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中2数学5

三角形と四角形

二等辺三角形・直角三角形の性質、平行四辺形の性質と証明を学びます。

二等辺三角形

2つの辺が等しい三角形を二等辺三角形といいます。これが二等辺三角形の「定義」です。定義とは、言葉の意味をはっきり決めた文のことで、証明のスタート地点になります。二等辺三角形で、等しい2辺の間の角を頂角、頂角に向かい合う辺を底辺、底辺の両端の角を底角といいます。

二等辺三角形の定理

1. 二等辺三角形の2つの底角は等しい。

2. 二等辺三角形の頂角の二等分線は、底辺を垂直に2等分する。

なぜ底角が等しくなるのか、証明で確かめてみましょう。AB=ACAB = AC の二等辺三角形 ABCABC で、A\angle A の二等分線と辺 BCBC との交点を DD とします。ABD\triangle ABDACD\triangle ACD において、仮定から AB=ACAB = ACBAD=CAD\angle BAD = \angle CAD、また ADAD は共通です。2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので ABDACD\triangle ABD \equiv \triangle ACD となり、対応する角として B=C\angle B = \angle C がいえます。さらに BD=CDBD = CDADB=ADC=90\angle ADB = \angle ADC = 90^\circ もいえるので、定理2も同時に証明できたことになります。

「ならば」でつながれた文の、仮定と結論を入れかえたものを「逆」といいます。たとえば「二等辺三角形ならば2つの角が等しい」の逆は「2つの角が等しい三角形ならば二等辺三角形」で、これは正しいことが証明できます。ただし、逆はいつでも正しいとは限りません。たとえば「x=2x = 2 ならば x2=4x^2 = 4」は正しいですが、逆の「x2=4x^2 = 4 ならば x=2x = 2」は x=2x = -2 という反例があるので正しくありません。あることがらが正しくないことを示すには、反例を1つあげれば十分です。

例題 1(2つの角が等しい三角形)

ABC\triangle ABCB=C\angle B = \angle C ならば AB=ACAB = AC であることを証明せよ。

解き方

【証明】 A\angle A の二等分線と辺 BCBC との交点を DD とする。

ABD\triangle ABDACD\triangle ACD において、

仮定より ABD=ACD\angle ABD = \angle ACD …①

ADADA\angle A の二等分線だから BAD=CAD\angle BAD = \angle CAD …②

三角形の内角の和は 180180^\circ だから、①、②より残りの角も等しく ADB=ADC\angle ADB = \angle ADC …③

また、ADAD は共通 …④

②、③、④より、1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので

ABDACD\triangle ABD \equiv \triangle ACD

合同な図形の対応する辺は等しいから AB=ACAB = AC 【証明終】

つまり「2つの角が等しい三角形は、二等辺三角形である」がいえます。角度の計算問題では、この定理と底角の定理を行き来しながら使います。

正三角形

3つの辺がすべて等しい三角形を正三角形といいます(定義)。正三角形は二等辺三角形の特別な場合なので、二等辺三角形の性質をすべてもち、さらに3つの角はすべて等しく 6060^\circ になります。逆に、3つの角が等しい三角形は正三角形です。

直角三角形の合同条件

直角三角形で、直角に向かい合う辺を斜辺といいます。直角三角形どうしの合同を示すときは、三角形の合同条件(3辺 / 2辺とその間の角 / 1辺とその両端の角)に加えて、直角三角形だけで使える特別な合同条件があります。

直角三角形の合同条件

2つの直角三角形は、次のどちらかが成り立てば合同である。

1. 斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しい。

2. 斜辺と他の1辺がそれぞれ等しい。

なぜこれで合同がいえるのでしょうか。条件1では、直角と1つの鋭角が等しければ、内角の和が 180180^\circ であることから残りの鋭角も等しくなります。すると「1組の辺(斜辺)とその両端の角がそれぞれ等しい」がいえるので合同です。

条件2では、2つの直角三角形の等しい辺どうしをぴったり重ねて背中合わせに置くと、斜辺が等しいことから全体が二等辺三角形になります。二等辺三角形の底角は等しいので鋭角が等しいことがわかり、条件1に帰着して合同がいえます。「直角三角形なら、間の角でなくても2辺の情報で合同がいえる」のがポイントです。

例題 2(角の二等分線の性質)

XOY\angle XOY の二等分線上の点 PP から、半直線 OXOXOYOY に垂線 PAPAPBPB をひく(AAOXOX 上、BBOYOY 上の点)。このとき PA=PBPA = PB であることを証明せよ。

解き方

【証明】 OAP\triangle OAPOBP\triangle OBP において、

仮定より OAP=OBP=90\angle OAP = \angle OBP = 90^\circ …①

OPOPXOY\angle XOY の二等分線だから AOP=BOP\angle AOP = \angle BOP …②

OPOP は共通 …③

①、②、③より、直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいので

OAPOBP\triangle OAP \equiv \triangle OBP

合同な図形の対応する辺は等しいから PA=PBPA = PB 【証明終】

この結果は「角の二等分線上の点は、角の2辺から等しい距離にある」という重要な性質で、逆も成り立ちます(こちらは条件2「斜辺と他の1辺」で証明できます)。

平行四辺形の性質と条件

2組の対辺(向かい合う辺)がそれぞれ平行な四角形を平行四辺形といいます。これが定義です。四角形 ABCDABCD が平行四辺形であることを、記号で ABCD\square ABCD と書くことがあります。定義から出発すると、次の3つの性質(定理)が証明できます。

