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中3数学6

円周角の定理とその逆、円の性質を使った証明や計算を学びます。

円周角の定理

円周上に2点 A\mathrm{A}B\mathrm{B} をとると、円周は2つの部分に分かれます。この部分を弧といい、弧 AB\mathrm{AB} と書きます。また、円の中心 O\mathrm{O}A\mathrm{A}B\mathrm{B} を結んでできる AOB\angle \mathrm{AOB} を、弧 AB\mathrm{AB} に対する中心角といいます。

さらに、弧 AB\mathrm{AB} を除いた円周上に点 P\mathrm{P} をとるとき、APB\angle \mathrm{APB} を、弧 AB\mathrm{AB} に対する円周角といいます。円周角には、次のとても重要な性質があります。

円周角の定理

1つの弧に対する円周角の大きさは、その弧に対する中心角の大きさの半分である。

APB=12AOB\angle \mathrm{APB} = \frac{1}{2} \angle \mathrm{AOB}

また、同じ弧に対する円周角の大きさはすべて等しい。

なぜ半分になるのでしょうか。いちばん考えやすいのは、点 P\mathrm{P} と中心 O\mathrm{O} を通る直線をひいた場合です。OP=OA\mathrm{OP} = \mathrm{OA}(どちらも半径)なので、三角形 OPA\mathrm{OPA} は二等辺三角形になり、OPA=OAP\angle \mathrm{OPA} = \angle \mathrm{OAP} です。

三角形の外角は、それととなり合わない2つの内角の和に等しいので、直線 PO\mathrm{PO} が円と交わる点の側にできる AOB\angle \mathrm{AOB} の一部は、OPA\angle \mathrm{OPA} のちょうど2倍になります。B\mathrm{B} 側でも同じことがいえるので、中心角全体が円周角の2倍、つまり円周角は中心角の半分になるのです。

そして、どの位置に点 P\mathrm{P} をとっても「中心角の半分」であることは変わらないので、同じ弧に対する円周角はどれも等しくなります。この「点を動かしても角が変わらない」という性質が、円の問題を解く最大の武器になります。

例題 1(中心角と円周角)

O\mathrm{O} の円周上に3点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}P\mathrm{P} があり、点 P\mathrm{P} は弧 AB\mathrm{AB} を除く円周上にある。弧 AB\mathrm{AB} に対する中心角が AOB=96\angle \mathrm{AOB} = 96^\circ のとき、円周角 APB\angle \mathrm{APB} の大きさを求めよ。

解き方

円周角の定理より、円周角は中心角の半分なので

APB=12×96=48\angle \mathrm{APB} = \frac{1}{2} \times 96^\circ = 48^\circ

P\mathrm{P} が弧 AB\mathrm{AB} を除く円周上のどこにあっても、答えは 4848^\circ で変わりません。

例題 2(同じ弧に対する円周角)

円周上に4点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}C\mathrm{C}D\mathrm{D} がこの順にある。ACB=32\angle \mathrm{ACB} = 32^\circ のとき、ADB\angle \mathrm{ADB} の大きさを求めよ。

解き方

ACB\angle \mathrm{ACB}ADB\angle \mathrm{ADB} は、どちらも弧 AB\mathrm{AB}(C\mathrm{C}D\mathrm{D} を含まない側の弧)に対する円周角です。同じ弧に対する円周角は等しいので

ADB=ACB=32\angle \mathrm{ADB} = \angle \mathrm{ACB} = 32^\circ

「2つの角が、円周上のどの弧を見込んでいるか」を確認するのがポイントです。角の頂点ではなく、角の両側の端の点(A\mathrm{A}B\mathrm{B})が作る弧に注目しましょう。

円周角の定理の利用

円周角の定理から、特に大切な2つの性質が導かれます。1つ目は、直径に対する円周角です。線分 AB\mathrm{AB} が円の直径のとき、弧 AB\mathrm{AB}(半円の弧)に対する中心角は 180180^\circ です。だから、その円周角はちょうど半分の 9090^\circ になります。

