中3数学 標本調査
答えと解説
答えが合っていても、解説を読んで「なぜそう解くのか」まで確認すると力がつきます。 解説を読んでもわからないときは、AIに質問してみましょう。
次の調査は、全数調査と標本調査のどちらですか。
(1) 国勢調査
(2) 電池の寿命の検査
(3) 学校で行う健康診断
(4) テレビ番組の視聴率の調査
答え
(1) 全数調査
(2) 標本調査
(3) 全数調査
(4) 標本調査
解説
判断の基準は「全部を調べる必要があるか」「全部を調べることが可能か」の2つです。
(1) 国勢調査は、国内に住むすべての人と世帯を対象に行う調査なので全数調査です。
(2) 電池の寿命は、調べると電池を使い切ってしまいます。全部を調べると売る電池がなくなるので標本調査です。
(3) 健康診断は、生徒一人ひとりの健康状態を知ることが目的なので、全員を調べる全数調査です。
(4) 視聴率は、すべての家庭を調べるのは費用と時間がかかりすぎるので、一部の家庭を選んで調べる標本調査です。
「調べるとこわれる(なくなる)もの」と「対象が多すぎるもの」は標本調査、と覚えておくと迷いません。
ある中学校の全生徒600人の通学時間を調べるために、無作為に選んだ50人にアンケートをとりました。この調査の母集団、標本をそれぞれ答えなさい。また、標本の大きさを答えなさい。
答え
母集団 … 全生徒600人
標本 … 無作為に選ばれた生徒50人
標本の大きさ … 50
解説
用語の意味を確認しましょう。
・母集団は「調査の対象となるもとの集団全体」なので、この学校の全生徒600人です。
・標本は「母集団から取り出された一部分」なので、選ばれた50人の生徒です。
・標本の大きさは「標本にふくまれる人数(個数)」なので50です。
「標本の大きさ」を600と答えてしまうミスがよくあります。標本の大きさは、取り出した側の数であることに注意しましょう。
袋の中に、白と黒の碁石が合わせて300個入っています。この袋から無作為に30個取り出したところ、黒い碁石が12個ありました。袋の中の黒い碁石はおよそ何個と考えられますか。
答え
およそ120個
解説
標本での割合と母集団での割合が等しいとみなして推定します。
標本30個のうち黒は12個なので、標本での黒い碁石の割合は
袋の中(母集団)でも黒い碁石の割合は 52 とみなせるので、黒い碁石の数は
よって、およそ120個と考えられます。
検算として、300個中120個の割合は 300120=52 となり、標本の割合 3012=52 と一致します。推定の問題は、答えの割合が標本の割合と一致するかを確かめると安心です。
ある工場で作った製品1000個の中から無作為に50個選んで検査したところ、不良品が2個ありました。この1000個の中の不良品はおよそ何個と考えられますか。
答え
およそ40個
解説
標本での不良品の割合を求めます。
母集団(1000個)でも不良品の割合は 251 とみなせるので、不良品の数は
よって、およそ40個と考えられます。
検算: 100040=251=502 で、標本の割合と一致します。
比例式で書くと x:1000=2:50 となり、50x=2000 から x=40 と求めることもできます。どちらの方法でも同じ答えになります。
ある中学校の全校生徒420人の中から40人を選んで、読書に関するアンケートをとります。標本の選び方として最も適切なものを、次のア〜ウから1つ選びなさい。
ア 3年生の中からくじ引きで40人を選ぶ。
イ 昼休みに図書室にいた生徒40人を選ぶ。
ウ 全校生徒に番号をつけ、乱数を使って40人を選ぶ。
答え
ウ
解説
標本調査では、母集団のどの人も同じ確率で選ばれるように、無作為に抽出しなければなりません。
ア は3年生だけが対象になっていて、1・2年生が選ばれる可能性がありません。学年によって読書の傾向がちがうかもしれないので、標本にかたよりが出ます。
イ は図書室にいた生徒だけが対象です。図書室を利用する生徒は本が好きな人が多いと考えられるので、読書のアンケートでは特に大きなかたよりが出ます。
ウ は全校生徒の全員に選ばれるチャンスがあり、乱数によって偶然だけで選ばれるので、無作為抽出といえます。
よって答えはウです。「調べたい内容と関係のある場所・集団で標本をとると、かたよる」という点に注意しましょう。
ある中学校の全生徒480人の中から無作為に60人を選んで通学時間を調べたところ、通学時間が30分以上の生徒は21人でした。この中学校全体で、通学時間が30分以上の生徒はおよそ何人と考えられますか。
