みんなの教科書GitHub

中3数学3

2次方程式

因数分解・平方完成・解の公式による解き方と文章題を学びます。

2次方程式とその解

x25x+6=0x^2 - 5x + 6 = 0 のように、移項して整理すると「(xx の2次式)=0= 0」の形になる方程式を、xx についての2次方程式といいます。一般に、aabbcc を定数(a0a \ne 0)として

ax2+bx+c=0ax^2 + bx + c = 0

の形に表せます。1次方程式との大きな違いは、x2x^2 の項があることです。

方程式を成り立たせる xx の値を、その方程式の解といい、解をすべて求めることを「方程式を解く」といいます。たとえば x25x+6=0x^2 - 5x + 6 = 0x=2x = 2 を代入すると 410+6=04 - 10 + 6 = 0 となって成り立つので、x=2x = 2 はこの方程式の解です。x=3x = 3915+6=09 - 15 + 6 = 0 で成り立つので解です。このように、2次方程式の解はふつう2つあります。

まず、平方根の考えを使って解ける形から見ていきましょう。x2=7x^2 = 7 という方程式は、「2乗すると 77 になる数は何か」と読めます。2乗して 77 になる数は 77 の平方根、つまり 7\sqrt{7}7-\sqrt{7} の2つでした。だから解は x=±7x = \pm\sqrt{7} です。プラスとマイナスの両方が解になることを忘れないようにしましょう。

平方根の考えを使う解き方

k>0k > 0 のとき

x2=kx^2 = k の解は x=±kx = \pm\sqrt{k}

(x+m)2=k(x + m)^2 = k の解は x+m=±kx + m = \pm\sqrt{k} より x=m±kx = -m \pm \sqrt{k}

「2乗されているかたまり」を1つのものとみて、平方根をとるのがポイントです。

例題 1(平方根の考えで解く)

次の2次方程式を解きなさい。
(1) 3x224=03x^2 - 24 = 0
(2) (x1)2=8(x - 1)^2 = 8

解き方

(1) まず x2=x^2 = (数)の形に整理します。24-24 を移項して

3x2=243x^2 = 24

両辺を 33 で割って

x2=8x^2 = 8

88 の平方根を考えて、8=22\sqrt{8} = 2\sqrt{2} だから

x=±22x = \pm 2\sqrt{2}

検算: 3×(±22)2=3×8=243 \times (\pm 2\sqrt{2})^2 = 3 \times 8 = 24 で成り立ちます。

(2) x1x - 1 を1つのかたまりとみると、「2乗すると 88 になる数」だから

x1=±8=±22x - 1 = \pm\sqrt{8} = \pm 2\sqrt{2}

1-1 を移項して

x=1±22x = 1 \pm 2\sqrt{2}

検算: x1=±22x - 1 = \pm 2\sqrt{2} なので (x1)2=8(x-1)^2 = 8 で成り立ちます。

では、x2+6x+2=0x^2 + 6x + 2 = 0 のように、そのままでは (x+m)2=k(x+m)^2 = k の形になっていない方程式はどうすればよいでしょうか。実は、式を変形して (x+m)2=k(x+m)^2 = k の形を自分で作ることができます。

x2+6x+2=0x^2 + 6x + 2 = 0+2+2 を右辺に移項すると

x2+6x=2x^2 + 6x = -2

ここで左辺を (x+3)2(x + 3)^2 の形にしたいのですが、(x+3)2=x2+6x+9(x+3)^2 = x^2 + 6x + 9 なので、99 が足りません。そこで両辺に 99 を加えます。

x2+6x+9=2+9x^2 + 6x + 9 = -2 + 9
(x+3)2=7(x + 3)^2 = 7

これで平方根の考えが使えて

x+3=±7x + 3 = \pm\sqrt{7}
x=3±7x = -3 \pm \sqrt{7}

加える数 99 は、xx の係数 66 の半分の 33 を2乗した数です。このように (x+m)2=k(x+m)^2 = k の形に変形する方法を平方完成といい、次のセクションで学ぶ解の公式のもとになる、とても大切な考え方です。

$(x+m)^2 = k$ の形への変形(平方完成)

x2+px=qx^2 + px = q の形にしたら、両辺に「xx の係数 pp の半分を2乗した数」(p2)2\left(\dfrac{p}{2}\right)^2 を加えると