直径と円周角

線分 AB\mathrm{AB} が円の直径ならば、円周上の点 P\mathrm{P}(A\mathrm{A}B\mathrm{B} を除く)に対して

APB=90\angle \mathrm{APB} = 90^\circ

逆に、APB=90\angle \mathrm{APB} = 90^\circ ならば、線分 AB\mathrm{AB} は点 P\mathrm{P} を通る円の直径である。

例題 3(直径と円周角)

線分 AB\mathrm{AB} を直径とする円の円周上に、A\mathrm{A}B\mathrm{B} と異なる点 C\mathrm{C} がある。BAC=37\angle \mathrm{BAC} = 37^\circ のとき、ABC\angle \mathrm{ABC} の大きさを求めよ。

解き方

AB\mathrm{AB} は直径なので、直径に対する円周角より

ACB=90\angle \mathrm{ACB} = 90^\circ

三角形 ABC\mathrm{ABC} の内角の和は 180180^\circ だから

ABC=1809037=53\angle \mathrm{ABC} = 180^\circ - 90^\circ - 37^\circ = 53^\circ

「直径」という言葉を見たら、まず円周角 9090^\circ の直角をさがす、と覚えておきましょう。

2つ目は、弧の長さと円周角の関係です。中心角の大きさは弧の長さに比例します。円周角は中心角の半分なので、円周角の大きさも弧の長さに比例します。

弧と円周角

1つの円で、

・等しい弧に対する円周角は等しい

・円周角の大きさは、弧の長さに比例する

たとえば、弧の長さが2倍になれば、その弧に対する円周角も2倍になる。

例題 4(弧の長さと円周角)

円周上に3点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}P\mathrm{P} があり、点 P\mathrm{P} を含まない側の弧 AB\mathrm{AB} の長さは、円周全体の 16\dfrac{1}{6} である。円周角 APB\angle \mathrm{APB} の大きさを求めよ。

解き方

円周全体に対する中心角は 360360^\circ です。弧 AB\mathrm{AB} は円周の 16\dfrac{1}{6} なので、中心角は弧の長さに比例することから、弧 AB\mathrm{AB} に対する中心角は

360×16=60360^\circ \times \frac{1}{6} = 60^\circ

円周角はその半分なので

APB=12×60=30\angle \mathrm{APB} = \frac{1}{2} \times 60^\circ = 30^\circ

「弧の割合 → 中心角 → 円周角」と順にたどれば、確実に求められます。

円周角の定理の逆

円周角の定理は「円周上の点なら、同じ弧に対する円周角は等しい」という主張でした。では逆に、「等しい角が見えたら、その点は同じ円周上にある」といえるでしょうか。実は、条件をきちんとつければ、これが成り立ちます。これを円周角の定理の逆といい、4つの点が1つの円周上にある(同一円周上にある)ことを示すときに使います。

円周角の定理の逆

4点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} について、P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} が直線 AB\mathrm{AB} について同じ側にあり、

APB=AQB\angle \mathrm{APB} = \angle \mathrm{AQB}

ならば、4点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} は同一円周上にある。

なぜ成り立つのかを考えてみましょう。3点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}P\mathrm{P} を通る円をかいたとき、点 Q\mathrm{Q} の位置は「円周上」「円の内部」「円の外部」の3通りしかありません。Q\mathrm{Q} が円の内部にあると、AQB\angle \mathrm{AQB} は円周角 APB\angle \mathrm{APB} より大きくなり、外部にあると小さくなります(線分 AB\mathrm{AB} に近づくほど、AB\mathrm{AB} を見込む角は大きくなるからです)。角が等しくなるのは、Q\mathrm{Q} が円周上にあるときだけ。だから、角が等しければ同一円周上にあるといえるのです。

P\mathrm{P}Q\mathrm{Q} が直線 AB\mathrm{AB} について同じ側にある」という条件を忘れないでください。反対側にある場合は、角が等しくても同じ円周上にあるとは限りません。

例題 5(同一円周上にあることの利用)

四角形 ABCD\mathrm{ABCD} で、対角線 AC\mathrm{AC}BD\mathrm{BD} をひいたところ、BAC=BDC=46\angle \mathrm{BAC} = \angle \mathrm{BDC} = 46^\circ であった。このとき ABD\angle \mathrm{ABD} と大きさの等しい角を、頂点 C\mathrm{C} を頂点とする角の中から1つ答えよ。

