関数 y=ax² とそのグラフ
ボールを高いところから落とすと、落ち始めてから 秒間に落ちる距離 m は、およそ という式で表せます。また、1辺が cm の正方形の面積 cm² は です。このように、 が の2乗に比例する関係はいろいろな場面に現れます。
が の2乗に比例するとき、 を でない定数として
と表せます。この を比例定数といいます。1年生で学んだ比例 と同じように、 の値を1つ決めると の値がただ1つ決まるので、 は の関数です。
のグラフをかいてみましょう。 に対して となります。これらの点をなめらかな曲線で結ぶと、原点を通り、 軸について左右対称な曲線になります。この曲線を放物線といいます。ボールを斜めに投げたときの通り道の形です。
変域 — x の範囲から y の範囲を求める
の変域(範囲)が決まっているとき、それに対応する の変域を求める問題を考えます。1次関数ではグラフがまっすぐな直線なので、 の変域の両端をそのまま代入すれば の変域が求められました。しかし のグラフは曲線で、頂点(原点)で折り返すため、同じやり方をすると間違えることがあります。
特に注意が必要なのは、 の変域が をまたぐ(変域の中に が入っている)場合です。たとえば で のとき、両端だけ代入すると と ですが、変域の途中の で という最小の値をとります。だから正しい の変域は ではなく です。必ずグラフの形を思い浮かべて考えましょう。
変化の割合
変化の割合とは、 の増加量に対する の増加量の割合、つまり「 の増加量 ÷ の増加量」のことでした。
1次関数 では、変化の割合はどこをとっても一定で、傾き に等しいのでした。ところが関数 では、グラフが曲線なので、変化の割合は一定ではなく、どこからどこまで変化するかによって値が変わります。ここが1次関数との大きなちがいです。
で、 が から まで増加するときの変化の割合を計算してみましょう。 は から まで変化するので
途中で因数分解 を使って約分しました。とても簡単な形になります。
変化の割合は「平均の速さ」の計算にも使えます。たとえばボールが斜面を転がり、 秒間に m 進むとき、 が から まで変化する間の変化の割合は、「進んだ距離 ÷ かかった時間」つまりこの2秒間の平均の速さを表します。
放物線と直線・y=ax² の利用
放物線 と直線が組み合わさった問題は、高校入試で最もよく出るテーマの1つです。放物線上の点の座標は、 座標を式に代入すれば 座標が求められます。2点の座標がわかれば、その2点を通る直線の式(傾きと切片)も求められます。
最後に、 が現実の場面でどう使われるかを見ておきましょう。
・物が自然に落ちるとき、落ち始めてから 秒間に落ちる距離 m は、およそ で表されます。
・自動車がブレーキをかけてから止まるまでに進む距離(制動距離)は、速さの2乗に比例することが知られています。速さが2倍になると制動距離は4倍になるので、スピードの出しすぎが危険な理由が数学的に説明できます。
どちらも「 とおいて、わかっている1組の 、 の値から比例定数 を決める」という同じ流れで解けます。