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中3数学4

関数 y=ax²

放物線のグラフ、変域、変化の割合、放物線と直線の問題を学びます。

関数 y=ax² とそのグラフ

ボールを高いところから落とすと、落ち始めてから xx 秒間に落ちる距離 yy m は、およそ y=5x2y = 5x^2 という式で表せます。また、1辺が xx cm の正方形の面積 yy cm² は y=x2y = x^2 です。このように、yyxx の2乗に比例する関係はいろいろな場面に現れます。

yyxx の2乗に比例するとき、aa00 でない定数として

y=ax2y = ax^2

と表せます。この aa を比例定数といいます。1年生で学んだ比例 y=axy = ax と同じように、xx の値を1つ決めると yy の値がただ1つ決まるので、yyxx の関数です。

y=x2y = x^2 のグラフをかいてみましょう。x=3,2,1,0,1,2,3x = -3, -2, -1, 0, 1, 2, 3 に対して y=9,4,1,0,1,4,9y = 9, 4, 1, 0, 1, 4, 9 となります。これらの点をなめらかな曲線で結ぶと、原点を通り、yy 軸について左右対称な曲線になります。この曲線を放物線といいます。ボールを斜めに投げたときの通り道の形です。

y=ax² のグラフの特徴

1. 原点を通り、yy 軸について対称な放物線である(原点を放物線の頂点、yy 軸を軸という)

2. a>0a > 0 のとき上に開き、yy の値は 00 以上になる

3. a<0a < 0 のとき下に開き、yy の値は 00 以下になる

4. aa の絶対値が大きいほど、グラフの開き方は小さくなる(細長くなる)

5. y=ax2y = ax^2y=ax2y = -ax^2 のグラフは、xx 軸について対称である

例題 1(式を求める)

yyxx の2乗に比例し、x=2x = 2 のとき y=8y = -8 である。yyxx の式で表しなさい。

解き方

yyxx の2乗に比例するので、y=ax2y = ax^2 とおけます。x=2x = 2y=8y = -8 を代入すると

8=a×22=4a-8 = a \times 2^2 = 4a

よって a=2a = -2 となり、求める式は

y=2x2y = -2x^2

a<0a < 0 なので、このグラフは下に開いた放物線です。式を求めたら、x=2x = 2 を代入して y=2×4=8y = -2 \times 4 = -8 に戻るか検算しましょう。

変域 — x の範囲から y の範囲を求める

xx の変域(範囲)が決まっているとき、それに対応する yy の変域を求める問題を考えます。1次関数ではグラフがまっすぐな直線なので、xx の変域の両端をそのまま代入すれば yy の変域が求められました。しかし y=ax2y = ax^2 のグラフは曲線で、頂点(原点)で折り返すため、同じやり方をすると間違えることがあります。

特に注意が必要なのは、xx の変域が 00 をまたぐ(変域の中に x=0x = 0 が入っている)場合です。たとえば y=x2y = x^22x3-2 \le x \le 3 のとき、両端だけ代入すると y=4y = 4y=9y = 9 ですが、変域の途中の x=0x = 0y=0y = 0 という最小の値をとります。だから正しい yy の変域は 4y94 \le y \le 9 ではなく 0y90 \le y \le 9 です。必ずグラフの形を思い浮かべて考えましょう。

y=ax² の変域の求め方

xx の変域に 00 をふくむとき

a>0a > 0 なら、yy の最小の値は 00(x=0x = 0 のとき)。最大の値は、00 から遠い方の端の xx を代入した値

a<0a < 0 なら、yy の最大の値は 00(x=0x = 0 のとき)。最小の値は、00 から遠い方の端の xx を代入した値

xx の変域に 00 をふくまないときは、両端の値を代入して大小を比べればよい

迷ったら簡単なグラフの図をかくのがいちばん確実です。

例題 2(0 をまたぐ変域)

関数 y=2x2y = 2x^2 について、xx の変域が 2x1-2 \le x \le 1 のときの yy の変域を求めなさい。

解き方

a=2>0a = 2 > 0 なので、グラフは上に開いた放物線です。xx の変域 2x1-2 \le x \le 100 をふくむので、yy の最小の値は x=0x = 0 のときの

y=2×02=0y = 2 \times 0^2 = 0

最大の値は、00 から遠い方の端 x=2x = -2 のときの

y=2×(2)2=8y = 2 \times (-2)^2 = 8

(もう一方の端 x=1x = 1 では y=2y = 2 で、88 より小さい)

よって、yy の変域は

0y80 \le y \le 8

2y82 \le y \le 8」としてしまうのがいちばん多いミスです。変域に 00 が入っていないか、最初に確認する習慣をつけましょう。

変化の割合

変化の割合とは、xx の増加量に対する yy の増加量の割合、つまり「yy の増加量 ÷ xx の増加量」のことでした。

1次関数 y=ax+by = ax + b では、変化の割合はどこをとっても一定で、傾き aa に等しいのでした。ところが関数 y=ax2y = ax^2 では、グラフが曲線なので、変化の割合は一定ではなく、どこからどこまで変化するかによって値が変わります。ここが1次関数との大きなちがいです。

y=ax2y = ax^2 で、xxpp から qq まで増加するときの変化の割合を計算してみましょう。yyap2ap^2 から aq2aq^2 まで変化するので

aq2ap2qp=a(q+p)(qp)qp=a(p+q)\frac{aq^2 - ap^2}{q - p} = \frac{a(q+p)(q-p)}{q - p} = a(p + q)

