことで、数直線では左へ進む操作の逆、つまり右へ 33 進むことになるからです。「ひくことは、符号を変えてたすことと同じ」と覚えましょう。

加法と減法が混じった式は、すべて加法に直すと、(+7)+(3)+(4)(+7) + (-3) + (-4) のように加法だけの式になります。このとき +7+73-34-4 をこの式の項といいます。かっこと加法の記号を省いて

7347 - 3 - 4

と書き、正の項どうし・負の項どうしをまとめて計算すると速くて確実です。

例題 2(加減の混じった計算)

6+(9)(4)76 + (-9) - (-4) - 7 を計算せよ。

解き方

まず減法を加法に直します。(4)-(-4)+(+4)+(+4)7-7+(7)+(-7) になるので

6+(9)+(+4)+(7)6 + (-9) + (+4) + (-7)

かっこを省いて項を並べると 69+476 - 9 + 4 - 7。正の項と負の項をそれぞれまとめて

(6+4)+(97)=1016=4(6 + 4) + (-9 - 7) = 10 - 16 = -4

項の順番を入れかえても和は変わらない(加法の交換法則)ので、正の項・負の項ごとに集めるのがコツです。

乗法と除法

かけ算(乗法)の符号のルールを考えてみましょう。(+3)×(2)(+3) \times (-2) は「2-233 個集める」ことなので (2)+(2)+(2)=6(-2) + (-2) + (-2) = -6 です。では (3)×(2)(-3) \times (-2) はどうなるでしょうか。3×(2)=63 \times (-2) = -62×(2)=42 \times (-2) = -41×(2)=21 \times (-2) = -20×(2)=00 \times (-2) = 0 と、かける数が 11 減るごとに答えは 22 ずつ増えています。この規則が続くと考えると、(1)×(2)=+2(-1) \times (-2) = +2(2)×(2)=+4(-2) \times (-2) = +4 となり、「負 ×\times 負 = 正」が自然に導かれます。

乗法・除法の符号のルール

同符号の2数の積・商は正、異符号の2数の積・商は負になります。

(+)×(+)=(+),()×()=(+)(+) \times (+) = (+), \quad (-) \times (-) = (+)
(+)×()=(),()×(+)=()(+) \times (-) = (-), \quad (-) \times (+) = (-)

3つ以上の数の積では、負の数が偶数個なら正、奇数個なら負になります。符号を先に決めてから、絶対値の積を計算しましょう。

同じ数をいくつかかけ合わせたものを累乗といい、(3)×(3)(-3) \times (-3)(3)2(-3)^2 と書きます。右上の小さい数(指数)は、かけ合わせた個数を表します。

ここで注意したいのが (3)2(-3)^232-3^2 のちがいです。

(3)2=(3)×(3)=9(-3)^2 = (-3) \times (-3) = 9
32=(3×3)=9-3^2 = -(3 \times 3) = -9

32-3^2 は「323^2- をつけたもの」で、2乗されるのは 33 だけです。かっこがどこまでかかっているかを必ず確認しましょう。

わり算(除法)は、わる数の逆数をかける乗法に直すことができます。逆数とは、かけて 11 になる数のことで、34-\dfrac{3}{4} の逆数は 43-\dfrac{4}{3} です(符号はそのまま、分母と分子を入れかえる)。

(23)÷(49)=(23)×(94)=+32\left(-\frac{2}{3}\right) \div \left(-\frac{4}{9}\right) = \left(-\frac{2}{3}\right) \times \left(-\frac{9}{4}\right) = +\frac{3}{2}

分数のわり算が出てきたら、逆数のかけ算に直すのが基本です。

例題 3(3つ以上の数の積)

(2)×(5)×(3)(-2) \times (-5) \times (-3) を計算せよ。

解き方

負の数が 33 個(奇数個)あるので、答えの符号は負です。

あとは絶対値の積を計算して

2×5×3=302 \times 5 \times 3 = 30

よって

(2)×(5)×(3)=30(-2) \times (-5) \times (-3) = -30

先に符号を決めてしまえば、あとはふつうのかけ算だけです。左から順に符号を追いかけるより速く、ミスも減ります。

四則の混じった計算と正負の数の利用

加減乗除の4つの計算をまとめて四則といいます。四則やかっこ、累乗が混じった式は、計算する順番が決まっています。順番をまちがえると答えが変わってしまうので、次の順序を必ず守りましょう。

  • 1. 累乗・かっこの中を先に計算する

  • 2. 次に乗法・除法を計算する

  • 3. 最後に加法・減法を計算する

例題 4(四則の混じった計算)

8+(3)2×(2)8 + (-3)^2 \times (-2) を計算せよ。

解き方

まず累乗を計算します。(3)2=9(-3)^2 = 9 なので

8+9×(2)8 + 9 \times (-2)

次に乗法を計算します。9×(2)=189 \times (-2) = -18 なので

8+(18)=818=108 + (-18) = 8 - 18 = -10

「左から順に」計算して 8+9=178 + 9 = 17 を先にやってしまうのが典型的なミスです。乗法が加法より先、が鉄則です。

分配法則

かっこの中の和に数をかけるとき、次の分配法則が成り立ちます。

a×(b+c)=a×b+a×ca \times (b + c) = a \times b + a \times c

また、逆向きに使って共通の数をくくり出すこともできます。

a×c+b×c=(a+b)×ca \times c + b \times c = (a + b) \times c

分数が混じった計算や、98×(25)=(1002)×(25)98 \times (-25) = (100 - 2) \times (-25) のような計算を楽にする道具です。

正負の数は、計算のくふうだけでなく、身のまわりの量を表すのにも役立ちます。代表的なのが平均の計算です。基準の値を決めて、それより大きい分を ++、小さい分を - で表すと、

平均=基準の値+基準とのちがいの平均\text{平均} = \text{基準の値} + \text{基準とのちがいの平均}

として求められます。大きな数をそのまま全部たすより、ずっと計算が楽になります。

例題 5(仮の平均)

ある生徒の4回のテストの得点は、7878 点、8585 点、7474 点、8383 点であった。8080 点を基準にして、4回の平均点を求めよ。

解き方

各回の得点の、基準 8080 点とのちがいを正負の数で表すと

2,+5,6,+3-2, \quad +5, \quad -6, \quad +3

このちがいの合計は

(2)+(+5)+(6)+(+3)=0(-2) + (+5) + (-6) + (+3) = 0

ちがいの平均は 0÷4=00 \div 4 = 0 なので、平均点は

80+0=80 点80 + 0 = 80 \ \text{点}

78+85+74+83=32078 + 85 + 74 + 83 = 320320÷4=80320 \div 4 = 80 と直接計算しても同じ答えになりますが、基準とのちがいを使うほうが小さい数の計算ですみます。

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