平行四辺形の性質

1. 2組の対辺はそれぞれ等しい。

2. 2組の対角はそれぞれ等しい。

3. 対角線はそれぞれの中点で交わる。

性質1を証明してみましょう。平行四辺形 ABCDABCD に対角線 ACAC をひきます。ABC\triangle ABCCDA\triangle CDA において、ABDCAB \parallel DC より錯角が等しいので BAC=DCA\angle BAC = \angle DCAADBCAD \parallel BC より錯角が等しいので BCA=DAC\angle BCA = \angle DAC、そして ACAC は共通です。1組の辺とその両端の角がそれぞれ等しいので ABCCDA\triangle ABC \equiv \triangle CDA となり、AB=CDAB = CDBC=DABC = DA がいえます。「対角線をひいて三角形の合同にもちこむ」のが四角形の証明の基本作戦です。

隣り合う内角については、ADBCAD \parallel BC より同側内角(となり合う角)の和が 180180^\circ になるので、たとえば A+B=180\angle A + \angle B = 180^\circ が成り立ちます。角度の計算でよく使います。

平行四辺形になるための条件

四角形は、次のどれか1つが成り立てば平行四辺形である。

1. 2組の対辺がそれぞれ平行である(定義)。

2. 2組の対辺がそれぞれ等しい。

3. 2組の対角がそれぞれ等しい。

4. 対角線がそれぞれの中点で交わる。

5. 1組の対辺が平行で、その長さが等しい。

例題 3(平行四辺形になることの証明)

平行四辺形 ABCDABCD の対角線の交点を OO とし、対角線 ACAC 上に AE=CFAE = CF となる点 EEFF をとる(EEAAOO の間、FFOOCC の間)。このとき四角形 EBFDEBFD は平行四辺形であることを証明せよ。

解き方

【証明】 平行四辺形の対角線はそれぞれの中点で交わるから

OA=OCOA = OC …①、 OB=ODOB = OD …②

仮定より AE=CFAE = CF …③

①、③より OE=OAAE=OCCF=OFOE = OA - AE = OC - CF = OF …④

②、④より、四角形 EBFDEBFD は対角線 EFEFBDBD がそれぞれの中点 OO で交わるから、平行四辺形である。 【証明終】

平行四辺形になることを示すときは、5つの条件のうちどれを目指すかを最初に決めます。この問題では対角線の交点 OO が登場しているので、条件4「対角線がそれぞれの中点で交わる」を目指すのが自然です。

特別な平行四辺形と、平行線と面積

平行四辺形の仲間には、特別な形が3つあります。4つの角がすべて等しい四角形を長方形、4つの辺がすべて等しい四角形をひし形、4つの角がすべて等しく4つの辺もすべて等しい四角形を正方形といいます(いずれも定義)。どれも「2組の対辺がそれぞれ等しい」などの条件を満たすので、平行四辺形の性質をすべてもっています。そのうえで、対角線に次の特徴が加わります。

対角線の性質

長方形の対角線は、長さが等しい。

ひし形の対角線は、垂直に交わる。

正方形の対角線は、長さが等しく、垂直に交わる。

(どの対角線も、平行四辺形なので「それぞれの中点で交わる」性質はもっています)

たとえば長方形 ABCDABCD で対角線の長さが等しいことは、ABC\triangle ABCDCB\triangle DCB において AB=DCAB = DC(平行四辺形の対辺)、ABC=DCB=90\angle ABC = \angle DCB = 90^\circBCBC が共通であることから、2組の辺とその間の角がそれぞれ等しいので ABCDCB\triangle ABC \equiv \triangle DCB、よって AC=DBAC = DB と証明できます。逆に、平行四辺形に「対角線の長さが等しい」を付け加えると長方形に、「対角線が垂直に交わる」を付け加えるとひし形になります。

次に、平行線と面積の関係を学びます。三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」で決まるので、底辺が共通なら、高さが等しい三角形どうしは面積が等しくなります。

平行線と面積(等積変形)

直線 ADAD と直線 BCBC が平行のとき、ABC\triangle ABCDBC\triangle DBC は、底辺 BCBC が共通で高さ(平行線間の距離)が等しいから

ABC=DBC\triangle ABC = \triangle DBC

つまり、頂点を底辺と平行な直線にそって動かしても、三角形の面積は変わりません。これを利用して図形の形を変えることを等積変形といいます。

例題 4(台形の対角線と面積)

ADBCAD \parallel BC の台形 ABCDABCD の対角線 ACACBDBD の交点を OO とするとき、ABO\triangle ABODCO\triangle DCO の面積が等しいことを説明せよ。

解き方

ABC\triangle ABCDBC\triangle DBC は、底辺 BCBC が共通で、ADBCAD \parallel BC より高さが等しいから

ABC=DBC\triangle ABC = \triangle DBC

両方の三角形から、共通部分の OBC\triangle OBC を取り除くと

ABO=ABCOBC=DBCOBC=DCO\triangle ABO = \triangle ABC - \triangle OBC = \triangle DBC - \triangle OBC = \triangle DCO

よって ABO=DCO\triangle ABO = \triangle DCO です。

「等しい面積から共通部分を引いても等しい」という考え方は、面積の問題の決まり手です。図の中に平行線を見つけたら、まず面積の等しい三角形の組を探しましょう。

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