途中で因数分解 q2p2=(q+p)(qp)q^2 - p^2 = (q+p)(q-p) を使って約分しました。とても簡単な形になります。

y=ax² の変化の割合

y=ax2y = ax^2 で、xx の値が pp から qq まで増加するときの変化の割合は

a(p+q)a(p + q)

つまり「比例定数 × (xx の最初の値と最後の値の和)」で求められます。テストで時間を節約できる便利な公式ですが、なぜ成り立つのか(上の式変形)もセットで理解しておきましょう。

例題 3(変化の割合)

関数 y=2x2y = 2x^2 で、xx の値が 22 から 55 まで増加するときの変化の割合を求めなさい。

解き方

公式 a(p+q)a(p+q) で、a=2a = 2p=2p = 2q=5q = 5 なので

2×(2+5)=142 \times (2 + 5) = 14

定義どおりに確かめると、x=2x = 2 のとき y=8y = 8x=5x = 5 のとき y=50y = 50 なので

50852=423=14\frac{50 - 8}{5 - 2} = \frac{42}{3} = 14

となり、確かに一致します。

変化の割合は「平均の速さ」の計算にも使えます。たとえばボールが斜面を転がり、xx 秒間に yy m 進むとき、xx11 から 33 まで変化する間の変化の割合は、「進んだ距離 ÷ かかった時間」つまりこの2秒間の平均の速さを表します。

放物線と直線・y=ax² の利用

放物線 y=ax2y = ax^2 と直線が組み合わさった問題は、高校入試で最もよく出るテーマの1つです。放物線上の点の座標は、xx 座標を式に代入すれば yy 座標が求められます。2点の座標がわかれば、その2点を通る直線の式(傾きと切片)も求められます。

放物線上の2点を通る直線

放物線 y=ax2y = ax^2 上の、xx 座標が ppqq の2点を通る直線の式は

y=a(p+q)xapqy = a(p+q)x - apq

傾き a(p+q)a(p+q) は、xxpp から qq まで増加するときの変化の割合と同じです。切片が apq-apq になることは、x=px = p を代入すると a(p+q)papq=ap2a(p+q)p - apq = ap^2 となって、確かに放物線上の点を通ることから確かめられます。この公式を知らなくても、「2点の座標を求める → 傾きを計算 → 1点の座標を代入して切片を求める」という手順で必ず解けます。

例題 4(直線の式と三角形の面積)

放物線 y=x2y = x^2 上に、xx 座標が 1-1 の点 A と、xx 座標が 22 の点 B がある。
(1) 直線 AB の式を求めなさい。
(2) 原点 O と 2点 A、B を頂点とする三角形 OAB の面積を求めなさい。

解き方

(1) まず A、B の座標を求めます。y=x2y = x^2 に代入して、A(1, 1)(-1, \ 1)、B(2, 4)(2, \ 4)

直線 AB の傾きは

412(1)=33=1\frac{4 - 1}{2 - (-1)} = \frac{3}{3} = 1

y=x+by = x + b に B(2, 4)(2, \ 4) を代入すると 4=2+b4 = 2 + b より b=2b = 2。よって

y=x+2y = x + 2

(公式 y=a(p+q)xapqy = a(p+q)x - apq でも、a=1a=1p=1p=-1q=2q=2 から y=x+2y = x + 2 となり一致します)

(2) 直線 AB と yy 軸との交点を C とすると、C(0, 2)(0, \ 2) です。三角形 OAB を、線分 OC を共通の底辺とする三角形 OCA と三角形 OCB に分けます。底辺 OC の長さは 22 で、高さはそれぞれ A、B の xx 座標の絶対値 1122 です。

OAB=12×2×1+12×2×2=1+2=3\triangle \text{OAB} = \frac{1}{2} \times 2 \times 1 + \frac{1}{2} \times 2 \times 2 = 1 + 2 = 3

yy 軸との交点で2つに分け、切片を底辺とみる」のは、放物線と直線の面積問題の最重要テクニックです。

最後に、y=ax2y = ax^2 が現実の場面でどう使われるかを見ておきましょう。

・物が自然に落ちるとき、落ち始めてから xx 秒間に落ちる距離 yy m は、およそ y=5x2y = 5x^2 で表されます。

・自動車がブレーキをかけてから止まるまでに進む距離(制動距離)は、速さの2乗に比例することが知られています。速さが2倍になると制動距離は4倍になるので、スピードの出しすぎが危険な理由が数学的に説明できます。

どちらも「y=ax2y = ax^2 とおいて、わかっている1組の xxyy の値から比例定数 aa を決める」という同じ流れで解けます。

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