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中3数学5

相似な図形

相似条件、平行線と線分の比、中点連結定理、相似な図形の面積比・体積比を学びます。

相似な図形と三角形の相似条件

1つの図形を、形を変えずに一定の割合で拡大または縮小した図形は、もとの図形と相似であるといいます。ABC\triangle ABCDEF\triangle DEF が相似であることを、記号 \backsim を使って ABCDEF\triangle ABC \backsim \triangle DEF と表します。このとき、対応する頂点は同じ順に書くのが約束です。

相似な図形では、対応する線分の長さの比はすべて等しく、対応する角の大きさはそれぞれ等しくなります。対応する線分の長さの比を相似比といいます。たとえば相似比が 2:32:3 なら、どの対応する辺どうしの比も 2:32:3 です。

三角形の相似条件

2つの三角形は、次のどれか1つが成り立てば相似です。

1. 3組の辺の比がすべて等しい

2. 2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しい

3. 2組の角がそれぞれ等しい

三角形の内角の和は 180180^\circ なので、2組の角が等しければ残りの角も自動的に等しくなります。だから条件 3 は「2組」で十分なのです。証明問題では条件 3 が使われることが圧倒的に多いので、まず「等しい角が2組ないか」を探しましょう。

相似な三角形を見つけるときは、図の向きに惑わされないように、等しい角に印をつけて対応する頂点を確認します。「共通な角」「対頂角」「平行線の同位角・錯角」は、等しい角の3大供給源です。

例題 1(相似の利用)

ABC\triangle ABC の辺 ABAB 上に点 DD、辺 ACAC 上に点 EE があり、AED=ABC\angle AED = \angle ABC である。AB=6AB = 6 cm、AD=3AD = 3 cm、AE=2AE = 2 cm のとき、ACAC の長さを求めよ。

解き方

ABC\triangle ABCAED\triangle AED で、A\angle A は共通、仮定より ABC=AED\angle ABC = \angle AED。2組の角がそれぞれ等しいので

ABCAED\triangle ABC \backsim \triangle AED

対応に注意します。頂点は AAA \to ABEB \to ECDC \to D と対応するので

AB:AE=AC:ADAB : AE = AC : AD
6:2=AC:36 : 2 = AC : 3

比例式の性質(外項の積 == 内項の積)より 2×AC=6×3=182 \times AC = 6 \times 3 = 18 だから

AC=9 cmAC = 9 \ \text{cm}

検算すると 6:2=3:16:2 = 3:19:3=3:19:3 = 3:1 で比が一致します。DDEE が「入れかわった」ような対応になるのがこの型の特徴で、AB:AD=AC:AEAB:AD = AC:AE と書いてしまうミスが最も多いところです。

平行線と線分の比

ABC\triangle ABC の辺 ABAB 上に点 DD、辺 ACAC 上に点 EE をとり、DEBCDE \parallel BC とします。すると ADE=ABC\angle ADE = \angle ABC(同位角)、A\angle A は共通なので、ADEABC\triangle ADE \backsim \triangle ABC となります。ここから次の重要な定理が得られます。

三角形と比の定理

ABC\triangle ABC の辺 ABABACAC 上(またはその延長上)の点をそれぞれ DDEE とするとき、DEBCDE \parallel BC ならば

AD:AB=AE:AC=DE:BCAD : AB = AE : AC = DE : BC
AD:DB=AE:ECAD : DB = AE : EC

逆に、AD:AB=AE:ACAD:AB = AE:AC または AD:DB=AE:ECAD:DB = AE:EC が成り立てば、DEBCDE \parallel BC です(定理の逆)。

注意してほしいのは、AD:DB=DE:BCAD:DB = DE:BC は成り立たないことです。DE:BCDE:BC に等しいのは、頂点 AA からはかった AD:ABAD:AB の方です。「全体との比か、残りとの比か」を毎回確認しましょう。

この定理を平行線の側から見ると、次の形になります。

平行線と線分の比

3つの平行な直線に2つの直線が交わるとき、平行線によって切り取られる線分の比は等しくなります。すなわち、平行線 llmmnn が直線 pp から順に長さ aabb の線分を、直線 qq から順に長さ aa'bb' の線分を切り取るとき

a:b=a:ba : b = a' : b'

例題 2(三角形と比)

ABC\triangle ABC の辺 ABAB 上に点 DD、辺 ACAC 上に点 EE があり、DEBCDE \parallel BC である。AD=6AD = 6 cm、DB=3DB = 3 cm、AE=8AE = 8 cm、BC=12BC = 12 cm のとき、ECECDEDE の長さを求めよ。

解き方

まず ECEC を求めます。三角形と比の定理より AD:DB=AE:ECAD : DB = AE : EC なので

6:3=8:EC6 : 3 = 8 : EC

外項の積 == 内項の積より 6×EC=3×8=246 \times EC = 3 \times 8 = 24 だから

EC=4 cmEC = 4 \ \text{cm}

次に DEDE を求めます。DE:BCDE:BC に等しいのは AD:ABAD:AB です。AB=AD+DB=6+3=9AB = AD + DB = 6 + 3 = 9 なので

