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中2数学4

平行と合同

対頂角・同位角・錯角、多角形の角、三角形の合同条件と証明を学びます。

平行線と角

2つの直線が1点で交わると、交点のまわりに4つの角ができます。このうち、向かい合っている2つの角を対頂角といいます。たとえば、直線 AB と直線 CD が点 O で交わるとき、AOC\angle AOCBOD\angle BOD が対頂角の組で、AOD\angle AODBOC\angle BOC ももう1組の対頂角です。

対頂角はいつでも等しくなります。理由を考えてみましょう。C、O、D は一直線上にあるので AOC+AOD=180\angle AOC + \angle AOD = 180^\circ です。また、A、O、B も一直線上にあるので BOD+AOD=180\angle BOD + \angle AOD = 180^\circ です。つまり AOC\angle AOCBOD\angle BOD も、同じ角 AOD\angle AOD180180^\circ からひいた大きさなので、等しくなるのです。

対頂角の性質

対頂角は等しい。

2直線が交わってできる4つの角のうち、向かい合う角どうしはいつでも等しくなります。

次に、1つの直線 nn が2つの直線 llmm と交わる場合を考えます。交点はそれぞれ1つずつでき、そのまわりに4つずつ、合計8つの角ができます。

ll との交点にできる角と mm との交点にできる角のうち、直線 nn から見て同じ側・同じ位置にある2つの角を同位角といいます。また、llmm にはさまれた部分にあって、直線 nn について互いに反対側にある2つの角を錯角といいます。

大切なのは、同位角や錯角は「位置関係の名前」だということです。llmm が平行でなければ、同位角や錯角が等しいとは限りません。等しくなるのは、2直線が平行なときです。

平行線と同位角・錯角

2つの直線に1つの直線が交わるとき

1. 2直線が平行ならば、同位角は等しい
2. 2直線が平行ならば、錯角は等しい

逆に、同位角が等しければ2直線は平行であり、錯角が等しくても2直線は平行です。この「逆」は、2直線が平行であることを示す根拠として証明でよく使います。

錯角が等しくなる理由は、同位角と対頂角を組み合わせると説明できます。錯角は、同位角の対頂角の位置にあるからです。「平行ならば同位角が等しい」ことと「対頂角は等しい」ことをつなげると、「平行ならば錯角も等しい」ことがわかります。

また、平行な2直線の間で角が折れ曲がっている問題では、折れ曲がりの点を通って llmm に平行な補助線をひくのが定石です。折れ曲がった角が2つの錯角に分けられて、一気に求めやすくなります。

例題 1(平行線と角)

平行な2直線 llmm に直線 nn が交わっていて、ll との交点を P、mm との交点を Q とします。P のまわりにできる4つの角のうち、1つの角の大きさが 120120^\circ のとき、Q のまわりにできる4つの角の大きさをすべて求めなさい。

解き方

まず P のまわりの4つの角を整理します。120120^\circ の角のとなりの角は、一直線の角から 180120=60180^\circ - 120^\circ = 60^\circ。対頂角は等しいので、P のまわりの角は 120120^\circ が2つ、6060^\circ が2つです。

ll // mm だから同位角は等しく、Q のまわりの角は P のまわりの角とまったく同じ組になります。

よって、Q のまわりの4つの角は 120120^\circ6060^\circ120120^\circ6060^\circ です。

多角形の内角と外角

「三角形の内角の和は 180180^\circ」は小学校でも学びましたが、平行線の性質を使うと、その理由をきちんと説明できます。

ABC\triangle ABC の頂点 A を通って、辺 BC に平行な直線をひいてみましょう。すると、錯角が等しいことから、B\angle BC\angle C に等しい角が A のまわりに移ってきて、A\angle A と合わせてちょうど一直線の角になります。だから、3つの内角の和は 180180^\circ なのです。

また、多角形の1つの辺を延長してできる、内角のとなりの角を外角といいます。三角形では、A+B+C=180\angle A + \angle B + \angle C = 180^\circ と「内角と外角の和が 180180^\circ」を組み合わせると、次の便利な性質が得られます。