(x+p2)2=q+(p2)2\left(x + \frac{p}{2}\right)^2 = q + \left(\frac{p}{2}\right)^2

と左辺が2乗の形になります。

因数分解による解き方

次に、多くの2次方程式をすばやく解ける、因数分解を使う方法を学びます。この方法の土台になるのは、次のとても単純な性質です。

2つの数 AABB について、AB=0AB = 0 ならば、A=0A = 0 または B=0B = 0 です。なぜなら、AABB がどちらも 00 でなければ、その積が 00 になることは絶対にないからです。「掛けて 00 になるなら、少なくとも一方は 00」ということですね。

因数分解による解き方

AB=0AB = 0 ならば A=0A = 0 または B=0B = 0

この性質を使って、次の手順で解きます。
1. すべての項を左辺に移項して「(2次式)=0= 0」の形にする
2. 左辺を因数分解する
3. それぞれの因数を 00 とおいて解を求める

例題 2(因数分解で解く)

2次方程式 x2+7x+12=0x^2 + 7x + 12 = 0 を解きなさい。

解き方

左辺を因数分解します。掛けて 1212、足して 77 になる2数は 3344 なので

(x+3)(x+4)=0(x + 3)(x + 4) = 0

AB=0AB = 0 ならば A=0A = 0 または B=0B = 0 だから

x+3=0またはx+4=0x + 3 = 0 \quad または \quad x + 4 = 0

よって

x=3, x=4x = -3, \ x = -4

検算: x=3x = -3 のとき 921+12=09 - 21 + 12 = 0x=4x = -4 のとき 1628+12=016 - 28 + 12 = 0 で、どちらも成り立ちます。因数分解した式の符号と解の符号が逆になる(x+3=0x+3=0 から x=3x=-3)ことに注意しましょう。

例題 3(右辺が 0 でない方程式)

2次方程式 x2=3xx^2 = 3x を解きなさい。

解き方

「両辺を xx で割って x=3x = 3」としてはいけません。x=0x = 0 かもしれず、00 で割ることはできないからです。実際、この割り算をすると解を1つ失ってしまいます。

正しくは、まずすべての項を左辺に移項して

x23x=0x^2 - 3x = 0

共通因数 xx をくくり出して

x(x3)=0x(x - 3) = 0

よって x=0x = 0 または x3=0x - 3 = 0 となり

x=0, x=3x = 0, \ x = 3

検算: x=0x = 0 のとき両辺とも 00x=3x = 3 のとき両辺とも 99 で成り立ちます。「文字で割らずに、移項して因数分解」が鉄則です。

左辺が (x4)2=0(x - 4)^2 = 0 のように2乗の形に因数分解できるときは、x4=0x - 4 = 0 から x=4x = 4 となり、解は1つだけになります。2次方程式の解はふつう2つですが、このように1つになる場合もあることを覚えておきましょう。

解の公式

x2+5x+2=0x^2 + 5x + 2 = 0 の左辺は、掛けて 22、足して 55 になる整数が見つからないので、因数分解できません。こういうときも確実に解けるのが解の公式です。公式を丸暗記する前に、どうやって作られるのかを見ておきましょう。使うのは、さきほど学んだ平方完成です。

2次方程式 ax2+bx+c=0ax^2 + bx + c = 0(a0a \ne 0)を平方完成で解いてみます。まず両辺を aa で割ります。

x2+bax+ca=0x^2 + \frac{b}{a}x + \frac{c}{a} = 0

定数項を右辺に移項して

x2+bax=cax^2 + \frac{b}{a}x = -\frac{c}{a}

xx の係数 ba\dfrac{b}{a} の半分 b2a\dfrac{b}{2a} を2乗した b24a2\dfrac{b^2}{4a^2} を両辺に加えると

x2+bax+b24a2=b24a2cax^2 + \frac{b}{a}x + \frac{b^2}{4a^2} = \frac{b^2}{4a^2} - \frac{c}{a}

左辺は2乗の形になり、右辺は通分すると

(x+b2a)2=b24ac4a2\left(x + \frac{b}{2a}\right)^2 = \frac{b^2 - 4ac}{4a^2}

平方根の考えを使って

x+b2a=±b24ac2ax + \frac{b}{2a} = \pm\frac{\sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}

b2a\dfrac{b}{2a} を移項すれば、解の公式が得られます。

x=b±b24ac2ax = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}

2次方程式の解の公式

2次方程式 ax2+bx+c=0ax^2 + bx + c = 0 の解は

x=b±b24ac2ax = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 - 4ac}}{2a}

aabbcc は符号もこめて代入します。bbcc が負の数のときは、かっこをつけて代入するとミスが防げます。

例題 4(解の公式を使う)