解き方

A\mathrm{A} と点 D\mathrm{D} は、四角形の頂点の並びから、直線 BC\mathrm{BC} について同じ側にあります。そして、どちらの点からも線分 BC\mathrm{BC} を見込む角が等しく

BAC=BDC=46\angle \mathrm{BAC} = \angle \mathrm{BDC} = 46^\circ

なので、円周角の定理の逆より、4点 A\mathrm{A}B\mathrm{B}C\mathrm{C}D\mathrm{D} は同一円周上にあります。

すると今度は円周角の定理が使えて、ABD\angle \mathrm{ABD}ACD\angle \mathrm{ACD} はどちらも弧 AD\mathrm{AD}(B\mathrm{B}C\mathrm{C} を含まない側)に対する円周角なので

ABD=ACD\angle \mathrm{ABD} = \angle \mathrm{ACD}

答えは ACD\angle \mathrm{ACD} です。「逆で円を見つけ、定理で角を移す」という2段構えが、この単元の代表的な流れです。

円と相似・円の接線

円周角の定理は、相似の証明と組み合わせると大きな力を発揮します。円の中で2本の弦(円周上の2点を結ぶ線分)が交わる図では、同じ弧に対する円周角が等しいことから、相似な三角形のペアが見つかります。

例題 6(円と相似)

円周上に4点 A\mathrm{A}C\mathrm{C}B\mathrm{B}D\mathrm{D} がこの順にあり、弦 AB\mathrm{AB} と弦 CD\mathrm{CD} は円の内部の点 P\mathrm{P} で交わっている。このとき、APCDPB\triangle \mathrm{APC} \sim \triangle \mathrm{DPB} であることを証明せよ。

解き方

APC\triangle \mathrm{APC}DPB\triangle \mathrm{DPB} において、

対頂角は等しいので

APC=DPB\angle \mathrm{APC} = \angle \mathrm{DPB}

CB\mathrm{CB}(A\mathrm{A}D\mathrm{D} を含まない側)に対する円周角は等しいので

CAP=BDP\angle \mathrm{CAP} = \angle \mathrm{BDP}

2組の角がそれぞれ等しいので

APCDPB\triangle \mathrm{APC} \sim \triangle \mathrm{DPB}

この相似から PA:PD=PC:PB\mathrm{PA} : \mathrm{PD} = \mathrm{PC} : \mathrm{PB}、つまり PA×PB=PC×PD\mathrm{PA} \times \mathrm{PB} = \mathrm{PC} \times \mathrm{PD} が成り立ちます。円の中で弦が交わる問題では、この形の相似を思い出しましょう。

最後に、円の接線の性質を確認します。円と1点だけを共有する直線を円の接線といい、共有する点を接点といいます。

円の接線の性質

・円の接線は、接点を通る半径に垂直である

・円の外部の点から、その円にひいた2本の接線の長さ(外部の点から接点までの距離)は等しい

2本の接線の長さが等しい理由も、きちんと説明できます。円 O\mathrm{O} の外部の点 P\mathrm{P} から2本の接線をひき、接点を A\mathrm{A}B\mathrm{B} とします。OAP\triangle \mathrm{OAP}OBP\triangle \mathrm{OBP} において、OAP=OBP=90\angle \mathrm{OAP} = \angle \mathrm{OBP} = 90^\circ(接線は半径に垂直)、OA=OB\mathrm{OA} = \mathrm{OB}(半径)、OP\mathrm{OP} は共通。直角三角形で、斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいので OAPOBP\triangle \mathrm{OAP} \equiv \triangle \mathrm{OBP} となり、PA=PB\mathrm{PA} = \mathrm{PB} がいえます。

この合同から、APO=BPO\angle \mathrm{APO} = \angle \mathrm{BPO} もいえるので、直線 PO\mathrm{PO}APB\angle \mathrm{APB} を2等分します。接線が2本出てくる問題では、この直角と合同の組み合わせが決め手になります。

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