三角形の内角と外角

1. 三角形の内角の和は 180180^\circ である
2. 三角形の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しい

たとえば ABC\triangle ABC で辺 BC を C の方に延長した点を D とすると、ACD=A+B\angle ACD = \angle A + \angle B が成り立ちます。角の計算問題で最もよく使う性質です。

nn 角形の内角の和は、三角形に分けて考えます。1つの頂点から対角線をひくと、nn 角形は (n2)(n-2) 個の三角形に分けられます。たとえば五角形なら、1つの頂点から対角線が2本ひけて、3個の三角形に分かれます。三角形1個の内角の和が 180180^\circ だから、nn 角形の内角の和は 180×(n2)180^\circ \times (n-2) になります。

一方、外角の和には驚くべき性質があります。どの頂点でも「内角 ++ 外角 =180= 180^\circ」なので、nn 個の頂点全部では和が 180×n180^\circ \times n です。ここから内角の和 180×(n2)180^\circ \times (n-2) をひくと

180×n180×(n2)=360180^\circ \times n - 180^\circ \times (n-2) = 360^\circ

つまり、外角の和は nn によらず、どんな多角形でもつねに 360360^\circ です。

多角形の内角と外角

1. nn 角形の内角の和は 180×(n2)180^\circ \times (n-2)
2. 多角形の外角の和は、頂点の数に関係なくつねに 360360^\circ

正多角形の角を求めるときは、外角から攻めるのが近道です。正 nn 角形の1つの外角は 360÷n360^\circ \div n、1つの内角は 180180^\circ からそれをひけば求められます。

例題 2(正五角形の角)

正五角形の1つの内角と1つの外角の大きさを、それぞれ求めなさい。

解き方

外角から求めます。外角の和はどんな多角形でも 360360^\circ で、正五角形では5つの外角がすべて等しいから

360÷5=72360^\circ \div 5 = 72^\circ

内角は、外角ととなり合って一直線の角をつくるので

18072=108180^\circ - 72^\circ = 108^\circ

検算として内角の和からも求めてみると、180×(52)=540180^\circ \times (5-2) = 540^\circ540÷5=108540^\circ \div 5 = 108^\circ で一致します。

三角形の合同条件

平面上の2つの図形で、一方を移動して(ずらす・回す・裏返す)他方にぴったり重ね合わせることができるとき、この2つの図形は合同であるといいます。ABC\triangle ABCDEF\triangle DEF が合同であることは、記号 \equiv を使って ABCDEF\triangle ABC \equiv \triangle DEF と表します。

このとき大事な約束があります。合同の式は、対応する頂点を同じ順に書くのです。ABCDEF\triangle ABC \equiv \triangle DEF と書いたら、A と D、B と E、C と F が対応するという意味です。だから、辺 AB に対応するのは辺 DE、C\angle C に対応するのは F\angle F だと、式を見ただけで読み取れます。

合同な図形の性質

合同な図形では

1. 対応する線分の長さはそれぞれ等しい
2. 対応する角の大きさはそれぞれ等しい

証明の最後で「合同だから対応する辺(角)が等しい」と結論を導くときに、この性質を使います。

では、2つの三角形が合同だと言い切るには、何を確かめればよいのでしょうか。辺3つと角3つの合計6か所を全部調べなくても、実は次の3つの条件のどれか1つが成り立てば、三角形の形と大きさは1つに決まり、合同だと言えます。三角形は3つの辺の長さを決めると形が固まる、とても「かたい」図形だからです。

三角形の合同条件

2つの三角形は、次のどれか1つが成り立てば合同である。

1. 3組の辺がそれぞれ等しい
2. 2組の辺とその間の角がそれぞれ等しい
3. 1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい

「その間の角」「その両端の角」という位置の条件まで含めて、条件の文をそのまま言えるようにしておきましょう。証明ではこの文をそのまま書きます。

注意してほしいのは、「2組の辺と、その間にない角が等しい」だけでは合同とは限らないことです。等しい角が2辺の間にあるかどうかで、合同と言えるかどうかが変わります。条件を使うときは、等しいとわかった辺と角の位置関係を必ず図で確かめましょう。