答え
およそ168人
解説
標本での「通学時間30分以上」の割合を求めます。
全校生徒(母集団)でもこの割合は 207 とみなせるので、30分以上の生徒の数は
よって、およそ168人と考えられます。
検算: 480168=207=0.35、標本でも 6021=0.35 で一致します。
比例式では x:480=21:60 から 60x=480×21=10080、x=168 となります。約分してから計算すると、数が小さくなってミスが減ります。
ある池の魚の総数を調べるために、魚を50匹つかまえて全部に印をつけ、池にもどしました。数日後、無作為に40匹つかまえたところ、印のついた魚が5匹いました。池の魚の総数はおよそ何匹と考えられますか。
答え
およそ400匹
解説
池の魚の総数を x 匹とします。印のついた魚は池全体に50匹いるので、池全体での印のついた魚の割合は x50 です。
一方、標本では40匹中5匹に印がついていたので、標本での割合は 405=81 です。
この2つの割合が等しいとみなすと
両辺に 8x を掛けて
よって、池の魚の総数はおよそ400匹と考えられます。
検算: 総数400匹のうち印つきが50匹なら、その割合は 40050=81 で、標本の割合 405=81 と一致します。
この「印をつけてもどし、もう一度つかまえる」方法は、数えきれない生き物の総数を推定する定番の方法です。求めるものが「母集団の総数」であることに注意して式を立てましょう。
ある農園でとれたみかん2000個の中から無作為に10個取り出して重さを量ったところ、次のようになりました。
92, 88, 95, 90, 85, 93, 89, 91, 94, 83 (単位は g)
この農園でとれたみかん2000個全体の重さの合計はおよそ何 kg と考えられますか。
答え
およそ180 kg
解説
まず標本平均(標本の平均値)を求めます。10個の重さの合計は
なので、標本平均は
標本を無作為に抽出しているので、みかん全体の平均の重さも 90 g に近いとみなせます。よって、2000個全体の重さの合計は
1000 g =1 kg なので、180000 g =180 kg。よって、およそ 180 kg と考えられます。
足し算の検算は、前半5個 92+88+95+90+85=450、後半5個 93+89+91+94+83=450 のように分けて計算し直すと確実です。また、単位を g のまま答えないよう、問題文の単位(kg)を最後に確認しましょう。
ある市の中学生12000人の中から無作為に400人を選んでアンケートをとったところ、「朝食を毎日食べる」と答えた生徒は328人でした。この市の中学生全体で、朝食を毎日食べる生徒はおよそ何人と考えられますか。
答え
およそ9840人
解説
標本での「朝食を毎日食べる」生徒の割合を求めます。
母集団(12000人)でもこの割合は等しいとみなせるので
よって、およそ9840人と考えられます。
検算: 120009840=0.82 となり、標本の割合 400328=0.82 と一致します。
12000×0.82=9840 と小数で計算しても同じ答えになります。分数と小数、計算しやすい方を選びましょう。ただし割り切れない小数になるときは、分数のまま計算する方が正確です。
1500ページある国語辞典に載っている見出し語の総数を推定するために、無作為に10ページを選んで見出し語の数を数えたところ、次のようになりました。
16, 20, 17, 19, 18, 21, 15, 18, 19, 17 (単位は語)
この辞典に載っている見出し語の総数はおよそ何語と考えられますか。
答え
およそ27000語
解説
まず、1ページあたりの見出し語の数の標本平均を求めます。10ページ分の合計は
なので、標本平均は
辞典全体でも1ページあたりの見出し語の数は平均18語に近いとみなせるので、見出し語の総数は
よって、およそ27000語と考えられます。
足し算の検算は、前半5個 16+20+17+19+18=90、後半5個 21+15+18+19+17=90、合計 180 と分けて確かめられます。「一部の平均 × 全体の数」で総数を見積もる、標本平均の典型的な使い方です。
ある中学校で「全校生徒の1日あたりの読書時間」を推定するために、昼休みに図書室にいた生徒50人に読書時間を聞き、その平均値を全校生徒の平均値としました。この調査方法は適切ですか。適切でない場合は、その理由と改善方法を説明しなさい。