2次方程式 3x2+5x+1=03x^2 + 5x + 1 = 0 を解きなさい。

解き方

a=3a = 3b=5b = 5c=1c = 1 を解の公式に代入します。

x=5±524×3×12×3=5±25126x = \frac{-5 \pm \sqrt{5^2 - 4 \times 3 \times 1}}{2 \times 3} = \frac{-5 \pm \sqrt{25 - 12}}{6}
x=5±136x = \frac{-5 \pm \sqrt{13}}{6}

検算のコツ: a\sqrt{\phantom{a}} の中 b24ac=2512=13b^2 - 4ac = 25 - 12 = 13 の計算を、もう一度符号に注意してやり直してみましょう。ここが解の公式でいちばんミスの出やすい場所です。

例題 5(根号の中を簡単にする)

2次方程式 2x28x+5=02x^2 - 8x + 5 = 0 を解きなさい。

解き方

a=2a = 2b=8b = -8c=5c = 5 を解の公式に代入します。bb が負の数なので、b=(8)=8-b = -(-8) = 8 となることに注意します。

x=(8)±(8)24×2×52×2=8±64404=8±244x = \frac{-(-8) \pm \sqrt{(-8)^2 - 4 \times 2 \times 5}}{2 \times 2} = \frac{8 \pm \sqrt{64 - 40}}{4} = \frac{8 \pm \sqrt{24}}{4}

24=26\sqrt{24} = 2\sqrt{6} と簡単にできるので

x=8±264=4±62x = \frac{8 \pm 2\sqrt{6}}{4} = \frac{4 \pm \sqrt{6}}{2}

最後は分母分子を 22 で約分しました。a\sqrt{\phantom{a}} の中を簡単にすることと、そのあとの約分を忘れないようにしましょう。

検算: x=4+62x = \dfrac{4 + \sqrt{6}}{2} のとき x2=16+86+64=22+864x^2 = \dfrac{16 + 8\sqrt{6} + 6}{4} = \dfrac{22 + 8\sqrt{6}}{4} なので、2x28x+5=22+862(16+46)+5=11+461646+5=02x^2 - 8x + 5 = \dfrac{22 + 8\sqrt{6}}{2} - (16 + 4\sqrt{6}) + 5 = 11 + 4\sqrt{6} - 16 - 4\sqrt{6} + 5 = 0 で成り立ちます。

解の公式はどんな2次方程式にも使えますが、計算はやや大変です。まず因数分解を試して、できなければ解の公式、というのが実戦での使い分けです。なお、解の公式で解いたときに a\sqrt{\phantom{a}} の中がちょうど平方数(1144991616 など)になったら、その方程式は本当は因数分解でも解けた、というサインです。

2次方程式の利用

最後に、2次方程式を使って文章題を解きます。1次方程式のときと流れは同じですが、2次方程式では解が2つ出ることが多いので、「その解が問題に合っているか」を確かめる作業(解の吟味)が特に大切になります。たとえば、長さを求める問題で負の数の解が出たら、それは問題に合わないので捨てます。

文章題を解く手順

1. 求めたい数量を xx とおく(単位も書く)
2. 等しい数量の関係を見つけて方程式を作る
3. 方程式を解く
4. 解の吟味: 解が問題に合っているか確かめ、合わない解は捨てる

例題 6(数の問題)

ある正の数に、その数を2乗した数を加えると 3030 になります。この正の数を求めなさい。

解き方

求める正の数を xx とすると、「xxx2x^2 を加えると 3030」だから

x+x2=30x + x^2 = 30

すべての項を左辺に移項して整理すると

x2+x30=0x^2 + x - 30 = 0

掛けて 30-30、足して 11 になる2数は 665-5 なので

(x+6)(x5)=0(x + 6)(x - 5) = 0
x=6, x=5x = -6, \ x = 5

解の吟味: 求めるのは正の数だから、x=6x = -6 は問題に合いません。x=5x = 5 は問題に合います。

検算: 5+52=5+25=305 + 5^2 = 5 + 25 = 30 で確かに成り立ちます。答えは 55 です。

例題 7(面積の問題)

ある正方形の縦を 2cm2\,\mathrm{cm}、横を 3cm3\,\mathrm{cm} それぞれ長くした長方形を作ったところ、その面積は元の正方形の面積の2倍になりました。元の正方形の1辺の長さを求めなさい。