例題 3(合同条件の判定)

ABC\triangle ABCDEF\triangle DEF について、次のそれぞれの場合に、2つの三角形はつねに合同といえますか。いえる場合は合同条件を答えなさい。
(1) AB=DEAB = DEA=D\angle A = \angle DB=E\angle B = \angle E
(2) AB=DEAB = DEBC=EFBC = EFA=D\angle A = \angle D

解き方

(1) 等しい辺は AB と DE の1組で、等しい2組の角 A\angle AB\angle B は、どちらも辺 AB の両端の角です(D\angle DE\angle E も辺 DE の両端の角)。よって合同といえます。合同条件は「1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しい」です。

(2) 等しい角 A\angle A は、等しい2組の辺 AB と BC の「間の角」ではありません(AB と BC の間の角は B\angle B です)。このような場合、2つの三角形が合同にならない例が実際に作れるので、つねに合同とはいえません。

「どの辺とどの角が等しいか」だけでなく「その位置関係」まで確かめることが、合同条件を使うときのポイントです。

証明のすすめ方

AO=BOAO = BOCO=DOCO = DO ならば AC=BDAC = BD」のように、数学のことがらは「〇〇ならば△△」の形で表せるものが多くあります。このとき、「ならば」の前の部分、つまり与えられてわかっていることを仮定、「ならば」のあとの部分、つまりこれから示したいことを結論といいます。

証明とは、仮定から出発して、すでに正しいと認められていることがら(対頂角の性質、平行線の性質、合同条件など)を根拠にしながら、結論を導く筋道のことです。答えの数値を出す計算とちがって、「なぜ成り立つのか」を誰が読んでも納得できるように文章で説明します。

まず問題文を読んだら、仮定と結論を分けて書き出しましょう。使ってよいのは仮定と、根拠として認められた性質だけです。結論そのものを理由に使ってはいけません。

三角形の合同を使う証明の型

1. 結論の辺(角)をふくむ2つの三角形に注目し、「\triangle〇〇 と \triangle〇〇 において」と書き始める
2. 等しい辺や角を、根拠(仮定・共通・対頂角・平行線の錯角や同位角など)をそえて①、②、③のように挙げる
3. 「①、②、③より、(合同条件)がそれぞれ等しいから \triangle〇〇 \equiv \triangle〇〇」と書く(頂点は対応順に!)
4. 「合同な図形の対応する辺(角)は等しいから」と述べて、結論を導く

根拠として使えるのは、仮定、共通な辺や角、対頂角の性質、平行線と同位角・錯角の性質、三角形の内角・外角の性質、合同条件と合同な図形の性質などです。

例題 4(証明の書き方)

AC=ADAC = ADCAB=DAB\angle CAB = \angle DAB で、点 C と点 D が直線 AB について反対側にある図形があります。このとき、BC=BDBC = BD であることを証明しなさい。

解き方

仮定は AC=ADAC = ADCAB=DAB\angle CAB = \angle DAB、結論は BC=BDBC = BD です。結論の BC と BD をふくむ ABC\triangle ABCABD\triangle ABD の合同を示す方針を立てます。

【証明】
ABC\triangle ABCABD\triangle ABD において、

仮定より AC=ADAC = AD …①

仮定より CAB=DAB\angle CAB = \angle DAB …②

AB は共通 …③

①、②、③より、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいから

ABCABD\triangle ABC \equiv \triangle ABD

合同な図形の対応する辺は等しいから BC=BDBC = BD (証明終)

等しいとわかったことがら1つ1つに、「仮定より」「共通」のような根拠を必ずそえるのが証明の書き方の基本です。

証明は、書き方の型を一度身につけてしまえば、あとは「どの2つの三角形に注目するか」「合同条件の3つの材料をどうそろえるか」を考えるパズルです。結論に出てくる辺や角をふくむ三角形を探すことから始めると、方針が立てやすくなります。

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