平行線と角
2つの直線が1点で交わると、交点のまわりに4つの角ができます。このうち、向かい合っている2つの角を対頂角といいます。たとえば、直線 AB と直線 CD が点 O で交わるとき、 と が対頂角の組で、 と ももう1組の対頂角です。
対頂角はいつでも等しくなります。理由を考えてみましょう。C、O、D は一直線上にあるので です。また、A、O、B も一直線上にあるので です。つまり も も、同じ角 を からひいた大きさなので、等しくなるのです。
次に、1つの直線 が2つの直線 、 と交わる場合を考えます。交点はそれぞれ1つずつでき、そのまわりに4つずつ、合計8つの角ができます。
との交点にできる角と との交点にできる角のうち、直線 から見て同じ側・同じ位置にある2つの角を同位角といいます。また、 と にはさまれた部分にあって、直線 について互いに反対側にある2つの角を錯角といいます。
大切なのは、同位角や錯角は「位置関係の名前」だということです。 と が平行でなければ、同位角や錯角が等しいとは限りません。等しくなるのは、2直線が平行なときです。
錯角が等しくなる理由は、同位角と対頂角を組み合わせると説明できます。錯角は、同位角の対頂角の位置にあるからです。「平行ならば同位角が等しい」ことと「対頂角は等しい」ことをつなげると、「平行ならば錯角も等しい」ことがわかります。
また、平行な2直線の間で角が折れ曲がっている問題では、折れ曲がりの点を通って 、 に平行な補助線をひくのが定石です。折れ曲がった角が2つの錯角に分けられて、一気に求めやすくなります。
多角形の内角と外角
「三角形の内角の和は 」は小学校でも学びましたが、平行線の性質を使うと、その理由をきちんと説明できます。
の頂点 A を通って、辺 BC に平行な直線をひいてみましょう。すると、錯角が等しいことから、 と に等しい角が A のまわりに移ってきて、 と合わせてちょうど一直線の角になります。だから、3つの内角の和は なのです。
また、多角形の1つの辺を延長してできる、内角のとなりの角を外角といいます。三角形では、 と「内角と外角の和が 」を組み合わせると、次の便利な性質が得られます。
角形の内角の和は、三角形に分けて考えます。1つの頂点から対角線をひくと、 角形は 個の三角形に分けられます。たとえば五角形なら、1つの頂点から対角線が2本ひけて、3個の三角形に分かれます。三角形1個の内角の和が だから、 角形の内角の和は になります。
一方、外角の和には驚くべき性質があります。どの頂点でも「内角 外角 」なので、 個の頂点全部では和が です。ここから内角の和 をひくと
つまり、外角の和は によらず、どんな多角形でもつねに です。
三角形の合同条件
平面上の2つの図形で、一方を移動して(ずらす・回す・裏返す)他方にぴったり重ね合わせることができるとき、この2つの図形は合同であるといいます。 と が合同であることは、記号 を使って と表します。
このとき大事な約束があります。合同の式は、対応する頂点を同じ順に書くのです。 と書いたら、A と D、B と E、C と F が対応するという意味です。だから、辺 AB に対応するのは辺 DE、 に対応するのは だと、式を見ただけで読み取れます。
では、2つの三角形が合同だと言い切るには、何を確かめればよいのでしょうか。辺3つと角3つの合計6か所を全部調べなくても、実は次の3つの条件のどれか1つが成り立てば、三角形の形と大きさは1つに決まり、合同だと言えます。三角形は3つの辺の長さを決めると形が固まる、とても「かたい」図形だからです。
注意してほしいのは、「2組の辺と、その間にない角が等しい」だけでは合同とは限らないことです。等しい角が2辺の間にあるかどうかで、合同と言えるかどうかが変わります。条件を使うときは、等しいとわかった辺と角の位置関係を必ず図で確かめましょう。
証明のすすめ方
「、 ならば 」のように、数学のことがらは「〇〇ならば△△」の形で表せるものが多くあります。このとき、「ならば」の前の部分、つまり与えられてわかっていることを仮定、「ならば」のあとの部分、つまりこれから示したいことを結論といいます。
証明とは、仮定から出発して、すでに正しいと認められていることがら(対頂角の性質、平行線の性質、合同条件など)を根拠にしながら、結論を導く筋道のことです。答えの数値を出す計算とちがって、「なぜ成り立つのか」を誰が読んでも納得できるように文章で説明します。
まず問題文を読んだら、仮定と結論を分けて書き出しましょう。使ってよいのは仮定と、根拠として認められた性質だけです。結論そのものを理由に使ってはいけません。
証明は、書き方の型を一度身につけてしまえば、あとは「どの2つの三角形に注目するか」「合同条件の3つの材料をどうそろえるか」を考えるパズルです。結論に出てくる辺や角をふくむ三角形を探すことから始めると、方針が立てやすくなります。