多項式の乗法
単項式と多項式の積は、分配法則を使って計算できます。たとえば
のように、かっこの中のすべての項に掛けます。
多項式どうしの積も考え方は同じです。 は、 をひとまとまりと見て と に分配し、さらにもう一度分配法則を使うと
となります。このように、積の形の式をかっこをはずして単項式の和の形に表すことを、式を展開するといいます。縦 、横 の長方形を4つの小さい長方形に分けると、面積が 、、、 の4つに分かれることからも、この計算が正しいことがわかります。
展開の中でも特によく出てくる形は、公式として覚えてしまうと計算がぐっと速くなります。次の4つを乗法公式といいます。
のような単項式も、1つのまとまりと見れば公式が使えます。たとえば は、公式2で の部分を 、 の部分を と考えて
と展開できます。 であって ではないことに注意しましょう。
因数分解
のように、多項式をいくつかの式の積の形に表すことを因数分解といい、積をつくっている1つ1つの式を因数といいます。因数分解は展開のちょうど逆の操作です。展開が「かっこをはずす」なら、因数分解は「かっこをつくる」計算だといえます。
因数分解でまず最初にやるべきことは、共通因数をくくり出すことです。すべての項に共通な因数があれば、分配法則を逆に使ってかっこの外に出します。
たとえば は、どちらの項にも が共通なので と因数分解できます。
「掛けて 、足して 」の2数を探すときは、符号に注目すると候補をしぼれます。
積が正なら2数は同符号(和が正なら両方とも正、和が負なら両方とも負)、積が負なら2数は異符号です。たとえば では、掛けて (異符号)、足して なので、 と が見つかり、 と因数分解できます。
いろいろな因数分解
公式がそのままでは使えない式も、ひと工夫すると因数分解できることがあります。基本は「まず共通因数をくくり出し、かっこの中に公式が使えないか調べる」という順番です。
式の中に同じまとまりがくり返し出てくるときは、そのまとまりを1つの文字におき換えると、見慣れた形になります。これをおき換えによる因数分解といいます。
式の計算の利用
乗法公式や因数分解は、文字式のためだけの道具ではありません。数の計算を工夫したり、数や図形の性質を証明したりするときにも役立ちます。
たとえば をそのまま筆算するのは大変ですが、 と見ると
と暗算でも計算できます。
数の性質を証明するときは、整数を文字で表します。整数 を使うと、いろいろな数を次のように表せます。
連続する3つの整数 … 、、(または 、、)
偶数 … 、 奇数 …
連続する2つの奇数 … 、
5の倍数 …