解き方

元の正方形の1辺を xcmx\,\mathrm{cm} とします(x>0x > 0)。長方形の縦は (x+2)cm(x+2)\,\mathrm{cm}、横は (x+3)cm(x+3)\,\mathrm{cm} で、その面積が正方形の面積 x2x^2 の2倍だから

(x+2)(x+3)=2x2(x + 2)(x + 3) = 2x^2

左辺を展開して

x2+5x+6=2x2x^2 + 5x + 6 = 2x^2

すべての項を右辺に集めて(左辺に集めると x2x^2 の係数が負になるので、右辺に集めました)

0=x25x60 = x^2 - 5x - 6
x25x6=0x^2 - 5x - 6 = 0

掛けて 6-6、足して 5-5 になる2数は 6-611 なので

(x6)(x+1)=0(x - 6)(x + 1) = 0
x=6, x=1x = 6, \ x = -1

解の吟味: 長さだから x>0x > 0 が必要で、x=1x = -1 は問題に合いません。x=6x = 6 は問題に合います。

検算: 1辺 6cm6\,\mathrm{cm} の正方形の面積は 36cm236\,\mathrm{cm}^2。長方形は縦 8cm8\,\mathrm{cm}、横 9cm9\,\mathrm{cm} で面積 72cm272\,\mathrm{cm}^2 となり、確かに2倍です。答えは 6cm6\,\mathrm{cm} です。

例題 8(動く点の問題)

1辺が 8cm8\,\mathrm{cm} の正方形 ABCD\mathrm{ABCD} があります。点 P\mathrm{P} は頂点 A\mathrm{A} を出発して辺 AB\mathrm{AB} 上を B\mathrm{B} まで毎秒 1cm1\,\mathrm{cm} の速さで進み、点 Q\mathrm{Q}P\mathrm{P} と同時に頂点 B\mathrm{B} を出発して辺 BC\mathrm{BC} 上を C\mathrm{C} まで毎秒 1cm1\,\mathrm{cm} の速さで進みます。PBQ\triangle \mathrm{PBQ} の面積が 6cm26\,\mathrm{cm}^2 になるのは、出発してから何秒後ですか。

解き方

出発してから xx 秒後を考えます。点が辺上にある間なので 0<x<80 < x < 8 です。

xx 秒後、AP=xcm\mathrm{AP} = x\,\mathrm{cm} だから PB=(8x)cm\mathrm{PB} = (8 - x)\,\mathrm{cm}、また BQ=xcm\mathrm{BQ} = x\,\mathrm{cm} です。辺 AB\mathrm{AB} と辺 BC\mathrm{BC} は正方形の隣り合う辺なので垂直です。よって PBQ\triangle \mathrm{PBQ}B=90\angle \mathrm{B} = 90^\circ の直角三角形で、その面積は

12×BQ×PB=12x(8x)\frac{1}{2} \times \mathrm{BQ} \times \mathrm{PB} = \frac{1}{2}x(8 - x)

これが 6cm26\,\mathrm{cm}^2 になるから

12x(8x)=6\frac{1}{2}x(8 - x) = 6

両辺に 22 を掛けて展開すると

8xx2=128x - x^2 = 12

整理して

x28x+12=0x^2 - 8x + 12 = 0
(x2)(x6)=0(x - 2)(x - 6) = 0
x=2, x=6x = 2, \ x = 6

解の吟味: どちらも 0<x<80 < x < 8 を満たすので、両方とも問題に合います。

検算: 22 秒後は PB=6\mathrm{PB} = 6BQ=2\mathrm{BQ} = 2 で面積 12×2×6=6\dfrac{1}{2} \times 2 \times 6 = 666 秒後は PB=2\mathrm{PB} = 2BQ=6\mathrm{BQ} = 6 で面積 12×6×2=6\dfrac{1}{2} \times 6 \times 2 = 6。確かにどちらも 6cm26\,\mathrm{cm}^2 です。

答えは 22 秒後と 66 秒後です。このように、2つの解が両方とも答えになる問題もあります。「解が2つ出たら機械的に片方を捨てる」のではなく、必ず条件に照らして確かめましょう。

この章の内容がむずかしいと感じたら

ChatGPTで質問Claudeで質問Geminiで質問

わからないところは遠慮なくAIに聞こう。Geminiはボタンを押すとプロンプトがコピーされるので、開いたら貼り付けてね。