答え
適切でない。図書室にいる生徒は読書時間が長い傾向があると考えられ、標本にかたよりがあるから。全校生徒に番号をつけて乱数などで無作為に標本を選び直すべきである。
解説
標本調査で正しい推定ができるのは、標本が母集団(全校生徒)から無作為に抽出されているときだけです。
この調査の標本は「昼休みに図書室にいた生徒」です。図書室を利用する生徒は、本が好きで読書時間が長い人が多いと考えられます。つまり、この標本は母集団の縮図になっておらず、読書時間が長い方にかたよっています。
このまま平均を計算すると、全校生徒の実際の平均読書時間より長い値が出てしまい、推定として不適切です。
改善方法としては、全校生徒に番号をつけ、乱数さいやコンピュータの乱数を使って50人を選ぶなど、どの生徒も同じ確率で選ばれる方法にすることが必要です。
「標本の大きさが50人と十分でも、選び方がかたよっていれば正しく推定できない」という点が、この問題の最大のポイントです。
袋の中に白い碁石だけがたくさん入っていますが、その数はわかりません。そこで、同じ大きさの黒い碁石100個をこの袋に入れてよくかき混ぜ、無作為に60個取り出したところ、黒い碁石が15個ふくまれていました。はじめに袋に入っていた白い碁石はおよそ何個と考えられますか。
答え
およそ300個
解説
黒い碁石を入れたあとの袋の中の碁石の総数を x 個とします。袋全体での黒い碁石の割合は x100、標本での黒い碁石の割合は
この2つが等しいとみなすと
両辺に 4x を掛けて
つまり、袋の中の碁石は全部でおよそ400個です。ここから、あとで入れた黒い碁石100個をひくと、はじめに入っていた白い碁石の数は
よって、およそ300個と考えられます。
検算: 白300個に黒100個を入れると総数400個で、黒の割合は 400100=41。標本の割合 6015=41 と一致します。
この問題で求めるのは総数400個ではなく「白い碁石の数」です。最後に100をひくのを忘れないこと、これがいちばん多いミスです。問題文の「何を問われているか」を最後にもう一度読み返しましょう。
ある池の魚の総数を調べるために、何匹かの魚をつかまえて印をつけ、池にもどしました。数日後、無作為に100匹つかまえたところ、印のついた魚が8匹いました。この結果から、池の魚の総数はおよそ2000匹と推定されました。はじめに印をつけた魚は何匹と考えられますか。
答え
160匹
解説
ふつうの推定の問題とは逆に、印をつけた数の方が未知数になっている問題です。考え方は同じで、「池全体での印つきの割合 = 標本での印つきの割合」とみなします。
はじめに印をつけた魚を x 匹とします。池の総数は2000匹と推定されているので、池全体での印のついた魚の割合は 2000x です。
標本では100匹中8匹に印がついていたので、標本での割合は
2つの割合が等しいとみなすと
両辺に 2000 を掛けて
よって、印をつけた魚は160匹と考えられます。
検算: 印つきが160匹なら池全体での割合は 2000160=0.08、標本での割合も 1008=0.08 で一致します。さらに、160匹から総数を推定し直すと 160×8100=2000 匹となり、問題文の推定値とも一致します。
未知数がどこにあっても、「2つの割合が等しい」という1本の式さえ立てられれば解けます。
ある工場で作られた製品の中から無作為に500個選んで検査したところ、不良品が4個ありました。この工場で作った製品40000個を出荷するとき、その中にふくまれる良品(不良品でない製品)はおよそ何個と考えられますか。
答え
およそ39680個
解説
まず、40000個の中の不良品の数を推定します。標本での不良品の割合は
母集団(40000個)でも不良品の割合は 1251 とみなせるので、不良品の数は
よって不良品はおよそ320個です。求めるのは良品の数なので、全体からひいて
よって、良品はおよそ39680個と考えられます。
検算: 不良品320個の割合は 40000320=0.008、標本での割合も 5004=0.008 で一致します。また、良品と不良品を足すと 39680+320=40000 となり、全体の数と合っています。
別解として、良品の割合から直接求めることもできます。標本での良品の割合は 500496 なので
と、同じ答えになります。問われているのが「不良品」か「良品」か、最後に必ず確認しましょう。