AD:AB=6:9=2:3AD : AB = 6 : 9 = 2 : 3
DE:12=2:3DE : 12 = 2 : 3

3×DE=243 \times DE = 24 より

DE=8 cmDE = 8 \ \text{cm}

検算: AE:EC=8:4=2:1=AD:DBAE:EC = 8:4 = 2:1 = AD:DBDE:BC=8:12=2:3=AD:ABDE:BC = 8:12 = 2:3 = AD:AB で、どちらも定理どおりです。

中点連結定理、角の二等分線と比

三角形と比の定理で、DDEE がそれぞれ辺の中点である特別な場合を考えます。AD:AB=AE:AC=1:2AD:AB = AE:AC = 1:2 なので、定理の逆から DEBCDE \parallel BC、さらに DE:BC=1:2DE:BC = 1:2 が成り立ちます。これが中点連結定理です。

中点連結定理

ABC\triangle ABC の辺 ABABACAC の中点をそれぞれ MMNN とすると

MNBC,MN=12BCMN \parallel BC, \quad MN = \frac{1}{2} BC

「中点どうしを結んだ線分は、残りの辺と平行で、長さはその半分」と覚えます。四角形の各辺の中点を結ぶ問題や、証明問題の補助線として非常によく使われます。

次に、角の二等分線と辺の比の関係を学びます。ABC\triangle ABCA\angle A の二等分線と辺 BCBC との交点を DD とします。点 CC を通り ADAD に平行な直線をひき、辺 BABA の延長との交点を EE とすると、ADECAD \parallel EC から BAD=AEC\angle BAD = \angle AEC(同位角)、DAC=ACE\angle DAC = \angle ACE(錯角)。仮定より BAD=DAC\angle BAD = \angle DAC なので AEC=ACE\angle AEC = \angle ACE となり、ACE\triangle ACE は二等辺三角形で AE=ACAE = AC です。BEC\triangle BEC で三角形と比の定理を使うと BD:DC=BA:AE=AB:ACBD:DC = BA:AE = AB:AC が得られます。

角の二等分線と比

ABC\triangle ABCA\angle A の二等分線と辺 BCBC との交点を DD とすると

BD:DC=AB:ACBD : DC = AB : AC

「二等分線が対辺を、はさむ2辺の比に分ける」定理です。比の対応(BB 側が ABABCC 側が ACAC)を取り違えないようにしましょう。

例題 3(角の二等分線)

ABC\triangle ABCAB=6AB = 6 cm、AC=4AC = 4 cm、BC=5BC = 5 cm とする。A\angle A の二等分線と辺 BCBC との交点を DD とするとき、BDBD の長さを求めよ。

解き方

角の二等分線と比の定理より

BD:DC=AB:AC=6:4=3:2BD : DC = AB : AC = 6 : 4 = 3 : 2

DDBCBC 上の点なので、BDBDBC=5BC = 5 cm を 3:23:2 に分けた 33 の側です。

BD=5×33+2=5×35=3 cmBD = 5 \times \frac{3}{3+2} = 5 \times \frac{3}{5} = 3 \ \text{cm}

検算: DC=53=2DC = 5 - 3 = 2 cm で、BD:DC=3:2=6:4=AB:ACBD:DC = 3:2 = 6:4 = AB:AC となり定理と一致します。

相似な図形の面積比・体積比、相似の利用

相似比が m:nm:n の2つの図形を考えます。周の長さのような「長さ」はどこも m:nm:n ですが、面積は縦も横も nm\dfrac{n}{m} 倍になるので m2:n2m^2 : n^2、体積は縦・横・高さの3方向とも nm\dfrac{n}{m} 倍になるので m3:n3m^3 : n^3 になります。「面積は2乗、体積は3乗」がこのセクションの合言葉です。

相似な図形の面積比・体積比

相似比が m:nm:n のとき

周の長さの比 =m:n= m : n

面積の比(立体では表面積の比)=m2:n2= m^2 : n^2

体積の比 =m3:n3= m^3 : n^3

例題 4(面積比)

相似比が 2:32:3 の相似な2つの図形がある。小さい方の面積が 20 cm220 \ \text{cm}^2 のとき、大きい方の面積を求めよ。

解き方

相似比が 2:32:3 なので、面積比は

22:32=4:92^2 : 3^2 = 4 : 9

大きい方の面積を S cm2S \ \text{cm}^2 とすると

4:9=20:S4 : 9 = 20 : S

外項の積 == 内項の積より 4S=1804S = 180 だから

S=45 cm2S = 45 \ \text{cm}^2

検算: 20:45=4:920:45 = 4:9(20×9=180=45×420 \times 9 = 180 = 45 \times 4)で面積比と一致します。相似比のまま 20×32=3020 \times \dfrac{3}{2} = 30 としてしまうのが典型的なミスです。面積は必ず2乗した比で計算しましょう。

相似は、直接はかれない長さを求める測量にも使われます。実際の土地や建物を一定の割合で縮小してかいた図を縮図といい、縮小した割合(たとえば 11000\dfrac{1}{1000})を縮尺といいます。

たとえば、縮尺 1500\dfrac{1}{500} の縮図上で 66 cm の距離は、実際には 6×500=30006 \times 500 = 3000 cm、つまり 3030 m です。また、同じ時刻には太陽光線が平行なので、棒とその影がつくる直角三角形はどれも相似になります。この性質を使うと、木や建物の高さを影の長さから計算できます。

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